春の七草のひとつとして知られているなずな。
「ペンペングサ」や「シャミセングサ」などの別名もあります。
そんななずなは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫はなずなを食べても大丈夫!
犬や猫はなずなを食べても大丈夫です。
今回は犬猫になずなを与える際の注意点やポイントについてご紹介したいと思います。
なずなの名前の由来
なずなはその見た目のかわいらしさからもともと「愛でる菜」と呼ばれていました。
それが「撫でな(なでな)」と呼ばれるようになり、そこからさらに訛って「なずな」と呼ばれるようになりました。
また、花の下につける葉のような部分(植物学上では果実)が三味線を弾くためのバチに似ていることから別名のシャミセングサという名前が付きました。
ペンペングサという名前も三味線を弾くときの音に由来していると言われています。
縁起物のなずな
毎年1月7日に食べる風習がある七草粥に使用される野菜にはそれぞれ縁起物としての意味があります。
その一つであるなずなには「撫でて汚れを取り除く」という意味が込められています。
さらに薬効として止血効果・解熱作用・利尿作用などの効果があると言われています。
ペンペングサも生えない
古くから伝わる慣用句の一つに「ペンペングサも生えない」というものがあります。
ペンペングサはとても生命力が高く、空き地や川べりなどのあまり肥えていない土地でも育ちやすい植物です。
そんなペンペングサですら生えないということから「ひどく荒れていて何も残っていない様子」を表す慣用句として「ペンペングサも生えない」と言われるようになりました。
なずなに含まれる代表的な栄養素
なずな 葉 生 可食部100gあたり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 35kcal |
タンパク質 | 4.3g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 1.6g |
食物繊維 | 5.4g |
カリウム | 440mg |
カルシウム | 290mg |
ビタミンC | 110mg |
ビタミンK | 330μg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
栄養学的な面からなずなに期待できる効果を見てみましょう。
カルシウム
なずなは100gあたりのカルシウム含有量が250mgと、とても豊富に含まれている野菜です。
同じ春の七草の一つであるせりのカルシウム含有量は100gあたり34mgなので比較すると約7倍も含まれています。
カルシウムは骨を構成する重要な成分の一つで、丈夫な骨を作るためには欠かせない栄養素です。
他にも細胞間の情報伝達や神経刺激の伝達に関わっており、体内のカルシウムが不足すると骨の中に貯蓄されているカルシウムが消費されていくため骨が脆くなってしまいます。
丈夫な骨を作るには同じく骨の重要な構成要素であるリンとバランスよく摂取することが大切です。
カリウム
なずなにはカリウムも豊富に含まれています。
カリウムは様々な食材に含まれているミネラルで、以下のような働きがあります。
- 細胞の浸透圧を調整
- 神経刺激の伝達に関与
- エネルギー代謝に関与
- 腎臓の働きをサポート
- 心臓の働きをサポート
このような重要な役割を担っているため不足すると命にかかわる危険性があります。
きちんと食事を摂っている場合は基本的に不足する心配はありませんが、下痢や嘔吐が続きカリウムが吸収される前に排出されてしまうと「低カリウム血症」の恐れもあるので注意しましょう。
また、摂取しすぎたカリウムは基本的に尿とともに排出されますが腎臓病などでカリウムをうまく排出できない場合は「高カリウム血症」という病気に注意しましょう。
高カリウム血症は血中のカリウム濃度が高くなる病気で、こちらも命に関わる危険性があります。
ビタミンC
ビタミンCには抗酸化作用があり、体内で発生する「活性酸素」から体を守ってくれます。
活性酸素は免疫機能がありますが、増えすぎると老化やがんにつながります。
ビタミンCには増えすぎた活性酸素を抑制する働きがあり、同じく抗酸化作用のあるビタミンEの働きをサポートする役目もあります。
ビタミンK
ビタミンKはレバーなどの肉類に多く含まれている脂溶性ビタミンです。
血液凝固に深い関りがあり、不足すると外傷時にうまく止血することができなかったり内出血が起こったりしてしまいます。
犬や猫へのなずなの与え方
なずなを使用するレシピとして有名なものはやはり七草粥です。
しかし、苦味や雑味が少ないなずなは様々な料理に使用しやすい食材です。
以下のようなスープの具材に使用できるだけでなく、サラダなど生のまま食べることも出来ますが、できるだけ細かく切って加熱してあげましょう。
犬猫用の七草粥のレシピは以下の記事を参考にしてください。
【まとめ】犬猫はなずなを食べても大丈夫
犬猫はなずなを食べても大丈夫です。今回のポイントをおさらいしましょう。
- 春の七草の一つで「撫でて汚れを取り除く」という意味がある
- カルシウムやカリウムなどのミネラルが豊富
- 苦味や雑味が少なく様々な料理に使いやすい
- 細かく切ってなるべく加熱して与える
今回は犬や猫になずなを与える注意点を解説しました。
七草粥以外ではあまり見る機会の少ないなずなですがほかの調理方法もぜひ試してみてください。