カタツムリ(蝸牛)について
梅雨の時期や雨の日に見かけるカタツムリ。
正式には陸に棲む巻貝のうち殻を持つものの通称として、その中でも有肺類の特に殻が細長くないものを指す場合が多いそうです。
今回は犬猫がカタツムリを誤食してしまった場合の危険性や対処方法について解説していきます。
エスカルゴって?
エスカルゴはフランスでカタツムリを意味する言葉ですが、日本では通常カタツムリを使用したフランス料理をエスカルゴと呼びます。
私達日本人はあまり日常的に食べるものではないですが、フランスではエスカルゴを食べ過ぎて絶滅危惧種になるほどと言われています。
犬猫のカタツムリの誤食に注意
室内で飼われる猫の場合は野外を散歩をする機会がほとんどないと思われますが、犬の場合は散歩中に誤食してしまうケースがありそうです。
食用でない自然のカタツムリには寄生虫が存在している場合もあり、犬猫が誤食してしまうと感染してしまう恐れがあります。
広東住血線虫
カタツムリには広東住血線虫という寄生虫がいる可能性があります。
広東住血線虫とはカタツムリやナメクジを中間宿主として寄生した後に、ドブネズミやクマネズミに寄生する寄生虫です。
寄生されたカタツムリやナメクジを触った手を口に入れてしまったり、野菜に付着していたのに気づかず食べてしまうことで、人間にも広東住血線虫が感染します。
人間が感染すると、発熱、頭痛、嘔吐、反応の低下、けいれんなどの症状があらわれ、重症化すると死に至ることもあります。
実際にオーストラリアの男性がふざけてナメクジを食べた結果、広東住血線虫症にかかり8年闘病して亡くなったという事例もあります。
犬猫の場合も、髄膜脳炎の症状を引き起こし重傷の場合は死に至ることもあるためカタツムリやナメクジを誤食しないように注意しましょう。
犬や猫がカタツムリを誤食してしまったら
犬や猫がカタツムリを口に咥えているのを見たら、すぐに動物病院に連れて行ってください。
ただし、咥えていたものを無理やり引きはがそうとしたり、大騒ぎをしてしまうと、犬猫が驚いて飲み込んでしまうかもしれません。
無理やり吐き出させるのではなく、ゆっくりと離してあげてください。
また、日頃からから口に咥えたものを出せるようにしつけをしておくのも対策の一つになります。
食用のカタツムリ(エスカルゴ)食べた場合
食用のカタツムリや調理されたエスカルゴを食べてしまった場合、寄生虫の危険性は少ないかもしれませんが、消化不良などの危険は少なからずあります。
またエスカルゴの場合、にんにくや玉ねぎなどの食材と一緒に調理されている可能性もあり大変危険です。
食用だとしてもカタツムリは食べさせないように注意し、誤食してしまったときはすぐに獣医師へ相談しましょう。
犬猫がカタツムリを誤食しないための対策
梅雨時期や雨上がりの庭遊びやお散歩は、芝生や茂みの中にカタツムリが隠れているかもしれません。
芝生や茂みは避け、よく注意をしながら歩くようにしましょう。
カタツムリは銅やカフェインを嫌うと言われていますので、庭の鉢やプランターに銅テープを貼ったり、飲み終えたコーヒー糟を土に混ぜることで庭へ寄ってこなくなるかもしれません。
駆除剤の使用に注意!
カタツムリやナメクジの対策に駆除剤を使おうと考える方もいるかもしれませんが、駆除剤は犬や猫が舐めてしまっては大変危険です。
駆除剤の中には「メタアルデヒド」という成分を含む駆除剤があります。
この「メタアルデヒド」という成分はナメクジやカタツムリ以上に危険なものですので十分に注意しなければなりません。
メタアルデヒドを含むタイプの駆除剤を摂取した場合、嘔吐、下痢、血圧下降、頻脈、呼吸抑制、高熱、痙攣などの症状があらわれます。
拾い食いをしてしまう犬や好奇心旺盛な猫が舐めてしまったら大変危険ですので、犬猫がいる家庭において駆除剤はカタツムリ対策としてはおすすめはできません。
【まとめ】犬猫のカタツムリ(蝸牛)の誤食に気をつけて
カタツムリには広東住血線虫という寄生虫が存在するため、犬猫が食べてしまうと大変危険です。
飲み込んでいなくても咥えてしまった場合はすぐに動物病院へつれていくことをおすすめします。
気をつけていても誤食してしまうことはあり得るので、日頃から口に入れたものをすぐに出せるようトレーニングをしておくことも大切です。