犬猫はドラゴンフルーツを食べても大丈夫!オリゴ糖や必須脂肪酸の健康効果に期待

ドラゴンフルーツとは

ドラゴンフルーツは別名ピタヤとも呼ばれ、森林性サボテンの仲間です。

原産はメキシコや中南米といわれており、国内では沖縄のような温暖な地域で栽培されることが多い果物です。

その果肉はトロリとした半透明でたくさんの黒く小さな種があり、ジューシーでさっぱりとした甘みが特徴です。

ビタミンB群やミネラルが豊富に含まれることが知られています。

犬猫はドラゴンフルーツを食べても大丈夫!

見た目と名前がとても個性的なドラゴンフルーツ。

その名の通り皮が龍のウロコのように見える果物で、白肉種・赤肉種・黄皮白肉種などの種類があります。

個性的な見た目から犬猫にとって有毒成分が入っているのでは?と敬遠してしまう方もいるかもしれませんが、犬猫が中毒症状を引き起こすような成分は含まれていないので食べても大丈夫です。

ドラゴンフルーツを犬猫に与えるメリット

カロリーは控えめでビタミンやミネラルが豊富

ドラゴンフルーツにはビタミンB群が豊富に含まれているので、エネルギーを作る代謝をサポートする機能・疲労回復皮膚の健康維持・貧血の予防などの効果が期待されます。

ミネラルはバナナに匹敵するほど含まれ、さらにカロリーはバナナより低く、食物繊維はバナナより多いという健康的メリットもあります。

体重管理が必要である場合、低カロリーでビタミン・ミネラル・食物繊維がしっかり摂れるドラゴンフルーツは重宝されそうです。

バナナとドラゴンフルーツの栄養素比較(可食部100g当たり)

バナナドラゴンフルーツ
エネルギー93kcal52kcal
食物繊維総量1.1g1.9g
ナトリウムTrTr
カリウム360mg350mg
カルシウム6mg6mg
マグネシウム32mg41mg
リン27μg29mg
0.3mg0.3mg
亜鉛0.2mg0.3mg

※Trは微量 最小記載量に達していないもの/-は未測定 測定をしていないもの

参考:食品データベース

果肉に含まれるオリゴ糖

ドラゴンフルーツの主な炭水化物は、ブドウ糖、果糖およびいくつかのオリゴ糖であるとの研究報告があります。

オリゴ糖は腸内で善玉菌のエサとなることが知られており、善玉菌を増やす働きがあるので腸内環境を整える効果があります。

また、コレステロールの排出する働きも期待されています。

ドラゴンフルーツには水分も多く含まれ食物繊維の摂取もできるので、オリゴ糖の効果と共に便秘がちな犬猫であればお通じの改善に活躍してくれることでしょう。

引用:ピタヤ(ドラゴンフルーツ)果肉のオリゴ糖とそのプレバイオティクス特性

種子に含まれる必須脂肪酸

脂肪酸の中には犬猫も人間と同様に体内で生成できないものがあり、それらは食べ物から摂取しなければいけないので『必須脂肪酸』と呼ばれています。

ドラゴンフルーツの果肉にたくさん含まれる種子にはその必須脂肪酸が含まれているとの報告があります。

ドラゴンフルーツの種子には 50% の必須脂肪酸、つまり 48% のリノール酸 (C18:2) と 1.5% のリノレン酸 (C18:3) が含まれています (Ariffin et al., 2008)。したがって、ドラゴン フルーツは、栄養関連疾患を予防し、消費者の身体的および精神的健康を改善する栄養素を提供する機能性成分の供給源として使用できる可能性があります。

引用:ピタヤ(ドラゴンフルーツ)果肉のオリゴ糖とそのプレバイオティクス特性

ドラゴンフルーツに含まれる必須脂肪酸のリノール酸は、体の組織が正常に機能する上で欠かせないため必須脂肪酸で、皮膚からの水分喪失を防ぐなど皮膚のバリア機能に欠かせない成分です。

他にもコレステロール値や中性脂肪を下げる効果が期待されています。

リノレン酸は、血中の悪玉コレステロールを抑制し、善玉コレステロールを増やす効果や脳細胞を活性化させる作用が期待されています。

ドラゴンフルーツを与える際の注意点

ドラゴンフルーツは追熟しない!新鮮なものを食べさせてあげましょう

フルーツの中には日を追うごとに熟していき甘くなっておいしくなるものもありますが、ドラゴンフルーツは追熟しない果物です。

そのためできるだけ早く食べる事がすすめられています。

購入する際には皮に張りがあり皮の色が濃く皮のウロコのような部分がしんなりしていないものを選ぶと良いでしょう。

ドラゴンフルーツは皮がついたまま縦に4等分にカットし、皮の両端を持って果肉を押し出すようにすると簡単に皮がむけます。

犬猫に与える際には私たちが食べる時と同様に皮を剥き、中の果肉だけを食べさせてあげましょう

与えすぎはNG!消化不良や肥満の原因に

ドラゴンフルーツは8割近くが水分であり食物繊維も豊富に含まれています。

そのため犬猫が食べ過ぎてしまうと冷えや食物繊維の過剰摂取で下痢・消化不良を引き起こす可能性があります。

フルーツなので糖分も多く含まれ、肥満の原因になってしまうことも。

犬は甘みを感じられるため、猫よりも積極的に食べたがる場合もありますが、よく食べるからとたくさん食べさせないように気をつけましょう。

おやつやちょっとした水分補給を兼ねて少しだけ与えてあげる程度に留めると良いでしょう。

腎臓に疾患がある場合は与えないようにしましょう

ドラゴンフルーツはカリウムが豊富に含まれることでも知られています。

腎臓に疾患をもつ犬猫はカリウムの摂取量を調整しなければいけないケースがあり、獣医師から指示をされている場合にはドラゴンフルーツは与えないように注意してください。

個体差にもよりますが、少量のカリウムでも悪影響を及ぼすことがあるので、腎臓の疾患をもつ犬猫には念のため与えない方がよいでしょう。

まとめ

ドラゴンフルーツには犬猫が中毒症状を引き起こす成分は含まれていないため食べても大丈夫です。

ビタミンやミネラルが含まれる他、オリゴ糖や必須脂肪酸が含まれるなど栄養豊富な果物なので、犬猫にとって健康的メリットが見込めると考えられます。

ただし水分や食物繊維の多さ、糖分量を考えると与えすぎは消化不良や肥満の原因となってしまいますので与えすぎには注意。

またドラゴンフルーツにはカリウムが豊富に含まれていますので、腎臓に疾患がある犬猫には念のため与えるのを控えた方がいいでしょう。

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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