モンステラは犬猫にとって安全?葉や茎に含まれるシュウ酸カルシウムの危険性とは

切れ込みが入った大きな葉が特徴の人気の観葉植物モンステラ。

独特の見た目で南国の雰囲気のあるモンステラはファンも多く、ご家庭で育てている方も多いのではないでしょうか。

そんなモンステラは犬猫がいる環境でも安心して育てることができるのでしょうか。

モンステラは犬猫には危険!

モンステラを犬猫がいる環境で育てるのはおすすめしません

モンステラは普通に育てていれば問題ありませんが、犬猫が食べてしまった場合に危険な成分が含まれています。

今回はモンステラに含まれる危険な成分や食べてしまったときの対処法などをご紹介したいと思います。

モンステラの基本情報

学名

Monstera deliciosa

科・属

サトイモ科・ホウライショウ属

原産地

熱帯アメリカ

開花時期

5月~7月

別名

ホウライショウ

花言葉

嬉しい便り・壮大な計画・深い関係

モンステラに含まれる危険な成分

モンステラの葉や茎には「シュウ酸カルシウム」が含まれています。

シュウ酸カルシウム

皆様は山芋や里芋を直接触れたときに手が痒くなったり痛くなったことはあるでしょうか。

あの痒みの原因はサトイモ科の植物に含まれるシュウ酸カルシウムです。

シュウ酸カルシウムは目に見えないほど小さいですが針のような形の結晶をしており、皮膚に刺さることによって痒みが発症しています。

なぜ食べたら痛くないのか?

皆様が山芋をとろろなどで生で食べた際に口の周りが痒くなることはあっても口の中が痒くなることはないかと思います。

シュウ酸カルシウムが針状結晶の状態を保つためにはpH7以上のアルカリ度が必要とされています。

ところが食事中の人間の口の中はおよそpH6ほどの酸性に傾くためシュウ酸カルシウムは針状結晶の形を保てなくなるため口の中は痒くなりません。

※pHとは?

pH値は「ペーハー値」や「ピーエッチ値」と呼ばれ、酸性・アルカリ性の度合いを示すのに使用されます。

1~14の数値で表され、1に近いほど酸性、14に近いほどアルカリ性を指し7に近いほど中性となります。

pH値の図

犬猫の口の中はアルカリ性

人間の口の中がpH6.0~7.0ぐらいの弱酸性なのに対して犬の口の中はpH8~8.5、猫の口の中はpH7.5~8.5と、アルカリ性に寄っています。

そのため犬猫がシュウ酸カルシウムを食べると針状結晶の形のまま口の中やのどに刺さってしまい以下のような症状が現れる可能性があります。

  • 下痢・嘔吐
  • 口内の痛み
  • 大量によだれが分泌される

結石の可能性もあり

犬猫がほうれん草などに多く含まれているシュウ酸ナトリウムを多く摂取し、尿中のカルシウムと結合してしまうと「シュウ酸カルシウム結石」になります。

サトイモ科の植物には既に結合した後のシュウ酸カルシウムが含まれており、尿路結石との関係ははっきりしていませんが勧んで与えない方が良さそうです。

以下の品種の犬猫はシュウ酸カルシウム結晶になりやすいと言われているので注意してください。

  • トイ・プードル
  • マルチーズ
  • ポメラニアン
  • シー・ズー
  • ヨークシャー・テリア
  • ビション・フリーゼ
  • ミニチュア・シュナウザー など

  • ヒマラヤン
  • ペルシャ など(長毛種に多いと言われています)

もしもモンステラを食べてしまったら

ここまででモンステラが犬猫に危険であるということはわかりました。

これから犬猫を飼う方や犬猫を飼っていて観葉植物の設置を考えている方は対策を打てます。

しかし既にお家に犬猫とモンステラどちらも揃っているという方は対策が難しいかと思います。

そこで犬猫がモンステラを食べてしまった場合の対処法をご紹介します。

飲み込んだか確認

犬猫がモンステラをかじったとしてもすぐに吐き出してしまうことが多いようです。

その場合は口の周りを拭いてしばらく様子を見てあげると良いでしょう。

シュウ酸カルシウムの影響で口の中や口の周りを痒そうにするかもしれませんがしばらくすると治る場合が多いです。

飲み込んでしまったら

もしも犬猫がモンステラを飲み込んでしまったりたくさん食べてしまったら確実な方法はすぐに獣医師へ相談することです。

食べてしまったのが少量であっても心配な場合は症状が重篤化する前に獣医師へ相談することで万が一の事態を避けることができます。

補足:手の痒みの取り方

皆様が料理をするときに里芋や山芋で手が痒くなってしまったときはお酢で手を洗うと効果的です。

前述したように手の痒みの原因となっているシュウ酸カルシウムは酸性に弱いため、お酢やレモン果汁などで手を洗うと痒みが取れることが多いです。

肌の弱い方は里芋や山芋を触れる際にはゴム手袋などを使用するのが一番確実な方法です。

その他の注意点

猫が遊んでしまうかも

モンステラの葉は大きく風でゆらゆらと揺れていると特に猫にとっては非常に興味深いものです。

猫じゃらしのように遊んでモンステラの葉がボロボロになってしまう可能性があるので注意しましょう。

また、遊んでるうちにプランターを倒してしまうと猫が怪我をする危険性もあります。

できるだけ犬猫は近づけないようにする

もしも犬猫とモンステラを共生させる場合はできるだけ近づけないようにするのが最善策です。

お家の中で犬猫が入れない部屋を決めておいてそこでモンステラを育てるなどするといいでしょう。

【まとめ】モンステラは犬猫にとって危険な成分が含まれている

犬猫がいる環境でモンステラを育てるのはおすすめできません。

今回紹介した注意点をおさらいしましょう。

  • モンステラの葉や茎には犬猫にとって危険なシュウ酸カルシウムが含まれている
  • シュウ酸カルシウムは針のような形をしており犬猫が食べると口内の痛みや嘔吐などを発症する可能性がある
  • 共生させるならできるだけ近づけないようにするのがおすすめ

今回は犬猫を飼っている環境でのモンステラについてご紹介しました。

犬猫を飼っていて、これから観葉植物の設置を検討している方はモンステラ以外で探してみるのをおすすめします。

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

記事一覧

ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

関連記事