クンシランとは
クンシランは南アフリカ原産のヒガンバナ科の常緑多年草で、観賞用として広く栽培されています。
明るいオレンジや赤、黄色の豪華な花が咲くのが特徴ですが、花以外にも光沢があるつややかな葉が一年中楽しめる事も人気の理由です。
クンシランは寒さに比較的強く、室内でも育てやすいので冬の室内を彩る観葉植物として愛されています。
品位と優雅さを感じさせる意味も込められており、贈り物や室内装飾としても最適ではありますが、犬や猫にとって危険な植物なので注意が必要です。
クンシランの基本情報
学名:Clivia miniata
和名:クンシラン(君子蘭)、ウケザキクンシラン
科名 / 属名:ヒガンバナ科 / クンシラン属(クリビア属)
花言葉:「高貴」「誠実」「情け深い」
クンシランの主な毒性成分
主な毒性成分はリコリンと呼ばれるアルカロイドで、クンシランの有毒部位は全草ですが、特に危険なのは根の部分と言われています。
クンシランの毒性は人体には弱いと考えられていますが、犬や猫は人間よりも小さく解毒能力が低いため、少量の摂取でも深刻な症状を引き起こす可能性があるので十分に注意しなければいけません。
クンシランによって起こる中毒症状例
- 嘔吐
- 下痢
- 過剰なよだれ
- 震え
- 痙攣
- 低血圧
- 不整脈
クンシランは名前に「ラン」が付くのでラン科の植物と間違えられやすいですが、ヒガンバナ科の植物なので犬や猫にとって強い毒性を示します。
軽度であれば下痢や嘔吐の症状ですが、摂取量や個体差によっては重篤な症状を引き起こし、最悪の場合には命を落とす危険もあるため、たとえ少量の誤食であっても軽視しないようにしましょう。
犬や猫がクンシランを食べてしまったら
上記で解説して様に、クンシランの毒性は強いので、万が一誤食があれば早急に対応する必要があります。
できるだけ早く動物病院へ連絡する
誤食直後は症状もなく問題がないようにみえても、時間の経過とともに深刻な状況となり気づいたときには手遅れになってしまうというケースも考えられます。
クンシランの毒性は強いので、自己判断の経過観察はおすすめできません。
誤食が明確な場合は症状の有無に関わらず速やかに動物病院へ連絡し、獣医師の指示に従うようにしましょう。
状況の確認や記録を行う
クンシランの誤食が疑われる場合には、どの部分をどれくらいの量食べてしまったのか、時間の経過、症状の有無を注意深く観察し記録しておきましょう。
動物病院へ連絡する際にも、その状況記録が診察のヒントとなるので、飼い主は冷静に行動するように努めましょう。
無理やり吐かせる行為は控える
有毒植物を口にしてしまった事が分かった場合、吐かせたいと考えるでしょうが、犬や猫が飲み込んだものを無理に吐かせる行為は大変危険です。
水を無理に飲ませたり、無理やり吐かせようとしてしまうと、気管を詰まらせるなど誤嚥を起こす恐れがあります。
ただし、口の中にまだ有毒植物が残っている状況であれば、口を開けて内容物を取り出してあげる事は有効ですので、気をつけながら口の中を確認してあげましょう。
まとめ
クンシランは華やかな見た目と一年中楽しめるつややかな葉が人気で、鉢物や切り花で人気のある植物ですが、有毒植物なので取り扱いには十分に注意が必要です。
クンシランは冬の寒い時期に室内で管理することが多く、その際に犬や猫が誤食してしまうなどのトラブルが発生しやすいので、配置場所や管理には十分に注意しましょう。
一番の予防策は、犬や猫が触れられる場所に配置しない事です。植物を飾る場合にはその植物が犬や猫にとって安全か調べてからにしましょう。
参考:クンシランの基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)
参考:ASPCA