コンフリーは犬猫にとって危険な植物?多くの国で食品利用禁止。長期摂取によるリスクを解説

コンフリーとは

コンフリーは、ヨーロッパやアジア原産の多年草で、日本では「ヒレハリソウ(鰭玻璃草)」とも呼ばれる植物です。

春から初夏にかけて紫色や白色のベル型の花を咲かせ、大きな緑色の葉が特徴です。湿り気のある土壌を好み、育てやすいことから観賞用で親しまれる事や、場所によっては自生していることもあります。

しかし、コンフリーには毒性成分が含まれるので犬や猫にとって危険な植物と言えます。

コンフリーの基本情報

学名:Symphytum officinale
科名 / 属名:ムラサキ科 /ヒレハリソウ属
花言葉:「慈愛」「努力」「健康」

健康野菜だったコンフリー、現在は摂取禁止の注意喚起対象植物

かつてコンフリー(ヒレハリソウ)は「健康野菜」として広く親しまれていました。

栄養価の高さから健康食品や家庭菜園で育てる野菜として利用されていましたが、近年の研究により「ピロリジジンアルカロイド」という有害な化学成分が含まれていることが判明しました。

この成分は肝臓に毒性があり、長期間摂取すると肝機能障害や発がんリスクを高める可能性があるとされています。

その結果、現在ではコンフリーの摂取は推奨されていません

日本を含む多くの国で、食品としての利用は禁止されており、健康目的での使用を検討する場合は、摂取ではなく外用として使う方法が考えられますが、それも安全性には注意が必要といわれています。

コンフリーによる主な健康被害例

コンフリーに含まれる毒性成分はピロリジジンアルカロイドであり、長期間、多量に摂取する事で肝障害を引き起こすといわれています。

これは犬や猫に対しても同様の健康被害を起こす懸念があり、また、人間より解毒作用能力が低い犬猫であれば、人間よりその影響を簡単に受けてしまう事が予想されます。

犬猫がコンフリーを摂取した場合に考えられる症状

  • 嘔吐
  • 下痢
  • よだれ過多
  • 食欲不振
  • 倦怠感
  • 黄疸
  • 脱水症状

症状の発現は摂取量や犬猫の体格差などにもよりますが、毒性は中程度と考えられるので決して油断できない存在です。

少量では影響が見られなかったとしても、頻繁に摂取したり、多量に摂取することで消化器症状や肝機能障害などの症状が現れることが考えられます。

犬や猫がコンフリーを食べてしまったら

犬や猫がコンフリーをどの程度食べたら危険なのかは明確になっていませんが、犬や猫とって危険な可能性が高くあります。

もし、コンフリーを食べた事が分かったら下記の対応を参考にしてください。

食べた量などを確認し記録する

コンフリーは摂取量が多い場合、症状が重くなる可能性があります

誤食が分かった場合には、食べてしまった量や時間の経過、体調に異常はないかなど記録しておきましょう。

無理に吐かせない

口に植物が残っている場合には、慎重に口を開け取り除くことは有用です。

ただし、飲み込んでしまったものを無理に吐かせようとすることは大変危険なので、素人の判断で行わないようにしましょう。

動物病院へ連絡

コンフリーは中程度の毒性があると考えられており、決して軽視できる存在ではなく、個体差によっては重い症状を現す場合があります

誤食が分かったら動物病院へ連絡し相談し、何をどの程度摂取してしまったのかなど現状を伝え、獣医師の指示に従いましょう。

診察の際には、食べた植物の一部を持参することで、獣医師が状況を把握しやすくなる場合があります。

まとめ

コンフリーはヒレハリソウの名でも呼ばれる植物で、ベル型の花がかわいらしく、育てやすい事から観賞用に楽しまれています。

以前はビタミンやミネラルを多く含む健康野菜として扱われていましたが、有毒なアルカロイドが含まれることがわかってからは、摂取しないように注意喚起される有毒植物に分類されました。

川沿いや湿地帯、空き地などで野生化したものが自生していることもありますので、散歩の時に見かけても近づけないようにしましょう。

またご自宅で栽培を楽しまれる場合にも、犬や猫の居る環境下には配置しないことが大切です。

症状が出ていなくても、時間の経過とともに症状が悪化する場合があります。

有毒植物を誤食してしまった場合には、早めに動物病院で相談し、適切な処置を受けるようにしましょう。

参考:North Carolina Extension Gardener Plant Toolbox

参考:薬用植物園(神戸薬科大学)

参考:シンフィツム(いわゆるコンフリー)及びこれを含む食品の取扱いについて(厚生労働省)

スギさんマッサンのペットフードの学校

記事一覧

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。8年間の学びを生かしてペットレシピにも執筆しています。

関連記事