日本人にとって身近な食材のみかん。特に冬場には安価で手に入れられるため、愛犬愛猫と一緒に食べたいフルーツのひとつです。
猫は酸味のある食べ物は食べない傾向にありますが、食べないことと、食べられないことは別。ここでは犬や猫はみかんを食べても大丈夫か確認していきたいと思います。
犬や猫はみかんを食べてもOK~その効果・効能とは
犬猫はみかんを食べても大丈夫です。
いわゆる『みかん』として親しまれている温州みかんの他にも、ポンカンやデコポン、ブラッドオレンジなどもあげて問題ありません。
みかんなら皮をむいて手軽に与えられるため、コミュニケーションツールとしても積極的にあげられますよね。
猫は柑橘類を苦手とする動物なので、もし食べてしまっても問題はありませんが、あえて与える必要はありません。みかんを剥いていると、目を細めてぴゅーんと逃げるのはみかんが苦手な証拠です。
ビタミンC
みかんはアスコルビン酸ともいわれるビタミンCが豊富な食材で、風邪予防や便秘改善によいとされています。
犬猫は体内でビタミンCを合成することができますので、ごうっ性ができない人のように必要以上に摂取することはありませんが、体調や年齢によって合成能力が衰えることもあったり、合成はできてもビタミンCはストレスなどによっても消費してしまいますので、食事から摂取していてよいビタミンといえます。
水溶性なので過剰摂取の問題もありません。
ヘスペリジン
ヘスペリジンは別名ビタミンPとも呼ばれています。果肉の袋や白い筋にはポリフェノールの一種である『ヘスペジリン』が含まれており、高血圧や動脈硬化を予防する効果があると言われています。
ただし水に溶けにくく、吸収がしにくいという難点があります。
また皮にも含まれていますが、皮にはリモネンが含まれていますので与えてはいけません。
また完熟みかんよりも青みかんに多く含まれています。しかし未熟な青みかんにはアルカロイドという植物毒が含まれているので食べると中毒を起こしてしまう場合がありますので、与えられるのは完熟みかんのみです。
食物繊維
みかん中の繊維質は腸内細菌によりよい影響を与えることが分かっています。
しかし犬猫は食物繊維の消化が得意ではなく、食べ過ぎると消化不良を起こす可能性もありますので適量にしてください。
犬や猫にみかんをあげる際の注意点
甘くて食いつきの良いみかんですが、犬や猫にあげる際には、いくつかの注意点があります。
水分量、食物繊維が豊富で食べ過ぎると下痢になりやすい
犬や猫にみかんをあげる際には、量に気をつけるようにしましょう。
水分が豊富なため、あげすぎるとおなかを壊してしまう可能性があるからです。
個体差もあるため、便の状態など様子をみてあげるようにしましょう。
猫にリモネン、ソラレンが含まれる皮は与えてはいけない
皮にはリモネン、ソラレンが含まれていますので特に猫には与えてはいけません。
猫はリモネンを分解することができずリモネン中毒になります。個体差もあり中毒量はわかっていませんが、避けるべきです。
みかんゼリーなど人用の加工品はNG
みかんゼリーなどの加工品をあげることはおすすめできません。人用の商品には味付けのために糖分などが多く使用されているからです。
その分嗜好性こそ高いものの、肥満やその他病気になってしまう可能性もあるため控えるようにしましょう。
同じようにみかんアイスやみかんジュース、缶詰もあげないようにしましょう。
犬にはビタミンA摂取量に上限値がある
よほど食べない限りは問題にならないかと思いますが、あまりにも常識以上に食べてしまった場合にはビタミンAが豊富な種類のみかんの場合はビタミンAの摂り過ぎになる可能性もあります。
μg/100g | βカロテン当量 | レチノール活性当量 |
---|---|---|
うんしゅうみかん(砂じょう 普通 生) | 1100 | 92 |
セミノール(砂じょう 生) | 1100 | 89 |
せとか(砂じょう 生) | 930 | 77 |
きよみ(砂じょう 生) | 540 | 45 |
グレープフルーツ(紅肉腫 砂じょう 生) | 410 | 34 |
いよかん(砂じょう 生) | 160 | 13 |
オレンジ(ネーブル 砂じょう 生) | 130 | 11 |
きんかん(全果 生) | 130 | 11 |
なつみかん(砂じょう 生) | 85 | 7 |
だいだい(果汁 生) | 18 | 2 |
犬のAAFCO2016によるビタミンA摂取規定量
犬 | 成長期&妊娠期 最小必要量 | 成猫維持期 最小必要量 | 最大量 | |
---|---|---|---|---|
ビタミンA | IU/kg | 5000 | 5000 | 250000 |
μg/kg | 1,500 | 1,500 | 75,000 | |
μg/100g | 150 | 150 | 7500 |
犬や猫にあげるみかんのレシピ
犬や猫にみかんをあげる際には、むいてあげる以外にもいくつかレシピがあります。
みかんジュース
生のみかんを絞っただけのジュースなら問題ないでしょう。
作り方は簡単でみかんと水をミキサーにかけてあげるだけです。ハンドジューサーで絞ってそのままあげても大丈夫。
飛びついて飲んでくれる子も多く、夏場の水分補給や脱水予防におすすめです。
さつまいもみかん
さつまいもとみかんをこねるだけのおやつレシピもおすすめです。
さつまいもはレンジでチンをしてから、みかんと練るようにしましょう。カボチャやジャガイモで成形することもできます。
イモ類は腹持ちがよいため、ダイエット中のおやつとしてもおすすめですね。
冷凍みかん
冷凍みかんは私たち人も良く食べますよね。
犬においては、特に夏場であれば冷たいものを好む子が多いです。おなかを壊さないかをよく見てあげて、ひんやりスイーツとして食べさせてあげましょう。
【まとめ】犬猫はみかんを食べても大丈夫
犬や猫にみかんはおすすめの食材です。皮をむくだけで手軽に水分やビタミンCが摂取でき、コミュニケーションツールとしても利用ができます。
猫では苦手な子が多いこと、おなかを壊してしまう子もいるので、愛犬・愛猫の様子を見て、少量からあげるようにしましょう!
参考:みかんにはどんな栄養があるのですか。また、おいしいみかんの選び方や保存方法についても教えてください。 農林水産省 ホームページ