ニオイバンマツリとは
ニオイバンマツリは、ナス科の常緑低木で、南アメリカ原産の美しい観賞植物で、紫から薄紫、そして白へと変化する可憐な花々と、ほのかに甘い芳香が特徴です。
和名では「匂蕃茉莉」と書きますが、実際にはジャスミン(茉莉花)の仲間ではありません。
ニオイバンマツリは、庭木や鉢植えとしても人気があり、春から夏にかけて長期間花を楽しむことができます。
耐暑性や耐陰性があり、比較的育てやすい植物ですが、寒さに弱いため、冬は屋内での管理が必要です。
室内管理の必要性のある観賞用植物ですが、毒性成分を含む有毒植物なので、犬や猫にとって危険な植物です。
ニオイバンマツリの基本情報
学名:Brunfelsia australis
科名 / 属名:ナス科 / バンマツリ属(ブルンフェルシア属)
花言葉:「私はあなたについていく」「愛の絆」「移り気」
ニオイバンマツリに含まれる主な毒性成分
ニオイバンマツリに含まれる主な毒性は「ブルンフェルサミジン」。全草有毒ですが、特に果実や種子に毒性成分が多く含まれていると考えられています。
ニオイバンマツリによる主な中毒症状例
- 嘔吐
- 下痢
- ふらつき
- 散瞳(瞳孔の拡大)
- 手足のしびれや痙攣
ニオイバンマツリに関しては、犬の中毒事例も報告されており、全草に神経毒性があります。
そのため、犬や猫が誤食した場合、摂取量や個体差によっては眼振、散瞳、ふらつき、痙攣などの症状を起こすといわれています。
重症の場合には昏睡や意識低下も考えられるので、誤食がないように十分注意が必要です。
犬や猫がニオイバンマツリを食べてしまったら
ニオイバンマツリの毒性成分は犬や猫にとって危険なので、誤食したことが分かったら速やかに対処することが重要です。
すぐに動物病院に連絡
ニオイバンマツリの誤食がわかったら、症状の有無に関係なく速やかに動物病院へ連絡しましょう。
その際に、食べた量や部位などの状況、時間、症状の有無を伝えましょう。
誤食した植物を持参することも有用
食べてしまったニオイバンマツリの一部を持参すると、獣医師の診察に役立つことがあります。
持参が難しければ、写真を撮っておくのもいいでしょう。また、吐いたものがあればポリ袋等で保存しておくといいでしょう。
家庭での対処や自己判断での経過観察は避ける
誤食した直後に、口の中に残っている植物を取り除くのは重要な対処です。
ただし、飲み込んでしまったものを無理に吐かせる行為は危険に詰まるなどの危険や、症状をより悪化させてしまう事があるので、素人の判断で行う事はやめましょう。
また、人間の薬や、その他の家庭にある薬を与える事は危険なので、必ず獣医師の指示に従って行動しましょう。
中毒症状は食べた直後だけではなく、数時間~数日後に現れる事があります。
ニオイバンマツリは摂取量や個体差によっては重篤な症状を引き起こす可能性があります。
「このくらいの誤食なら大丈夫か」「今は症状がないから」と自己判断で経過観察をしてしまうと、時間の経過とともに重篤な症状を現すこともあります。
そのため、できる限り速やかに動物病院で相談しましょう。
まとめ
ニオイバンマツリはかわいらしい花姿と爽やかな芳香が特徴の人気のある観賞用植物です。
このニオイバンマツリには毒性成分が含まれる有毒植物なので、犬や猫が誤食しないように十分注意しましょう。
室内でも戸外でも見られる植物なので、犬や猫の生活環境下には配置しない事や、散歩中に見かけても近づけないようにしましょう。
また、誤食が分かったら速やかに動物病院へ連絡し、診察を受ける事が大切です。
参考:North Carolina Extension Gardener Plant Toolbox
参考:ASPCA
参考:ニオイバンマツリの基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)
参考:人もペットも気をつけたい 園芸有毒植物図鑑(著者: 土橋豊)