犬猫はタンポポを食べても大丈夫!
タンポポは日本中の市街地から農耕地、野原、高山に自生する野草で、食べられる野草として知られています。
タンポポは花、葉、根と全て食べられるといわれており、若くて柔らかい葉はベビーリーフのようにサラダ野菜として生食でき、根を乾燥させて作るタンポポコーヒーやタンポポ茶も有名です。
植物には犬猫にとって有害となるものも多くあるため、少し目を離した隙にタンポポを食べているのを発見した場合、危険はないかと心配になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
タンポポには犬猫にとって有害物質は含まれていないので、食べても大丈夫と言える植物です。
タンポポに関する有効成分や注意点を解説します。
タンポポを食べる犬猫に対する注意点
全ての犬猫がタンポポを食べるというわけではありませんし、あえてタンポポを食べさせるという飼い主の方も多くはないでしょう。
しかし、中には好んで食べる犬猫もいるので、タンポポに対する注意点を念頭に置いておきましょう。
農薬や除草剤がかかっている危険性
タンポポには犬猫が中毒症状を引き起こすような成分は入っていません。
しかしタンポポは雑草として捉えられることがほとんどで、農耕地のあぜ道や、公園、道路わきなどでは管理の一環として農薬や除草剤がかけられている可能性が考えられます。
ほんの少量でも農薬や除草剤を犬猫が口にしてしまえばそれは劇薬となります。
最悪の場合は命を落とすケースも考えられるので、散歩コースや公園の管理活動内容、薬剤散布の告知張り紙などの有無等を確認することで危険を回避しましょう。
過剰摂取は消化不良の原因に
犬猫がタンポポを好むからといって無制限に食べさせるのはおすすめできません。
自身で体調を整える意味や毛玉を吐くためなどに植物を食べたがる場合がありますが、過剰に食べ過ぎてしまうと下痢や嘔吐などの消化不良症状が現れてしまうこともあります。
飼い主は食べる量や、食後の様子などに注意し、健康被害に及ぶまで食べ過ぎないように注意してあげましょう。
アレルギーに注意!
多くはありませんが、人と同様に犬猫もタンポポに対してアレルギーを有する可能性があります。
中でも、ブタクサ、キク、マリーゴールド、デイジーなど、タンポポと類縁関係にある植物に対してアレルギーを持つ場合にはタンポポにもアレルギー反応を起こす可能性が高いといわれています。
タンポポに有毒な成分は含まれていませんが、犬猫がタンポポを口にした際に口回りをかゆがったり、下痢や嘔吐、全身の発疹などがみられた場合にはアレルギーを発症している可能性があります。
異変を感じたら獣医師に相談しましょう。
タンポポに含まれる有効成分
タンポポは抗酸化作用や肝臓に対する働きなど有益な効果の可能性について注目を集めています。
タンポポに含まれる健康的メリットがある有効成分や栄養素について解説します。
タンポポの苦み成分
タンポポの苦み成分は肝臓に働く成分として期待がされています。
肝臓の働きを整える他にも、消化液の分泌を増やす効果や食欲の増進、消化を助ける効果も期待されています。
イヌリン
タンポポに豊富に含まれるオリゴ糖の一種イヌリンは、水溶性の食物繊維です。
善玉菌のエサとなり腸内環境を整えるといわれ、便秘や皮膚疾患、消化不良、さらには疲労回復などの効果に期待されています。
カリウム
タンポポの葉にはカリウムが豊富に含まれていて、利尿作用が期待されます。
カリウムの作用によって不要な水分や塩分、老廃物を尿として体外に排出できます。
ただし腎臓に疾患をもつ犬猫の場合はカリウムが悪影響を及ぼす可能性があるため、食べるのは控えた方がよいでしょう。
タンポポにカフェインは含まれない
タンポポと言えばタンポポの根を使って作られたタンポポコーヒーやタンポポ茶が知られています。
コーヒーになるならカフェインが含まれているの?と思われる方もいるかもしれませんが、タンポポにはカフェインは含まれていないため妊娠中や授乳中の女性、子供も飲めるノンカフェイン飲料です。
タンポポコーヒーやタンポポ茶には利尿作用や腎機能の向上、血流改善効果などが期待されており、タンポポ茶については犬猫用の商品も販売されています。
犬猫に与えても大丈夫ではありますが、人間の飲む濃さのままで与えず、3~5倍程度に水で薄めて飲ませてあげると良いでしょう。
タンポポ茶は苦味があるお茶なので、嫌がる犬猫に無理に与える必要はないと考えます。
まとめ
犬猫はタンポポを食べても大丈夫!
タンポポは日本各地で自生する野草で、食べられる野草として知られています。
様々な健康効果が期待され、葉や花を食用とする場合や、タンポポの根を使ったコーヒーやお茶などの加工品やサプリなども市販されています。
このタンポポには犬猫にとって有毒となる成分は含まれていないので、タンポポは犬猫が食べても大丈夫な植物といえるでしょう。
雑草として扱われることも多く、場所によっては農薬や除草剤などがかけられている場合があります。
それらの薬品がかかったタンポポを犬猫が食べるのは大変危険なので、飼い主はタンポポが生えている場所の安全性を確認する必要があります。
参考:Diverse biological activities of dandelion
参考:食材大全(NHK出版)