秋の味覚の代表格であるまつたけ。
とても香り高く、まつたけご飯やお吸い物として人気のあるきのこです。
そんなまつたけは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫はまつたけを食べても大丈夫!
犬や猫はまつたけを食べても大丈夫です。
ただし犬猫がまつたけを食べる際には注意するべき点があるので紹介します。
まつたけはなぜ高い?
まつたけは高級食材として知られていますが、なぜ他のきのこに比べて値段が高いのでしょうか?
人工栽培ができない
まつたけはしいたけやエノキとは違い、栽培が難しく人工栽培の方法が確立されていません。
そのためまつたけを収穫するには天然物を収穫しなくてはいけません。
しかし近年はまつたけが生息できる赤松や黒松などの林が減少しているためさらに希少価値が高くなっています。
他に高級きのことして知られているトリュフやポルチーニ茸も同理由で高価になっています。
また、まつたけの人工栽培は年々研究が進んでおり、もしかすると近いうちに人工栽培まつたけが食べられるようになるかもしれません。
犬猫にまつたけを与える際の注意点
加熱してから食べさせる
まつたけをはじめとした多くのきのこは普通生では食べないと思います。
まつたけにはアレルギー物質が含まれているので生食すると食中毒のような症状が発症する危険性があります。
人間が生食しないものなので、もちろん犬猫にも生で与えてはいけません。
生焼けにも注意する必要があるのでしっかりと火を通しましょう。
鮮度には十分注意!
まつたけにはアミノ酸の一種「ヒスチジン」が含まれており、このヒスチジンは腐敗すると「ヒスタミン」という食中毒を起こす成分に変化します。
このヒスタミンは加熱しても死滅することがありません。
まつたけだけに限った話ではありませんが鮮度が落ちている・腐っている食べ物は犬猫に与えないようにしましょう。
与えすぎには注意が必要
きのこ類には食物繊維が多く含まれていることで有名ですがまつたけには100gあたり4.7gときのこ類の中でもトップクラスに食物繊維含有量が多いです。
食物繊維は整腸作用のある成分ですが、犬猫は草食動物ではないので食物繊維を消化・吸収することができません。
そのため摂取しすぎると消化不良を起こしてしまう可能性があるので注意しましょう。
無理矢理与えない
まつたけといえば食欲がそそられる独特な香りが特徴ですが、犬猫が好むかどうかはわかりません。
犬猫にとって食べ物の匂いというのは味以上に重要な要素で、匂いで食べるかどうかを判断していると言っても過言ではありません。
まつたけの香りに興味を持つとは思いますが、特に猫の場合は選り好みが激しいので食べない可能性もあります。
せっかく手作りご飯を作ったのに残念ですが食べなかったときは無理矢理与えずに諦めましょう。
まつたけに含まれる代表的な栄養素
まつたけ 生 可食部100gあたり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 32kcal |
たんぱく質 | 1.2g |
脂質 | 0.2g |
食物繊維 | 4.7g |
カリウム | 410mg |
ビタミンD | 0.6μg |
ナイアシン当量 | 8.3mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
ナイアシン
ナイアシンは別名ビタミンB3とも呼ばれる水溶性ビタミンの一種です。
肉類や魚類に多く含まれている栄養素ですが、きのこ類の中ではまつたけのナイアシン含有量はトップクラスです。
炭水化物やたんぱく質の代謝に必要不可欠で、皮膚を乾燥から守る働きがあります。
不足すると皮膚炎になってしまう可能性があるので注意しましょう。
カリウム
カリウムには生物が生きていくうえで重要な役割がたくさんあります。以下は一例です。
- 塩分濃度(細胞の浸透圧)の調整
- 神経刺激の伝達
- エネルギー代謝
もちろん犬猫にとっても重要な栄養素なので多くのペットフードにはカリウムが十分量含まれています。
そのためカリウム不足になることは稀ですが下痢や嘔吐が続いているとカリウムが失われやすいようです。
多量にカリウムが失われると「低カリウム血症」になり、筋力低下や歩行不全などを発症する可能性があります。
また、カリウムは摂りすぎても不要な分は尿とともに体外へ排出されますが、腎機能が低下して尿閉塞などになっている犬猫は注意しましょう。
尿を上手く出せなくなると血液中のカリウム濃度が上昇し、「高カリウム血症」を発症する恐れがあります。
高カリウム血症になると消化器官や神経系に異常をきたし、最悪の場合不整脈から死に至ることもあります。
愛犬愛猫のトイレの回数が増えたり、ご飯を食べないなどの症状が見られる場合は早めに獣医に相談しましょう。
犬や猫へのまつたけの与え方
前述したように犬猫にまつたけを与える際はよく加熱しましょう。
しかし七輪などを使ってまつたけを焼きすぎると水分が抜けてカラカラになってしまう可能性があるのでおすすめはスープやお吸い物のようにして与えることです。
もちろん犬猫用なので塩や醤油で味を調えることはできませんがまつたけからはとても美味しい出汁が出るので活用しましょう。
具は以下のスープにも使用されてるような鱈や大根がおすすめです。
【まとめ】犬猫はまつたけを食べても大丈夫
犬猫はまつたけを食べても大丈夫です。注意点をおさらいしましょう。
- 生食は食中毒の危険性があるので加熱してから与える
- ヒスタミン中毒の危険性があるので鮮度が落ちたものを与えない
- 食物繊維含有量が多いので与えすぎに注意
今回は犬や猫にまつたけを与える注意点を解説しました。
秋にまつたけが手に入る機会があったら愛犬や愛猫にも少しお裾分けしてあげてみてください。