犬猫にスターフルーツは食べさせないで!シュウ酸と神経毒カランボキシンに注意

スターフルーツとは

輪切りにした形が星になる事から、スターフルーツの名前で知られる見た目がかわいらしく、サラダやデザートの彩に活躍する果物です。

正式名称はゴレンシで、日本には18世紀に渡米し沖縄で栽培されてきました。

南国のフルーツといった印象が強くありますが、沖縄だけではなく日本各地のデパートや果物専門店などでも取扱いが増えご自宅で食べられる方も増えています。

かわいらしい見た目でついつい愛犬愛猫ともシェアしたくなりますが、スターフルーツは犬や猫が食べても大丈夫とは言い難い果物です。

スターフルーツの基本情報

学名:Averrhoa carambola
和名:ゴレンシ(五斂子)
科名 / 属名:カタバミ科 / ゴレンシ属

スターフルーツは犬猫に食べさせてはいけない

スターフルーツの毒性ははっきりとしていませんが、果実にシュウ酸と神経毒であるカランボキシンが多量に含まれていると考えられています。

シュウ酸の多量摂取による健康被害の懸念

食用できる果物として認知度も高いスターフルーツですが、腎臓への影響があることが広く知られています。

これは犬猫だけではなく、透析患者や腎臓機能障害がある人は食べないようにと透析医会をはじめ医療関係機関が注意を呼び掛けるほどです。

健康な人間であればシュウ酸などは腎臓でろ過され体外に排出されるためスターフルーツを食べる事は問題になりませんが、腎臓機能に障害がある場合において排出がうまくできずに問題となってしまいます。

犬猫の場合、たとえ健康であり腎臓機能に障害がないとしても、シュウ酸を多量に含むものを摂取する事はリスクが高いので与えないようにした方がいいでしょう。

シュウ酸は体内でカルシウムと結合し、石灰化することがわかっています。

シュウ酸カルシウムによる結石や石灰化は腎臓機能に悪影響を及ぼすこと、特に猫はシュウ酸カルシウム尿石を発症しやすく、尿路結石は猫だけではなく犬であっても腎不全の原因ともなりますので注意しましょう。

神経毒「カランボキシン」

スターフルーツ中毒の研究結果として、スターフルーツ中毒の原因となるフェニルアラニン様分子であるカランボキシンを発見したとの報告があり、その痙攣性と神経変性特性を説明しています。

健康な人間が食べる事は腎臓でのろ過、解毒作用が正常に行われるため問題ないとされていますが、人間より解毒能力の低い犬猫はスターフルーツの摂取が負担になり健康被害を及ぼす可能性が高いと考えられます。

犬や猫がスターフルーツを食べてしまったら

スターフルーツは珍しいフルーツなので犬猫が頻繁に口にしてしまう、誤食してしまうといったケースは稀かもしれません。

万が一犬猫がスターフルーツを口にした場合、どれくらい食べてしまったのか、また時間の経過や体調不良などがないか注意観察を行いましょう。

スターフルーツの一度の誤食によって命の危険にさらされるような報告は今のところなく、犬や猫に対してどの程度の毒性があるのか明確にはなっていません。

そのため、少量かじってしまった程度で慌てる必要はないと考えられますが、その影響は個体差によるとことが非常に大きくありますので、少しでも不安に感じるようであれば動物病院で診察を受ける事をお勧めします。

まとめ

スターフルーツは犬や猫が食べても大丈夫とは言い難い果物です。

シュウ酸、神経毒性のあるカランボキシンの影響で腎臓への負担や痙攣などの中毒症状を引き起こす可能性があるので、当サイトとしてはたとえ少量であっても与えるべきではないと考えます

人間が食べても大丈夫な食材であっても、犬や猫にとっては健康被害を及ぼすものは多くあります。

愛犬や愛猫に食べ物を与える際には、その食材が犬や猫にとって安全で健康的であるか調べてからにするようにしましょう。

参考:スターフルーツの基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)

参考:腎不全患者のスターフルーツ中毒症に対する注意

参考:スターフルーツの神経毒性の解明

参考:Can Dogs Eat Star Fruit? What to Do if Your Dog Eats Star Fruit

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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