冬を代表する野菜「白菜」
鍋の具材として人気の白菜。鍋の他にも炒め物・浅漬け・サラダなど用途の多い野菜です。
白菜の旬は11~2月の冬の時期ですが、中には5~7月が旬の春白菜と呼ばれるものや8~10月が旬の夏白菜と呼ばれるものもあります。
冬になるとスーパーなどで白菜を丸ごと1玉買ってきて調理する方も多いんじゃないでしょうか。
そんな白菜は犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫は白菜を食べても大丈夫!
犬猫は白菜を食べても大丈夫です。白菜には犬猫にとって有害な成分は含まれていません。
しかしどんな食べ物でも食べすぎはよくありません。与え方の注意点を紹介します。
腎臓への影響はある?
犬猫は人間に比べて腎臓病になりやすい動物なので食べ物による腎臓への影響は心配ですよね。
白菜による腎臓への影響はあるのか、腎臓病を患っている犬猫は白菜を食べても大丈夫なのかを紹介します。
腎臓病の犬猫は白菜を食べても大丈夫?
腎臓病を患っている犬猫には白菜は与えない方がいいです。理由は白菜に含まれている「カリウム」にあります。
カリウムは犬猫を含む動物が生きていく上で欠かせないミネラルの一種です。
カリウムが不足すると「低カリウム血症」という病気になり筋量低下や歩行不全などの症状を発症する恐れがあります。
じゃあたくさん摂った方がいいんじゃないの?と思いますがそうではありません。
通常、体に不必要な余分なカリウムは尿と一緒に体外に排出されるため、基本的にカリウム過剰の心配はありませんが、腎臓病の犬猫はカリウムの排出が苦手なため
血中のカリウムの濃度が上がってしまい、「高カリウム血症」という病気の恐れがあります。
症状としては嘔吐などの消化器症状・神経症状・不整脈などがあり、最悪の場合死に至るとても恐ろしい病気です。
白菜を食べることによる腎臓への影響はある?
健全な犬猫が白菜を食べても腎臓への影響はほとんどありません。健全な犬猫は余分なカリウムを体外へ排出することができます。
腎臓・尿道・膀胱などでミネラルが結晶化することで結石を引き起こしますが
白菜には結石を引き起こすほどのミネラルは含まれていません。
生で食べても大丈夫?
犬猫も生の白菜を食べても大丈夫ですが、加熱した方が胃腸に優しいので愛犬愛猫に合わせて与えてください。
生の白菜の芯は葉の部分に比べて固く、のどに詰まらせたり消化不良を起こすリスクも高いです。
生の白菜を犬猫に与える場合は細かく切ったほうがいいでしょう。
食べても大丈夫な量
健全な犬猫が食べても大丈夫とはいえ与えていい量には限度があります。犬猫が1日に必要なカロリーの10%以内にとどめておきましょう。
あくまで目安量です。はじめて与える場合はアレルギーの観点からも少量にしておきましょう。
白菜には食物繊維も含まれているため消化不良を起こさないように注意しましょう。
愛犬・愛猫の1日に必要なカロリーの計算方法については以下を参照してください。
白菜に含まれる代表的な栄養素
結球葉 生 可食部100gあたり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 13kcal |
たんぱく質 | 0.6g |
炭水化物 | 2.0g |
食物繊維 | 1.3g |
カリウム | 220mg |
ビタミンC | 19mg |
ビタミンK | 59μg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
食物繊維
食物繊維は植物に多く含まれるため、草食動物は食物繊維を消化吸収し、エネルギーにすることができます。
しかし人間も犬も猫も食物繊維を消化吸収することができません。
そのため昔は不要な成分と考えられていましたが、近年では食物繊維が持つ整腸作用などがわかっており注目されています。
食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に分けることができます。
不溶性食物繊維は便の体積を増やしぜんどう運動を活発にし、便秘の解消・予防に役立ちます。
水溶性食物繊維は水分を運び便を柔らかくする効果があり、同じく便秘の解消・予防に役立ちます。
整腸作用が嬉しい食物繊維ですが、摂りすぎには注意が必要です。消化吸収できないものなので摂取しすぎると消化不良や下痢を起こしたりする可能性があります。気をつけましょう。
ビタミンC
ビタミンCには抗酸化作用があるので人間だけでなく犬や猫にも必要なビタミンです。
しかし犬や猫は人間と違ってビタミンCを体内で生成することができます。それではわざわざ外から摂取する必要がなさそうに思えますがそうでもありません。
ビタミンCは犬や猫の肝臓で生成されます。犬や猫が老化すると当然内臓の機能が衰えてきますので肝臓がビタミンCを生成する能力も衰えるわけです。
特にシニアの犬や猫は積極的に摂取した方がいいといえます。
ビタミンK
脂溶性ビタミンの一種であるビタミンKは血液凝固の役割があります。
怪我などで出血が起こった際に血を固めて止血するために体内で「凝固因子」というたんぱく質の一種が働きます。
ビタミンKはこの凝固因子を作るために欠かせないビタミンなのです。
他にもビタミンKはタンパク質の代謝や骨のカルシウム沈着にも関与しているとても大切なビタミンです。
犬や猫に白菜をあげる際の注意点
白菜は犬や猫が食べても大丈夫な食材ですが、白菜を与える際にはいくつかの注意点があります。
細かくしてから与える
消化しやすくなり喉に詰まらせるリスクが減るため、白菜を与える際は細かくしてから与えましょう。
さらに、白菜は加熱した方が胃に優しくなります。蒸すが茹でるのがおすすめです。
ダイエットに良い食品
白菜は95%が水分でカロリーも100gあたり13kcalとなっていて非常にヘルシーな食材です。
愛犬・愛猫が肥満気味という方は検討してみてもいいかもしれません。
アレルギーは大丈夫?
犬猫は油揚げのもとである大豆にアレルギーを持っている場合があります。初めて与える場合はごく少量にして様子を見ましょう。
皮膚や口周りの赤みやかゆみ・腫れ等が見られた場合すぐに与えるのを辞め、症状がひどくなる場合は動物病院へ行きましょう。
犬や猫にあげる白菜のレシピ
犬猫に白菜をはじめて与える場合は普段与えているペットフードのトッピングとして与えてみてください。
一緒にささみなどもトッピングしてあげると食いつきも良くなるでしょう。
よく火を通して細かくしてからあげましょう。
【まとめ】犬猫は白菜を食べても大丈夫
犬猫は白菜を食べても大丈夫ですが以下の点には注意しましょう。
- 食物繊維の摂りすぎに注意
- 生でも食べられるが加熱した方が胃に優しい
- 腎臓病の犬猫は食べない方がいい
今回は白菜について紹介しました。犬猫にとって害となる成分はなく手作りごはんにも取り入れやすい食材です。
くれぐれも与えすぎには注意してください。