ドッグフードの手作りについて。老犬や子犬にもおすすめ。レシピの見方や注意点、与え方を紹介

ドッグフードの手作りについて

ドッグフードを手作りしたい。愛犬と同じものが食べたいと思う飼い主は少なくないと思います。

総合栄養食のカリカリなどのドッグフードは愛犬と暮らすために大変に便利で優れたものですが、手作りご飯やフレッシュフードを与えたいという気持ちは必ず生まれてくると思います。

毎日、毎回ドッグフードを手作りで作るのは大変だしても、時々だったり、自分用に作ったものをアレンジして愛犬に与えたり。誕生日など特別な日だけでも作ってあげたり。

ここではドッグフード、愛犬のご飯を手作りした場合に気になる点をまとめて勉強していきたいと思います。

ドッグフードの手作りレシピのメリット

酵素の摂取

手作りの一番のメリットは酵素にあると考えています。

ドライドッグフードなど加熱する食品は、生の食べ物と比較して酵素の面で劣ることは否めません。

この酵素を効率良く摂取出来るのが手作りご飯です。

フレッシュフードは生であるように感じますが、火を通していますので酵素という面ではやはり生の食べ物に劣ります。

添加物や農薬不使用など食材を選択でき、アレルギーなどを防げる

最近のドッグフードでは栄養添加物以外の添加物を使用しているところは少なくなっています。

しかし最近の多くのペットフードはスーパーで販売されているのと同じ一般的な野菜などを使用していることが多いですので、オーガニックでなければ農薬などは使用されています。

しかし農薬アレルギーの犬がいることも事実です。こうした場合はオーガニック食材を使用した手作りご飯にすることで避けることができます。

四季の美味しさ、食の楽しさを感じられる

ドッグフードは基本的に同じもの、似たものを与えることになります。ドライフードなら他社メーカーにしても大きな違いはありません。フレッシュフードでもそれほど大きな違いはありません。

比較して手作りフードはスーパーにいけばその時に旬のものを購入することができます。

春夏秋冬を食材から感じることができ、その時最も栄養素の高い食材を食べることができます。

さつまいもや栗を食べれば秋が来たというような季節感を愛犬と共に感じることができ、愛犬も食の喜びを覚えていくきっかけになると思います。

栄養量が低い食材を使用してダイエットに使うことができる

手作り食のメリットのひとつとして、ダイエット食を作ることができる点です。

ドライフードなどはある一定量を食べれば1日の栄養素量を満たすことができますので、食べ足りない場合には大いに問題です。

そこで手作りであれば量は多いけど栄養量が少ないものを作ることで、足して与えることができます。

できればドライフードを少し減らして、その分を手作り食に置き換えれば満腹感は得られながらもカロリーは抑えていくことができます。

柔らかい食事は子犬や老犬にもおすすめ

特に老犬の場合、固いものが食べられなかったり、食が細くなって全然食べなくなってしまう場合があります。

そうした際には手作り食なら柔らかいものを作ってあげたり、愛犬が食べたがるものをひとつずつでも探すことができます。

投薬補助にも使える

ドライフードなどいつも同じものを与えている場合は薬を混ぜるとバレてしまいますが、時々手作りフードを与えることで、その中に粉薬などを混ぜてしまえば投薬補助としても使えます。

ドッグフードの手作りレシピの注意点

ドッグフードの手作りレシピは本やインターネットの情報の他に、Instagramなどで公開されているものもあるかと思います。

しかし手作りレシピを栄養計算して、愛犬に合う量まで提示した情報は限りなく少ないのが現状です。

手作りレシピは栄養をまんべんなく摂取することは難しい

手作りレシピの難点は、愛犬にとって必要な栄養素をまんべんなく平均的に摂取することは大変難しいということです。

例えば以下の「ささみとかぼちゃのブロッコリーサラダ」のレシピをみてください。犬に最も必要なお肉がメインのレシピです。犬用に味付けはしていません。

ささみとかぼちゃのブロッコリーサラダ

ささみとかぼちゃのブロッコリーサラダを5kgの犬が全量(95.85g)を食べた場合、エネルギーは20%しか満たさないにも関わらず、αトコフェロール、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ヒスチジンは100%を満たしています。

しかしヨウ素、ビタミンD、ビタミンB12は0%ですし、レチノールは1%、セレンは3%とほとんど含まれていない栄養素もあります。

このように、手作りレシピは特定の栄養素だけが多く、反面ほとんど摂取出来ない栄養素もあるという状態になりやすいものです。

つまり手作りレシピだけで1日に必要な栄養素を全て摂取しようとすると、過剰摂取してしまう栄養素も出てくるということになります。

例えばささみとかぼちゃのブロッコリーサラダを全部食べた場合、100%が満たされるのはαトコフェロール、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ヒスチジンです。

それ以外は全て100%を満たしていないため、他の食べ物も食べて満たしていかなくてはいけませんが、そうなると100%を既に満たしている栄養素も更に摂取することになりますので、αトコフェロール、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ヒスチジンは過剰摂取になってしまいます。

このレシピの場合は100%を満たす栄養素がどれも上限のある栄養素ではないので、多少多くなったところで直ちに健康被害がでるようなことはないといっていいように思います。

しかし満たされる栄養素はレシピによって違いますし、食事は毎日のことですので、ある程度意識することができた方が有益であることは間違いありません。

ささみとかぼちゃのブロッコリーサラダの参考給与量

例えば上記のささみとかぼちゃのブロッコリーサラダであれば、5kgの避妊去勢済みの犬に対してであれば1/2位(47g)程度がおすすめしています。

ささみとかぼちゃのブロッコリーサラダに市販品のウィリアムドッグフードを合わせて与える場合には84.6g位が良さそうです。

※手作りは同じ肉・野菜でも栄養素に違いがありますので、給与量はあくまで参考値です。

コストが高い

毎日愛犬用に手作りをしようとすると大変なコストがかかります。いい食材を選ぼうとすればなおさらです。

当サイトでは出来る限り人用を作る時に一緒に作ることができるように配慮していますが、それでもドッグフードと比較すると大変なコストと労力がかかります。

そこまでしても栄養素を平均的に摂取することが難しいということになりますので、総合栄養食のドライフードやフレッシュフードがいかに優れた使いやすい食品であるかがわかります。

ドッグフードとの併用がおすすめ

上記のような栄養素のアンバランスを避けるために、ドライドッグフードとの併用がおすすめです。

手作りレシピを与える割合としては、まずはドライドッグフードを1日に必要な量の7~8割食べて、手作り食を少し食べる。この位から始めるのがおすすめです。

最初はトッピングやおやつ位の認識からスタートする方がよいでしょう。

総合栄養食のドライドッグフードを食べてくれる環境は作っておこう

ドライドッグフードなど総合栄養食を全く食べなくなると栄養素量のコントロールが難しくなります。

また療法食が必要になった場合などもドライフードを利用することが多いので、常日頃からドライフードは食べてもらえる環境作りをしておくことも、いざという時にとても大切なことです。

また防災の面でも重要です。避難先で手作りフードを与えることは不可能に近く、ドライフードしかない環境は必ずありますので、日々の与え方がとても大切になってきます。

ドッグフードの手作りはおすすめです

上記からも手作りのドッグフードを作ること、与えることはとてもおすすめできますので、是非トライしてみてはいかがでしょうか。

手作りは給与量やアレルギー食材、食べさせてはいけない食材など注意する点はありますが、基本的には愛犬にとってもプラスになることが多い食事です。

特別なときだけでもトライしてみるとよいでしょう。

ペットフード販売士マッサン

ペットレシピ.jpの記事とレシピの執筆・監修をしています。

株式会社ヒューマル代表取締役。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士一級、ペット共生住宅管理士、ペット防災指導員、コスメコンシェルジュ、化粧品検定一級、保育士資格習得者。愛猫をこよなく愛すアウトドアが趣味の40代。マッサンペットフーズを運営し、オリジナルペットフードを販売。ヨーロッパを旅して自身の希望のペットフードを製造できる工場を探し出して製造。輸入から販売までを手がけるペットフードの専門家として活動中。

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