犬猫にごま油は与えても大丈夫?ごま油の効果や注意点について解説

ごま油は少量であれば犬猫が食べても大丈夫

ごま油は植物油のひとつでごまの種子絞った油ですが、植物油の中でも、天然の抗酸化成分を豊富に含むので酸化しにくいのが特徴です。

香ばしい香りが食欲をそそるこのごま油は犬猫にとって中毒を起こすような有害な成分は入っていないので食べても大丈夫な食材といえます。

ごま油は不飽和脂肪酸という、中性脂肪やコレステロールを低減させる作用が期待できる油ですが、油には変わりありません。

油を過剰摂取すれば確実に肥満に繋がりますので、犬猫に与える量としてはごく少量に控えるべきといえます。

少量でも毎日与えてしまえば健康を害してしまいますので日常的に与えるのはやめましょう。

ごま油を与えるメリット

活性酸素を抑え老化を防ぐ『ゴマリグナン』

ごま油の原料であるごまに含まれるセサミン、セサモリン、セサモールといったポリフェノールをまとめて『ゴマリグナン』と呼びます。

脂溶性の抗酸化物質で、体に有害な活性酸素を消去する働きがあり、癌や動脈硬化、心筋梗塞の予防に効果があると考えられています。

ゴマリグナンは女性ホルモンの一種であるエストロゲンに類似した性質があるので、ホルモンバランスを整える働きをしてくれます。

コレステロール値を下げる効果に期待

ごま油の成分の主成分はリノール酸、オレイン酸といった不飽和脂肪酸で、この2つがバランスよく含まれています。

またわずかですが不飽和脂肪酸のひとつで健康効果があると注目されるリノレン酸も含まれています。

それぞれの効果は以下の通りです。

リノール酸

人の体内の中で合成できない必須脂肪酸です。

血中コレステロール値や中性脂肪値を下げる効果が期待されます。

オレイン酸

オレイン酸は善玉コレステロールは減らさず、悪玉コレステロールだけを減らす働きがあるといわれています。

また、悪玉コレステロールを減少させるだけではなく、善玉コレステロールを増加させる働きも期待されています。

リノレン酸

人の体内の中で合成できない必須脂肪酸です。

血流改善や血栓の予防効果が期待され、細胞膜の構成や老化防止にも役立ちます。

ごま油以外の植物油

ごま油以外にも健康的メリットのある植物油としてオリーブオイルや亜麻仁油が挙げられます。

ごま油はオリーブオイルに比べてリノール酸は多いですが、オレイン酸はオリーブオイルの方が倍近く多く含まれています。

亜麻仁油にはごま油やオリーブオイルにわずかな含有であるリノレン酸が豊富に含まれています。

不飽和脂肪酸の中でもリノール酸は健康効果の反面、摂りすぎるとアレルギーの悪化などが報告されています。

より健康的なメリットを考えるのであれば、オレイン酸が豊富なオリーブオイルや、摂取がしにくいリノレン酸が豊富な亜麻仁油を選ぶのもひとつの選択です。

参考:食用植物油脂の脂肪酸組成

参考:Effect of diets high in butter, corn oil, or high-oleic acid sunflower oil on serum lipids and apolipoproteins in men

ごま油の栄養

脂質

1gの糖質が4㎉のエネルギーを生み出すのに対して、脂質は1gで9㎉のエネルギーを作る事ができる優れたエネルギー源です。

血液や細胞膜、ビタミンやホルモンを作る働きをしたり、脂溶性ビタミンの吸収を促す役割を担っています。

ビタミンE

ごま油にはビタミンEも豊富に含まれています。

若返りのビタミンと呼ばれるほどアンチエイジングに役立つ脂溶性のビタミンで、動脈硬化や血栓の予防などの働きがあります。

リノール酸

与えるメリットで解説した通りコレステロールや値を下げる効果がきたいされます。

人と同様に犬猫も体内でつくることが出来ない必須脂肪酸です。

オレイン酸

与えるメリットで解説した通り悪玉コレステロールだけを減らす作用が期待されます。

動脈硬化や心疾患に有効といわれていて、酸化しにくい性質なので加熱調理にも向いています。

参考:脂質について知りましょう‐北里大学

ごま油を与える注意点

油の摂りすぎは肥満の原因!日常的に与えないでください

ごま油に含まれる不飽和脂肪酸は健康に良いとされている性質を持っていますが、脂質は1gあたり9kcalと、たんぱく質や糖質よりも2倍以上のカロリーがあります。

食べ過ぎると肥満や生活習慣病のリスクが高まるため、摂取量には十分注意が必要です。

犬猫が食べても大丈夫ではありますが、日常的に多量に食べさせる事は控えたまに手作りご飯に数滴使用する程度で十分でしょう。

アレルギー

ごま油は原料がごまです。

すりごまや練りごまよりは、中に含まれるたんぱく質量が多くないため発症しにくいとはいわれていますが、ごまアレルギーを持つ犬猫には食べさせないように気をつけてください。

どの食品でも言えますが、初めて食べさせる場合にはごく少量から始めて、食後の様子に変わりがないか注意観察が必要です。

食後に下痢や嘔吐、発疹などの症状がみられたらすぐにかかりつけの動物病院へ相談してください。

ごま油を使ったレシピ

小松菜とささみのナムル

食材を茹でてごま油で和えるだけの簡単レシピです。

顆粒の鶏ガラスープや少量の醤油を加えれば、飼い主用のおかずにも。

アスパラのそぼろあんかけ

鶏挽肉とアスパラガスでアミノ酸とビタミンが豊富なレシピ。

微量のごま油の香りで食いつきを誘います。とろみが付いているので火傷しないようにしっかり冷ますのがポイントです。

まとめ

犬猫はごま油を食べても大丈夫!

ごま油には健康的メリットのある不飽和脂肪酸が豊富に含まれていて、犬猫にとって有害となる成分は含まれていないので、食べても大丈夫な食材といえます。

ただし食材として油は非常に高カロリーとなるため、毎日のように与えるのは肥満の原因となりますのでお勧めできません。

与えたい場合は、手作りご飯やおやつに少量を上手に利用して健康的効果がある程度に食べさせてあげてください。

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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