猫が匂いを嗅いだり食べたりすることによって陶酔したような反応を見せるまたたび。
またたびによる反応は猫にとって無害なものなのでしょうか。
今回はまたたびを与えすぎる危険性や犬に効果はあるのかなどを解説していきたいと思います。
犬や猫はまたたびを食べても大丈夫!
まず、犬猫はまたたびを食べても大丈夫です。
しかし与える際には注意すべき点があるので紹介します。
そもそもまたたびとは?
またたびとはマタタビ科マタタビ属に属する木の名前です。
またたびの木には通常の実と「虫癭果(ちゅうえいか)」と呼ばれる2種類の実がなります。
虫癭果は通常のつるんとした丸いまたたびの実に比べボコボコしているのが特徴です。
これは「マタタビノアブラムシ」という虫が卵を産み付けることによって変形したもので猫が反応する成分が通常の実より多く含まれています。
市販されている粉末のまたたびなどはこの虫癭果を粉末状にしたものです。
またたびに含まれる成分とは?
またたびに含まれる以下の3つの成分に猫が反応すると言われています。
- マタタビラクトン
- アクチニジン
- β-フェニルエチルアルコール
これらの成分は猫の上顎にあるヤコブソン器官というフェロモンを感じ取る器官を介して中枢神経を刺激します。
そうすることによって猫は一時的に多幸感を感じてゴロゴロと転がり回ったり走り回ったりなどの反応を示します。
ちなみに人間にも元々ヤコブソン器官はありましたが今は退化し無くなっています。
犬にまたたびは効果ある?
猫の嗅覚は人間の約20万倍と言われているのに対し犬の嗅覚は人間の100万~1億倍と言われています。
猫より嗅覚が優れている犬はまたたびの影響をより強く受けそうなイメージがありますが実はそうではありません。
犬にもヤコブソン器官はありますが前述した3つの成分は犬の神経には反応しません。
なので犬にまたたびを与えても害はありませんが猫のようなリアクションをとることもありません。
またたびを与えすぎる危険性
猫がまたたびを大量に食べてしまうと中枢神経が麻痺してしまい、呼吸困難などの症状を引き起こす可能性もあります。
粉末のまたたびの適量は1回に0.5g~1.0gほどのようなので必ず適量を守って与えましょう。
また、意図的でなくても事故で過剰に与えてしまう場合には注意が必要です。
例えば、またたび入りのおもちゃで遊んでいる途中におもちゃが壊れて中に入っているまたたびが出てきてしまうことなどが考えられます。
またたびの過剰摂取を避けるには
またたびは粉末状のものが最も効果が強く、液体・実・枝の順に弱くなっていきます。
それぞれ適量が異なるので必ず使用前に調べるかパッケージに記載されている適量を守って与えましょう。
また普段の保管場所にも気をつけておかないと猫が留守番などの際に勝手にまたたびを取り出して食べてしまう可能性もあるので注意しましょう。
猫の手の届かない場所に収納しておくか猫が開けられない箱などに入れて保管しておくのをおすすめします。
またたび入りのおもちゃについては古くなったら新しいものに交換するなどして未然に事故を防ぎましょう。
またたびの活用方法
ここからはまたたびを有効活用する方法をご紹介します。
食いつきの改善
最近愛猫の食欲が無くなってしまったなと感じる場合はまたたびを使ってみるのも良いでしょう。
普段与えているペットフードに粉末のまたたびを少しふりかけてあげると食欲増進に繋がります。
水をあまり飲んでくれないという場合はお水にスプレー状のまたたびを1プッシュすると効果があるかもしれません。
ただし愛猫の食欲が無くなっていたり水を飲まないなどといった場合はなにか病気の可能性もあるので獣医師へ相談することも検討しましょう。
運動不足やストレスの解消
猫にまたたびを与えると活発になるため運動不足やストレス解消の効果があります。
シニアの猫や体が弱っている猫に与えると動き回ったときに体を怪我してしまう可能性もあるので注意しましょう。
爪とぎのしつけ
爪とぎ用の道具を買ってあげてもソファやカーペットで爪とぎをしてしまう猫は少なくないはずです。
そんなときは爪とぎ道具にまたたびを一振りしてあげるとその匂いに惹かれてその場所で爪とぎをするきっかけになるかもしれません。
またたびを与える際の注意点
猫にまたたびを与える際の注意点を紹介します。
子猫や老猫には与えない方がいい
子猫はまだ体内の器官が未発達であることからまたたびは刺激が強すぎるためパニックを起こす可能性があります。
また、老猫は前述したとおり怪我のリスクがあるほか心臓などに負担をかける可能性もあるので与えない方が良いとされています。
初めて与える際は少しだけ
またたびの効果には個体差があるためいきなりたくさん与えるのは念のためやめておいた方がいいでしょう。
またたびは匂いを嗅ぐだけでも効果があるので初めての際は少し匂いを嗅がせる程度が良いかと思います。
頻繁に与えない
あまり頻繁にまたたびを与えてしまうと徐々に効果が薄れてしまう可能性があります。
ご褒美のときやしつけの際に少しだけ与えるようにしましょう。
中毒性は無い?
その反応の強さから中毒性があるのではないかと心配される方もいるかもしれません。
しかし中毒性や依存性などはあまり無く、効果は一時的なものであると考えられています。
【まとめ】犬猫はまたたびを食べても大丈夫
犬猫はまたたびを食べても大丈夫です。注意点をおさらいしましょう。
- 犬には効果が無い
- 猫に与えすぎると中枢神経麻痺の可能性がある
- 子猫や老猫には刺激が強すぎるので与えない方がいい
今回は犬や猫にまたたびを与える注意点を解説しました。
犬には効果がありませんが猫には食いつき改善やしつけの用途で使用することが出来ます。