黄色い小さな花をいくつも咲かせ、インテリアとしてもぴったりのミモザ。
ザルで濾した玉子の黄身を使う「ミモザサラダ」の名前の由来にもなった植物です。
そんなミモザは犬猫がいる環境でも安心して育てたりインテリアとして飾ることができるのでしょうか。
ミモザには犬猫にとって有毒な成分が含まれている!
ミモザには犬猫にとって有毒な成分が含まれているため誤って食べてしまうと危険な植物です。
今回はミモザに含まれる危険な成分や、食べてしまったときの対処法などについてご紹介したいと思います。
ミモザの基本情報
学名
Helianthus
科・属
マメ科・アカシア属
原産地
オーストラリア
開花時期
3月~4月
別名
銀葉アカシア(ギンヨウアカシア)・金合歓(キンゴウカン)
花言葉
私はあなただけを見つめる・憧れ・偽りの愛・高貴
ミモザに含まれる危険な成分
ミモザの根から花びらまで全てに「タンニン」というポリフェノールの一種が含まれています。
ポリフェノールとは?
健康食品などでよく耳にするポリフェノールですが、一体何なのかご存知でしょうか。
ポリフェノールとは、植物が光合成をすることによって生成される抗酸化作用のある物質のことです。
ほとんど全ての植物は何らかのポリフェノールを生成し、その数は判明しているものだけでも8000種類以上も存在しています。
苦味や渋味の元となっている成分で害虫・菌・紫外線などから植物を守る働きがあります。
有名なポリフェノール
ポリフェノールの中でも有名なものをご紹介します。
アントシアニン
ブルーベリー・ナス・紫芋など、紫色の食べ物に多く含まれているポリフェノールです。
視力維持や眼精疲労の予防に効果があるとされており、目のサプリメントに使用されています。
カテキン
お茶に多く含まれているポリフェノールです。
高い抗酸化作用があり、活性酸素による過酸化脂質の生成の抑制・老化予防などに効果があります。
抗ウイルス作用や抗がん作用もあり、病気の予防にも効果があると言われています。
イソフラボン
大豆に多く含まれているポリフェノールです。
女性ホルモンの「エストロゲン」に似た働きをするため、「植物性エストロゲン」と言われています。
といってもホルモンのような激しい働きはせず優しくからだに働きます。
エストロゲンには骨からカルシウムが溶け出してしまうのを抑える働きがあります。
女性は閉経を迎えるとエストロゲンが減少し、骨粗しょう症のリスクが高くなるためイソフラボンの摂取が効果的と言われています。
タンニンについて
ミモザに含まれているタンニンは強烈な渋味が特徴的で、ワインや柿に多く含まれているポリフェノールです。
タンニンには「収れん作用」という組織や血管を縮める独特な働きがあります。
この働きにより肌に塗ると皮脂腺を引き締める効果があるため、化粧品に使われることが多いです。
人間はタンニンを摂取しても問題ありませんが、過剰に摂取すると腸粘膜が刺激され便秘になると言われています。
犬猫にとってはとても刺激の強い成分のため、摂取すると嘔吐・食欲不振・元気喪失・肝臓や腎臓へのダメージなどのリスクがあります。
アカシアはタンニンで身を守る
ミモザはアカシア属なのでアカシアの仲間ですが、アカシアの仲間はタンニンを利用して身を守ることがあります。
1980年に南アフリカ共和国内の国立公園でウシ科の草食動物「クーズー」3000頭が次々と死んでゆくという奇怪な事件が起こりました。
外傷がないため疫病が疑われましたが、調べていくうちに原因は公園内に生えていたアカシアの木であることがわかりました。
アカシアは動物に食べられ続け、葉が無くなると枯れてしまうため危険を察知すると通常時の約4倍のタンニンを生成するようです。
渋味を増やし一度に大量に食べられにくくし、さらにそのまま食べ続けると草食動物でも消化不良を起こし死に至ります。
これが3000頭ものクーズーが死んでしまった原因です。
アカシアの自己防衛能力には感心ですが、犬猫がミモザを食べた際にも同じことが起こり得ないので注意しましょう。
犬猫がミモザを食べてしまわないために
犬猫がミモザを食べないためにはおうちにはミモザを飾らないようにするのが一番です。
もし飾る際は犬猫の手が届かないような場所に置くようにしましょう。
また、もしもおうちにミモザの木が生えているという場合は猫が登ってしまわないように注意してください。
もしも食べてしまったら
万が一、犬猫がミモザを食べてしまったらすぐに獣医師へ相談することをおすすめします。
その際にはいつ・どのぐらいの量食べたかをわかる範囲で伝えられるようにしておきましょう。
【まとめ】ミモザには犬猫にとって有毒な成分が含まれている
ミモザには犬猫にとって有毒な成分が含まれているので注意が必要な植物です。
今回ご紹介した成分や注意点をおさらいしましょう。
- 「タンニン」というポリフェノールの一種が含まれている
- 犬猫がタンニンを摂取すると嘔吐・食欲不振・元気喪失・肝臓や腎臓へのダメージ等のリスクがある
- ミモザのようなアカシアの仲間は食べ続けると草食動物でも死に至るほどタンニンを増加させる作用がある
今回は犬猫がいる環境でのミモザについてご紹介しました。
ミモザはとてもおしゃれでインテリアに最適ですが犬猫がいる環境では飾らない方がいいでしょう。