体にいいイメージのある「おから」
おからは、豆腐を作る時に大豆から豆乳をしぼった後の残りを指します。
おからの色が初夏に花を咲かせるウツギの花に似ていることから「卯の花」と呼ばれることもあります。
定番のおからの和え物をはじめ、ハンバーグやつくねと言ったメイン料理のほかお菓子作りにも使いやすく、その活用方法は多岐に渡ります。
犬猫はおからを食べても大丈夫!
大豆や豆腐を食べても大丈夫なように、犬猫はおからを食べることができます。
食物繊維をはじめ様々な栄養を持った食材です。
本記事では
- おからの種類について
- おからを犬猫に与えるメリット・注意点
- おからを使った愛犬・愛猫用の手作りレシピ
についてお話ししていきます。
おからで犬猫用のおやつを作れる?
おからは犬猫用のおやつ作りに取り入れやすい食材です。
一部のメーカーからは、おからを使った犬猫用のクッキーやせんべいが販売されています。
この記事の後半でおからを使った犬猫用おやつのレシピを紹介しますので、よければ参考にしてみてください。
おからの種類について
おからは大きく分けると「生おから」と「乾燥おから」の2種類です。
生おから
「できたばかりのおから」で水分を多く含み、しっとりとしています。
水分量が多く鮮度が落ちやすいため、すぐに食べるか冷凍保存が推奨されます。
乾燥おから
「生おから」を乾燥させたもの。
パン粉程度の粒の大きさが普通で、より細かく処理されたものは「おからパウダー」と呼ばれます。
賞味期限が長く、保存性に優れているのが特徴。粉状なので好きな量だけ使いやすい食材です。
おからに含まれる代表的な栄養素
生おからと乾燥おから100gあたりと、乾燥おから20gあたりの栄養成分比較表
生 | 乾燥 | 乾燥(20g) | |
---|---|---|---|
エネルギー | 88kcal | 333kcal | 約67kcal |
水分 | 75.5g | 7.1g | 約1.4g |
たんぱく質 | 5.4g | 20.2g | 約4.0g |
脂質 | 3.4g | 12.7g | 約2.5g |
食物繊維 | 11.5g | 43.6g | 約8.72g |
リン | 99mg | 380mg | 約76mg |
カルシウム | 81mg | 310mg | 約62mg |
ビタミンB1 | 0.11mg | 0.42mg | 約0.8mg |
ビタミンK | 8㎍ | 30㎍ | 約6㎍ |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
生と乾燥の栄養素を見比べると乾燥おからのカロリーと脂質の高さがまず気になりますが、乾燥おからは水分が抜かれ栄養が濃縮した状態なのでこのような差が出ています。
乾燥おからを水で戻した時の戻し率は4~5倍なので、20gの乾燥おからと100gの生おからの栄養成分を比べてみるとそこまで極端な差はないことがわかります。
犬猫におからを食べさせるメリット
おからには大豆由来の様々な栄養素が含まれています。
代表的な栄養素とその働きを簡単にまとめます。
- たんぱく質:筋肉や内臓など体作り全般に必要な三大栄養素のひとつ。なんらかの理由でお肉が食べられない犬猫には、おからなどから植物性のたんぱく質を摂取させてあげましょう。
- 食物繊維:整腸作用や便の排出を促す効果があり、便秘改善に期待できます。
- リン:骨を形成し、神経伝達を補助します。糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促す働きも持っています。
- カルシウム:骨や歯を形成する重要な役割を持っています。その他精神安定の効果もあります。
- ビタミンB1:疲労回復に効果的な栄養素です。糖質をエネルギーに分解する働きもあります。
- ビタミンK:出血した時に血液の凝固させたり、カルシウムが骨に沈着するのを助けたりする役目を持っています。
上記の栄養メリットの他、生おからはカロリーが低く水分は多いの食材なので料理のかさ増しに使えます。
乾燥おからは量の調節がしやすいので料理へ栄養をサッとプラスしたい時に使いやすいです。
注意点
生おからは鮮度に、乾燥おからは戻し率に気を付ける
生おからは鮮度が落ちやすく、冷蔵庫で保管しても約1~2日で鮮度が落ちてしまいます。
犬猫には鮮度の落ちた生おからを与えないように気を付けましょう。
乾燥おからは戻し率4~5倍。戻る前の重さで考えていると過剰摂取になる恐れがあります。
給餌料はしっかりと計算しましょう。
大豆アレルギーに注意
大豆アレルギーを持つ犬猫にはおからを与えないようにしましょう。
比較的発症しづらいと言われていますが絶対に安心とは言い切れませんので、まずは少量から与えて様子をみるようにしましょう。
以下の様な症状が見られた場合はアレルギーの可能性がありますので、食べさせるのをすぐにやめましょう。
- 目や皮膚の赤み・痒み
- 下痢・嘔吐
- 体毛が抜ける
症状がひどい場合は動物病院へ連絡をし指示を仰ぎましょう。
腎臓の弱っている犬猫には慎重に
健康な犬猫が適量食べる分には問題ありませんが、腎臓の弱っている犬猫におからを食べさせる時は注意が必要です。
腎機能が低下している場合はたんぱく質の摂取を制限する必要がありますが、大豆食品である「おから」はそのたんぱく質が豊富です。
腎臓の弱っている犬猫の食事は、獣医師としっかり相談した上で決めるようにしましょう。
愛犬・愛猫用のおからを使った手作りおやつのレシピ
当サイト掲載のおからを使った愛犬・愛猫用のレシピを紹介します。
おからパウダーを使った蒸しパンのレシピです。
かぼちゃの甘みは喜ばれますし、食感も柔らかく与えやすくなっています。
量に気を付けながら食べさせてください。
余談:おからの猫砂について
猫のトイレに使われる猫砂ですが、中には「おから」を使用した製品もあります。
軽くて持ち運びやすいことや処理が簡単なことなどが、おからが猫砂に使われる理由だそうです。
おからの匂いを好んで猫砂を食べてしまうケースもあるようなので、導入する前に一度よく検討することをおすすめします。
【まとめ】犬猫はおからを食べても大丈夫
おからは犬猫が食べても大丈夫です。
大豆由来のたんぱく質や食物繊維を含んだ健康に良い食材で、犬猫のごはんやおやつ作りにも用いることができます。
おからは「生おから」と「乾燥おから」の2種類に分かれます。
保存期間や性質に差がありますので、状況に応じてうまく使い分けるようにしましょう。
- 「生おから」は鮮度が落ちやすい点、「乾燥おから」は戻し率に気を付ける
- 大豆アレルギーを考慮する
- たんぱく質を含むので腎臓の弱っている犬猫には慎重に
などの注意点はありますが、食事作りに取り入れることで大豆由来の栄養素をプラスできる「おから」
愛犬愛猫のフードを手作りする際はぜひ一考してみてください。