犬猫はパンを食べても大丈夫?食パンは?中毒を起こす食材や市販品に注意

犬猫は人用のパンを食べても大丈夫!

パンの香りに誘われて、食べさせて!と欲しがる犬猫は多いと思います。

パン生地の原料は主に小麦粉、バター、水、イースト、砂糖、塩で、種類によっては多少内容も変わってきますが、基本的に犬猫がパンを食べても大丈夫。

ただし、パンはとても種類が多く、犬猫すべてのパンを食べても大丈夫とは言えません

パンを与える際の注意点を解説します。

パンを与える際の注意点

菓子、総菜パンに使われる中毒症状を引き起こす食材に注意!

パンはとても自由度の高い食品で、シンプルな食パンやフランスパンから、甘いお菓子のようなパンやおかずと組み合わせた総菜パンまで数えきれないほどの種類があります。

その中には犬猫が食べると中毒症状を引き起こし命に係わる危険な食材があります。

  • タマネギ(ネギ類)
  • チョコレート(ココア等も含む)
  • レーズン(ブドウ)
  • ナッツ類
  • アボカド
  • レモンピール(柑橘類の皮)
  • 紅茶やコーヒー、抹茶(カフェイン)

上記はあくまで中毒症状を起こす代表的な食材であり、他にも犬猫にとって危険な食材は数多くあります。

前述したように、パンはとても創作性が高く、様々な食材と組み合わせて作られているので全てを把握することは難しく思います。

カレー、チョコ、レーズンなど中身がわかりやすいものは簡単に避けられそうですが、総菜パンの中にはタマネギが入っていたり、クリームにココアパウダーやコーヒー、刻んだレモンピールが入っていたり…考えればキリがありません。

犬猫に人用のパンを与える際には必ず原材料を確認し、何が入っているかわからないものは与えない事が大切です。

基本的に菓子パンや総菜パンなどは避け、食パンなどの他の食品と組み合わせていないシンプルなパンに留めておくことをおすすめします。

多量に与えるのはNG!脂質、糖、塩の過剰摂取に注意

パンの主な原料は小麦粉、バター、水、イースト、砂糖、塩が一般的で、卵や牛乳が使われていることもあります。

一見シンプルなロールパンでも、バターをたっぷりと使っていたりと、犬猫にとっては高脂質、高カロリーな食べ物です。

またバターなど脂質のみではなく、多量に使われている小麦粉は炭水化物で、大量に摂取してしまうと消化不良を起こしたり、エネルギーとして使われなかった糖が蓄積し肥満の原因に。

過剰な脂質、糖質、また塩分は犬猫の体に大きな負担を与え、肥満や糖尿病、代謝異常などの疾患を招くことがあります。

犬猫に人用のパンを食べさせたいと考える場合には日常的に与える事は避け、時々のおやつ程度に控えましょう。

小麦や乳のアレルギー

パンの原料となる小麦や乳はアレルゲンとして代表的な食材でもあります。

小麦や乳のアレルギーが分かっている犬猫には与えないようにしましょう。

またアレルギーはなくても、犬猫は乳糖不耐症を起こすケースが多くあるので、乳製品を多く使ったパンで下痢などを起こす場合もあります。

初めてパンを食べさせる場合には、少量から始めて食後の様子には十分に注意しましょう。

パンを食べさせた後に、下痢や嘔吐、発疹などの体調不良を起こした場合には、速やかにかかりつけの動物病院へ相談しましょう。

その際に、どのようなパンをどの程度食べたのか、食べた時間を確認し、獣医師に伝えられるとより良いでしょう。

グルテンの存在

パンのもちもちとした食感は『グルテン』の働きによるもので、小麦に含まれるたんぱく質であるグルテニンとリアジンが絡み合って、グルテンとなります。

このグルテンに関しては植物性のたんぱく質なので犬猫にとって問題の無い栄養素ですが、ごく稀にグルテンアレルギーを持つ犬猫が存在します

稀とはいえ絶対に起こさないものではないため、犬猫へのグルテンを避けたい場合は食べさせない方が良いでしょう。

また昨今ではグレインフリーの総合栄養食であるペットフードが増えていますが、グレインフリーは穀物全般を原料に使用していない事を指します。

グルテンは穀物の一種である麦類に含まれるたんぱく質指すので、グレインフリー(穀物を使用しない)の食品を選べば、グルテンフリーともいえます。

グレインフリーが全ての犬猫にとって良いという判断は一概にはできませんので、明確にグルテンだけを避けたいという場合には、グルテンフリーと記載された食品の内容を確認し選んでもいいでしょう。

参考:東京大学動物医療センター・内科系診療科・消化器内科

食品添加物の存在

スーパーやコンビニなどで袋に包装して販売するパンには食品表示法により、原材料などの表示が義務付けられています。

そのため袋の裏などに記載がある原材料を確認でき、ものによっては多様な添加物が使用されていることが確認出来ます。

パンに食品添加物を使用する目的としては、製造や加工をしやすくし、見た目の向上や品質を保つために使われています。

パンの製造に使われる食品添加物は基本的に厚生労働省が使用を認めているものですが、あくまで人間用であり、小さな犬猫への影響を考えた場合、良し悪しの判断は簡単にはできません。

犬猫にパンを食べさせたい場合には、原材料の確認をすると共に食品添加物について考えることも大切であるといえます。

また、無添加であることが確認できるパンを選んで購入することや、手作りのパンを用意することも一つの選択です。

参考:厚生労働省(どのような食品添加物の使用が認められているのですか?

まとめ

犬猫はパンを食べても大丈夫!

材料がシンプルな食パン程度あれば、パンは犬猫が食べても大丈夫な食品といえます。

ただし人用に作られたパンは高カロリーで、使われる油分や砂糖、塩の使用量は犬猫にとって健康的とはいえません。

またパンの種類によっては犬猫が中毒症状を引き起こす食材と組み合わされたものが多く存在します。

タマネギやチョコレート、レーズンなど、中毒を起こす可能性がある食材が使われていないか十分に注意しましょう。

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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