ベゴニアは犬猫にとって危険な植物!シュウ酸カルシウム中毒の可能性。腎不全のリスクも

明るく華やかで種類も豊富なベゴニアは、育てやすい点も魅力でガーデニングや鉢植えなどで広く楽しまれています。

公園や道沿いなどでもよく見かけ、色とりどりの花が目を引き楽しませてくれるベゴニアですが、犬猫にとって害であるといわれています。

ベゴニアの基本情報

学名:Begonia Semperflorens-cultorum Group
和名:四季咲きベゴニア
科名 / 属名:シュウカイドウ科 / シュウカイドウ属(ベゴニア属)
花言葉:「幸福な日々」「愛の告白」「片思い」

参考:ベゴニア・センパフローレンスの基本情報(みんなの趣味の園芸NHK出版)

ベゴニアに含まれる主な毒性成分

ベゴニアに含まれる犬猫にとって危険な毒性成分は『シュウ酸カルシウム』であるといわれています。

ベゴニアの主な毒性であるこのシュウ酸カルシウムは針のような形をした針状結晶で、摂取するとさまざまな組織に刺さり炎症を引き起こします

犬猫がベゴニアを誤食してしまった場合、この針状結晶による刺激で嘔吐や口回りの赤み、かゆみ、そして唾液の多量分泌があるでしょう。

人間でも山芋や里芋を素手で触れた際にかゆみや炎症を起こして赤みが出る事がありますが、その症状の正体はこのシュウ酸カルシウムによるものです。

ベゴニアの誤食による中毒症状は以下のものが挙げられます。

ベゴニアによる中毒症状例
  • 過剰な唾液分泌
  • 口回りを舐めて不快そうにしている
  • 口回りの赤み
  • 嘔吐
  • 飲食拒否
  • 腎不全

ベゴニア全体にこのシュウ酸カルシウムは含まれていますが、特に根茎、球根に多く含まれているといわれています。

命の危険があるほどの有毒ではないといわれていますが、摂取量や個体差によっては腎不全の可能性が挙げられていることから犬猫にとっては危険な植物であると考えておく方がいいでしょう。

参考:ベゴニアにおけるシュウ酸代謝に関する研究

ベゴニアの誤食を防ぐ

ベゴニアは原種が2,000以上、交配種は1万以上とも言われているほど種類が豊富で、園芸店では必ずと言っていいほどみかける人気のある植物です。

ご自身がガーデニングや鉢植えで育てる場合には、犬猫の行動範囲内に配置しないように十分に注意しましょう

また、栽培も簡単である事や、常緑性であることから道沿いの花壇や公園などでもよく見かけます。

開花期は春だけではなく冬咲きの品種もあるので一年中みかける植物です。

散歩で外を歩く機会が多い犬の場合には、自宅だけではなく散歩コースでみかけるベゴニアに近づけないようにすることも大切です。

シュウ酸カルシウムはベゴニアの根茎や球根に特に多いとされているので、犬猫がベゴニアを掘り返してしまっていたら引き離してあげましょう。

ご家庭で植える場合には根が見える状態のものや球根を放置しないように注意してください。

ベゴニアを誤食してしまったら

シュウ酸カルシウムは針状結晶の刺激があるので、ムシャムシャと食べてしまう事はあまりないかと思います。

しかし少し摂取しただけでもその不快感や刺激により1時間以内に嘔吐や唾液の過剰分泌などの症状が現れる事があるといわれています。

愛犬や愛猫の様子がおかしい、上記で解説したようなベゴニアの摂取による症状が見受けられたら誤食を疑いましょう。

個体差によっては腎不全を引き起こ可能性が考えられるので、ベゴニアを食べてしまった事が分かった場合はすぐに動物病院へ相談し、獣医師の指示に従いましょう。

前述の通りベゴニアは地下部分の根茎や球根が最も有毒であるといわれているので、どの部分をどの程度食べてしまったのか、時間の経過、症状の有無を記録し伝える事で診察のヒントとなります。

飼い主様は冷静に愛犬、愛猫の様子を確認し記録するといいでしょう。

まとめ

ベゴニアは犬猫にとって危険な植物です。

主な毒性はシュウ酸カルシウムであるといわれ、針状結晶が様々な組織に刺さり炎症を起こす以外にも、個体差や摂取量によっては最悪の場合腎不全を引き起こす可能性もあるといわれています。

シュウ酸カルシウムは摂取してすぐに症状が現れることが多いです。

愛犬愛猫が過剰によだれを出している、口回りに炎症を起こしていたり不快感を露わにしている様子があれば誤食を疑いましょう。

種類も多く育てやすい事から人気のある植物ですが、犬猫が誤食してしまわないように愛犬愛猫の行動範囲内には設置しないようにすること最大の予防策になります。

参考:ASPCA

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

関連記事