ヤツデは犬猫にとって危険な植物?接触性皮膚炎や消化器系のトラブルを起こす可能性

ヤツデとは

ヤツデは関東~四国、九州、沖縄に広く分布した常緑樹で、鬼や天狗のうちわのイメージが強くある掌状の葉が特徴の植物です。

半日陰でもよく生育するので庭木として好まれ、日陰の庭や玄関脇、茶庭など日本の庭園などによく植えられています。

ヤツデの基本情報

学名:Fatsia japonica
和名:ヤツデ(八手、八つ手)
科名 / 属名:ウコギ科 / ヤツデ属
花言葉:「分別」「健康」「親しみ」

ヤツデは犬猫にとって安全?

ヤツデは犬猫にとって有毒とされる情報もあれば無毒であるとの情報もあり、犬猫に対する明確な健康被害の情報はわかっていません。

しかし、ヤツデにはファルカリノールやサポニンが含まれるので、樹液に接触することで遅延性の皮膚炎を起こしてしまったり、食することによってサポニンの影響で消化器系のトラブルなどが起こる可能性があります。

ヤツデによって起こる可能性がある症状例

  • 皮膚炎
  • 嘔吐
  • 下痢

ヤツデには古くから殺虫、抗菌効果が期待されており、その葉を細かく刻んだものを置くことや、葉を煎じて煮だした汁を散布しておくことでハエの発生を防ぐ効果があるといわれています。

ヤツデによる健康被害は軽度なものが多いと考えられていますが、上記のような殺虫効果があることや皮膚炎や消化器のトラブルを考えると当サイトとしては犬や猫にとって安全な植物とは言い難いと考えます。

ヤツデは全草注意すべきと考えられるので、葉以外にも茎や根、花、実に至るまで接触や誤食がないようにしてあげるといいでしょう

ヤツデと似ているカクレミノにも同様の成分が含まれる

ヤツデと同じウコギ科の植物にカクレミノという植物があります。

見た目がよく似ており、その違いはヤツデは葉が5~9に切れ込みが入っているのに対し、カクレミノは3~5に切れ込みが入っています。

またカクレミノの名の由来は鬼や天狗が隠れる事ができる蓑に似ていることからついたといわれており、鬼や天狗の持ち物としてのイメージが強いヤツデによく似ています。

見た目もそのイメージも類似したこの二つの植物は、全草に含まれる成分も同様であるため、カクレミノについても上記で解説した健康被害を起こす場合があります

天狗の葉っぱという日本人にとってはイメージの沸きやすい見た目をしているので、散歩中に見かけたり庭木に植えているなど触れる機会があれば犬や猫を近づけないようにしてあげましょう。

まとめ

日本の庭でよく見かける天狗の葉っぱとしてイメージの強いヤツデには接触性皮膚炎や消化器系のトラブルを起こす可能性があるため、犬や猫のいる環境下には配置しない、近づけない方がいい植物です。

その毒性は軽度であることが予想されますが、全草に含まれる成分を考えると犬猫にとって危険な植物であるといえますので、散歩中や庭木に植えられている場合には注意してあげるといいでしょう。

ヤツデに類似したカクレミノについても同様の健康被害の可能性があるため、犬や猫が近づかないように気をつけましょう。

参考:ヤツデの基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)

参考:接触皮膚炎をきたす植物

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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