犬猫にサザエは与えないで!加熱しても食べられない?もしも食べてしまったら?

犬猫とサザエ

刺身やつぼ焼きなどで食べる機会のある食用巻き貝の代表、サザエ。

サザエは養殖ができないため、収穫していい時期が決まっています。

サザエの旬は産卵前の春から初夏にかけてと言われていますが、サザエ量が解禁されるのは多くの場合夏のため、サザエは夏の方がよく市場に出回ります。

そんなサザエは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。

犬や猫にサザエを与えてはいけない

犬や猫にサザエは食べさせないでください。

貝類の中でも犬猫が食べても大丈夫なものと食べてはいけないものがありますがサザエは食べてはいけない貝です。

犬猫がサザエを食べるとどんな点が危険なのか解説していきたいと思います。

サザエに含まれる危険成分

サザエには危険な成分が二つ含まれています。

ピロフェオホルバイドα

サザエに含まれる「ピロフェオハルバイドα」はサザエが海藻を食べ、葉緑素(クロロフィル)を分解することによって生まれる成分です。

これは貝の体内の器官である「中腸線」というところによく溜まります。

サザエでいうと身を出したときの先端の方にある黒っぽい深緑色をしている部分です。

光線過敏症

実はピロフェオハルバイドαを食べただけでは体に問題は無いのですが、この成分は体内で血液に取り込まれます。

そして日光と反応するというという性質を持っているため、その状態で日光に当たると炎症を起こしてしまいます。

これが光線過敏症という病気です。

猫が貝を食べると耳が落ちる?

「猫が貝を食べると耳が落ちる」という言葉を聞いたことはありますか?

基本的に犬猫の体は被毛に覆われていますが毛の薄い耳には光線過敏症の症状が現れやすく、耳に炎症を起こすと自分で掻きむしってしまうのです。

そしてそのまま耳が落ちるほど耳を掻きむしってしまうためこのように言われるようになりました。

現在ではペットフードが主流になっていますので、今ほど犬猫の研究も進んでおらず今よりも魚介類を人から与えられて食べていた昔の猫に見られた症状のようです。

チアミナーゼ

サザエには「チアミナーゼ」というビタミンB1を破壊してしまう酵素が含まれています。

そのためチアミナーゼを摂取しすぎると「ビタミンB1欠乏症」の恐れがあります。

現在はほとんどのペットフードにビタミンB1が十分量配合されているので欠乏の心配はほとんどありませんがチアミナーゼを含む食材には注意が必要です。

ビタミンB1欠乏症は最悪の場合死に至る可能性もある危険な病気です。

加熱すれば食べても大丈夫?

2つ目に紹介したチアミナーゼは多くの魚介類に含まれている成分ですが、加熱することによって活性を失います。

そのためチアミナーゼを含む魚などでも加熱することによって犬猫が食べられるようになります。

しかし、1つ目のピロフェオハルバイドαを持つ貝は加熱の有無にかかわらず犬猫に与えてはいけません

なのでサザエは犬猫が食べてはいけない食材と言えます。

他の貝類は食べられる?

サザエは犬猫が食べてはいけない貝ですが他の貝類はどうなのでしょうか。

犬猫が食べても大丈夫な貝類

以下のような貝類は犬猫が食べても大丈夫です。

  • しじみ
  • アサリ
  • ホタテ(貝柱・貝ヒモ)
  • ハマグリ など

これらの貝類は犬猫が食べても大丈夫ですが貝類は消化しにくい食べ物ですので与える際は細かくして量には注意しましょう。

また、これらの貝類にもチアミナーゼは含まれているので与える際は加熱調理が必須です。

犬猫が食べてはいけない貝類

サザエの他にも以下のような貝類は犬猫に与えてはいけません。

  • アワビ
  • トリガイ
  • トコブシ など

これらの貝類にはサザエと同じようにピロフェオハルバイドαが含まれています

貝類の記事は以下も参考にしてみてください。

  • 犬猫はつぶ貝を食べても大丈夫?テトラミンという唾液腺毒に注意。消化不良のリスクも
  • 犬猫はハマグリを食べても大丈夫?生食のリスクや加熱調理の必要性について解説
  • 犬猫はムール貝を食べても大丈夫?ビタミンB12など栄養豊富。与えるなら市販品を
  • 犬猫にアワビは与えないで!耳が取れる噂は本当?加熱しても食べたらダメ?

犬猫がサザエを食べないために

皆様がサザエを楽しんでいるときに愛犬や愛猫が物欲しそうな目で見つめてきても絶対に与えてはいけません

「少しくらいなら大丈夫だろう」という気持ちが大事件につながりかねません。

また、サザエを保存する際は冷蔵庫か冷凍庫での保存になると思いますので犬猫が勝手に開けてしまわないように普段から管理しておきましょう。

食べ終わったあとの殻や食べ残しなども犬猫の手が届かないところで処理・廃棄しましょう。

危険な成分が残っているかもしれませんし、もし欠けた貝殻を飲み込んでしまったらのどや消化器官を傷つける恐れもあります。

もしも食べてしまったら

犬猫がサザエを食べてしまってもすぐには命の危険には至らないので落ち着いて対処しましょう。

まだ飲み込んでいないようであれば口の中から取りだしてあげ、できるだけ早く獣医へ相談しましょう。

飲み込んでしまったものを無理矢理吐き出させようとしたりしてはいけません。

【まとめ】犬猫はサザエを食べても大丈夫

犬猫にサザエを食べさせてはいけません。NGポイントをおさらいしましょう。

  • 光線過敏症を引き起こすピロフェオハルバイドαが含まれている
  • サザエの他にもアワビやトリガイなどは犬猫に与えてはいけない
  • 万が一食べてしまっても焦らずできるだけ早く獣医へ相談する

今回はサザエについて紹介しました。

サザエは残念ながら犬猫の手作りご飯に使用出来ませんが犬猫が食べても大丈夫な貝類もあるのでぜひそれらを使ってレシピを考えてみてください。

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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