アケビとは?
秋ごろに旬を迎えるアケビ。
昔はよく食べたとの話を聞きますが、今では少し珍しい食材との認識がある方も多いのではないでしょうか。
アケビは旬の時期に一部地域で出回る事や、ハイキング、山菜取りの一環で採ったりする程度で、あまりメジャーな食材ではないため、アケビってどんな食べ物?と思われる方も多いかもしれません。
アケビは主に山間部に自生する事が多いつる植物です。
食べごろになると分厚い果皮が割れ、中の白い果肉が半透明のゼリー状になり、この果肉は古くからおやつとして人気があります。
分厚い果皮はアクが強く苦みがあるため、生で食べる事はありませんが、油で揚げたり炒めたりすることで食べやすくなり、おかずとして食卓にのぼります。
犬猫はアケビを食べても大丈夫?
アケビの果肉にはビタミンCが、果皮にはカリウムが多く含まれ、皮の紫色の色素はポリフェノールのアントシアニンで、抗酸化作用があります。
またあけびのつるは漢方でも使われる『木通』という生薬で、サポニンを含むので、腎炎や膀胱炎などが原因のむくみに利用されています。
このように、果肉だけではなく、皮にもつるにも栄養がたっぷり含まれている果物です。
さらにアケビについては犬猫が中毒症状を引き起こすなどの健康被害報告は今のところなく、食べてはいけない食材ではありません。
しかしアケビの性質を考えると与える必要はないと考えます。
アケビを犬猫に推奨しない理由
カロリーや果肉についている種の量にも注意
アケビは主に白い果肉が可食部になります。
山で採れるヘルシーな果物のようなイメージがありますが、その果肉は甘く、糖質・カロリーともにバナナに匹敵するほど。
もちろん少量であればその摂取カロリーも糖質も減るため、健康被害を及ぼすほどではありませんが、実には黒い種がびっしりとくっついています。
この種ごと犬猫が食べると、消化不良を引き起こす原因となることもあります。
そのため、中の果肉の種を取り除いたものを少量であれば・・・といったように、決して犬猫に与えやすい、食べやすいとは言い難い果物です。
人間は果皮も食べられるが犬猫には向かない
アケビは皮も食べられることで知られていますが、冒頭で少し解説したように生食できるものではありません。
皮は強いアクがあり、生では苦く渋いと感じるため、水に数時間浸してアク抜きをしたあと更に油を使った調理をすることで人間がおいしいと感じる料理になる食材です。
上記のような下処理や調理を行った後もアケビ独特のほろ苦さを感じて楽しむ料理であるため、犬猫が好んで食べるとは考えにくいでしょう。
さらに調理で使う油は犬猫にとって不要であり肥満の原因ともなる可能性があるため、アク抜きや油調理をしてまで犬猫に当たるメリットはないと考えます。
まとめ
アケビには有害物質含まれていないので、犬猫が食べてはいけない食材ではありません。
アケビが持つ栄養素には健康的メリットがある場合もありますが、甘い果肉は糖質が多く高カロリー。
果肉にびっしりとついている種は硬く消化不良を起こす可能性があるため、安易に食べさせても大丈夫とは言い難い食材です。
また、果皮はアクが強く苦いため、生食させるべきではありません。
人が食べやすいように調理した果皮は油を使用した調理が多いため、その油分や人間用の味付けは犬猫にとって不要であり健康被害を及ぼす可能性があるため、無理に与える必要はないでしょう。
もし犬猫がアケビを食べて下痢や嘔吐などの異変があれば、動物病院を受診する事をおすすめします。