ランタナは日本では初夏~秋まで花を咲かせる多年草の植物で別名「七変化」と呼ばれています。
手毬のように咲いた花の花色がどんどん変化していく特徴から由来する呼び名です。
鮮やかでカラフルなランタナは観賞用として大変人気があることに加え、丈夫で栽培も簡単なことから鉢植えや花壇にと大変好まれ、日本中で楽しまれている植物です。
学名:Lantana
その他の名前:七変化(しちへんげ:ランタナ・カマラ)
科名 ・属名:クマツヅラ科 / シチヘンゲ属(ランタナ属)
参考:ランタナの基本情報
ランタナは犬猫にとって危険な植物
ランタナには犬猫が中毒症状を引き起こす成分が含まれています。
主に葉と種子に毒性成分が含まれるといわれていますが、ノースカロライナ州立大学のWebサイトには、毒部位が花、果実、葉、樹液にあるとの記載があります。
そのためランタナは全草危険であると認識しておく方が良いでしょう。
ランタナは一年草として扱われることもありますが、本来は常緑植物なので、暖かい地域では冬越えが可能といわれています。
種子は花が終わったあとに付く緑色の果実の中にありますが、果実は次第に熟し黒色に変わると桑の実に似ています。
一見食べられそうな形状をしているので誤食が無いように気をつけなければいけません。
特に緑色の未熟果が危険とされていますが、中にある種子に毒性成分が含まれているといわれていますので、未熟果だけではなく熟した黒い果実にも注意しましょう。
参考:North Carolina Extension Gardener Plant Toolbox
ランタナの毒性成分は『ランタニン』
ランタナにはランタニンと呼ばれる毒性成分が含まれており、摂取してしまうと肝障害などを引き起こします。
ランタナの摂取による中毒症状例
- 嘔吐
- 下痢
- 呼吸困難
- 瞳孔の拡張
- 脱力感
- 黄疸
- 光線過敏症
- 肝障害
ランタナの毒性は犬猫だけではなく牛・羊・馬・ヤギ、そして人間にとっても有毒とされています。
致死量は明確にわかっていませんが、小さな子供がランタナの未熟果を食べて死亡した事例もあるので、犬猫にとっても例外ではありません。
上記の中毒症状例からみても、呼吸困難や肝障害を引き起こせば命を落としてしまう可能性も考えられるので、ランタナはどの部位に関しても犬猫が口にしないように気をつけましょう。
葉に関しては皮膚炎を引き起こす可能性があるといわれているので、犬や猫が触れないように注意してあげましょう。
ランタナを食べてしまったら
ランタナによる中毒症状は、初期段階で脱力感・食欲不振・嘔吐や下痢といわれています。
上記で解説したように、ランタナは死亡例もあるほど危険な毒性成分を含む植物なので、どの部位であってもランタナを食べた事に気づいたら速やかに動物病院へ連絡し、獣医師の指示に従いましょう。
24時間以内に症状が出るとも言われていますが、摂取量や個体差によっては翌日以降に症状が出る場合もあります。
症状が出ていないからといって自己判断による経過観察は危険なのでやめましょう。
まとめ
ランタナは犬猫が食べると中毒症状を引き起こし、最悪の場合死に至る可能性もあるため注意が必要な植物です。
丈夫で栽培も簡単であるため家庭でも楽しまれていますが、設置場所は十分に検討が必要です。
葉に関しては皮膚炎を起こすともいわれているため、直接触れることの無いよう庭や散歩コースに生えていないか日頃から確認しておくといいでしょう。
花のあとに実る果実は桑の実に似ていますが、実の中の種は最も危険とされる部位です。
犬猫だけではなく人間にとっても有毒であるため、誤食が無いように十分に気をつけましょう。
参考:ランタナの毒性