犬猫の免疫力を高める方法について。免疫力アップが期待できる栄養素や注目の食材

犬猫の免疫力と健康

犬猫も私たち人間と同じように、様々な病気から身を守るための免疫システムを持っています。

この免疫システムがしっかりと機能することで、細菌やウイルスなどの病原体から体を守り、健康な状態を保つことができるのです。

この記事では、犬猫の免疫力をアップする方法や重要性にについて解説していきます。

犬猫の免疫力が低いとどうなる?

免疫力の低い犬猫は、様々な健康問題を抱えやすくなります。具体的には、以下のようなことが起こり得ます。

  • 感染症にかかりやすい: 細菌やウイルスなどの病原体に抵抗力が弱いため、風邪や皮膚病、消化器系の病気など、様々な感染症にかかりやすくなります。
  • 病気の回復が遅い: 一度病気にかかってしまうと、健康な個体と比べて回復が遅れ、慢性化してしまう可能性も高まります。
  • 免疫異常にかかりやすい: 免疫の異常によって、アトピー性皮膚炎やリウマチなどの免疫異常と呼ばれる疾病を引き起こす可能性が高くなります。
  • がんの発症・進行がしやすい: 免疫システムは、体内にできた異常な細胞(がん細胞)を攻撃する役割も担っています。免疫力が低下すると、癌細胞が増殖して癌を発症する可能性が高くなります。

犬猫の免疫力を高めるために必要な栄養素

免疫力を高めるためには、バランスの取れた食事が重要です。

犬猫の免疫力アップに欠かせない基本的な栄養素について解説します。

  1.  タンパク質: 体の組織を構成し、免疫細胞の生成に不可欠。 食材例:肉類(鶏肉、牛肉、魚など)、卵、乳製品など
  2. ビタミン類
    ビタミンA: 上皮細胞を健康に保ち、免疫機能をサポート。 食材例:レバー、ニンジン、カボチャなど
    ビタミンC: 抗酸化作用があり、免疫細胞の働きを助けます。 食材例:ブロッコリー、パプリカ、いちごなど
    ビタミンE: 細胞膜を保護し、酸化ストレスから体を守ります。 食材例:モロヘイヤ、植物油、ベリー類など
  3. ミネラル類
    亜鉛: 免疫細胞の増殖と活性化を促します。食材例:牡蠣、牛肉、鶏肉など
    セレン: 抗酸化作用があり、免疫機能をサポートします。 食材例:マグロ、鶏レバーなど
  4. 脂肪酸
    オメガ3脂肪酸: 炎症を抑え、免疫バランスを整えます。 食材例:サケ、マグロ、サバなど
  5.  その他
    プロバイオティクス: 腸内環境を整え、免疫力を高めます。 食材例:ヨーグルト、納豆など

きのこは犬猫の免疫力アップに効果的?

結論から言うと、きのこは犬猫の免疫力アップに効果が期待できる食材の一つです。

きのこには、β-グルカンという成分が豊富に含まれています。このβ-グルカンが、犬猫の免疫細胞を活性化し、免疫力を高める働きがあると考えられています。

β-グルカンの効果

  • 免疫細胞の活性化: マクロファージやナチュラルキラー細胞などの免疫細胞を活性化し、体内に侵入した異物を攻撃しやすくします。
  • 腸内環境の改善: 腸内環境を整え、善玉菌を増やすことで、免疫力を総合的に高めます。
  • 炎症反応の抑制: 過剰な炎症反応を抑え、アレルギー症状の改善に役立つ可能性があります。

犬猫にきのこを与えるその他のメリット

  • 腸内環境改善: 食物繊維が豊富で、腸内環境を整えます。
  • 低カロリー: カロリーが低いため、ダイエット中の犬猫にもおすすめです。

腸内環境と免疫力の深い関係

犬猫の腸内環境を整えることは、免疫力を高める上で非常に重要なことです。

腸内環境が良好な状態であれば、善玉菌が優勢になり、免疫細胞が活性化されます。これにより、体内に侵入してきた病原体から身を守り、健康な状態を維持することができます。

犬猫の腸内環境を整えるために必要な栄養素

  • 食物繊維: 善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えます。 食材例:きのこ、さつまいもなど
  • プレバイオティクス: 食物繊維の一種で、善玉菌の増殖を促進します。 食材例:りんご、ベリー類など
  • プロバイオティクス: 乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌、納豆菌などの善玉菌そのもので、腸内環境を改善します。 食材例:ヨーグルト、納豆など

市販のフードやおやつを選ぶ際のポイント

市販のフードやおやつを選ぶ際は、原材料、栄養バランス、免疫力を高める成分、その他(粒の大きさ、アレルギー対応など)を総合的に判断することが大切です。

1. 原材料表示を確認する
タンパク質: 鶏肉、魚など、良質な動物性タンパク質が豊富に含まれているか確認しましょう。
炭水化物: じゃがいも、豆類など消化の良い炭水化物源が使用されているか確認しましょう。
副産物: 〇〇ミール等の肉類の副産物や穀物の副産物は、品質が低い可能性があります。
添加物: 着色料、人工香料、保存料などの添加物が少ないものを選びましょう。

2. 栄養バランスを見る
総合栄養食: フードの場合、病気など特別な理由がない場合は、犬猫に必要な栄養素がバランスよく含まれている「総合栄養食」を選びましょう。
タンパク質、脂質、炭水化物の割合: 各栄養素の割合が、犬猫の年齢や活動量に適しているか確認しましょう。

3. 免疫力を高める成分が含まれているか確認する
プロバイオティクス: 善玉菌が配合されているフードは、腸内環境を整え、免疫力を高めます。
プレバイオティクス: 善玉菌のエサとなる食物繊維の一種で、腸内環境改善に役立ちます。
ビタミン類、ミネラル類: 免疫力を高めるビタミンC、Eや、亜鉛などが含まれているか確認しましょう。

4. その他のポイント
粒の大きさ: 歯の健康状態に合わせて、適切な粒の大きさを選びましょう。
アレルギー対応: アレルギーのある犬猫には、アレルギーの原因となる食材を含まないフードを選びましょう。
ライフステージに合わせたフード: 子犬・子猫、成犬・成猫、シニア犬・シニア猫など、ライフステージに合わせたフードを選びましょう。全年齢対応フードもおすすめです。

まとめ

犬猫の免疫力を高めるためには、バランスの取れた食事が大切です。

様々な栄養素を摂取し、腸内環境を整えることで、愛犬・愛猫の健康を維持することができます。

アレルギーなどの持病、その他の体質、愛犬愛猫の好みなど、合わない食材もあるかと思いますので、かかりつけ医に相談しながら、愛犬・愛猫に合ったフード・おやつを見つけてあげましょう。

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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