トケイソウは犬猫にとって危険な植物。果実を食用にする品種も存在するが注意が必要

トケイソウとは

トケイソウ(時計草)は、その独特な花の形が時計の文字盤に見えることから名付けられた、美しい熱帯性植物です。

非常に特徴的な花姿や、紫、白、ピンクなどどさまざまな花の色が存在するので、観賞用として世界中で愛されています。

トケイソウの花はハーブとして用いられることや、トケイソウの食用品種にはパッションフルーツもあります。

しかし、トケイソウには品種や部位によって毒性成分が含まれることがわかっているので、犬や猫にとっては危険な植物です。

トケイソウの基本情報

学名:Passiflora
和名:トケイソウ(時計草)
科名 / 属名:トケイソウ科 / トケイソウ属(パッシフロラ属)
花言葉:「信仰」「神聖な愛」「信念」

トケイソウの主な毒性成分

トケイソウの主な毒性成分はシアン配糖体やアルカロイドであると考えられ、過剰摂取すると神経症状を引き起こす可能性があります。

特に危険な有毒部位は葉や茎、未熟な果実と考えられていますが、犬や猫に対して花や根が安全であるといった明確な記述は見当たりません。

念のため全草誤食がないように注意が必要であると考えておいた方がいいでしょう。

トケイソウによる主な中毒症状例

軽度の中毒症状

  • 嘔吐
  • 下痢
  • よだれが増える
  • 食欲不振

重度の中毒症状(大量摂取の場合)

  • 神経症状(震え、けいれん、ふらつき)
  • 呼吸困難
  • 昏睡状態
  • 頭痛
  • めまい

観賞用のトケイソウを誤食しないように注意することはもちろんですが、食用品種にも注意が必要です。

トケイソウには、パッションフルーツのような食用品種が複数あり、それらの成熟した実に関しては安全ですが、食用品種であっても未熟な果実や葉や茎は食べないよう注意が必要です。

誤食した場合の主な中毒症状は消化器系のものであるといわれていますが、摂取量や個体差によっては神経系の症状を引き起こす可能性もあり、場合によっては重篤な症状を起こすことが考えられます。

犬や猫がトケイソウを食べてしまったら

トケイソウを食べてしまったことが分かった場合、早急な対応が重要となります。

食べてしまった部位や量を確認

トケイソウは特に危険とされるのが未熟果、葉、茎です。

犬や猫が食べてしまった部位や量を記録して獣医師に伝えることで診察に役立つことがありますので、できる限り確認しておきましょう。

植物の一部や写真を撮って持参するのもいいでしょう。

すぐに獣医師へ連絡

トケイソウの毒は中程度であるといわれています。そのため、自己判断での様子見は危険な場合があります。

また、食べた直後は症状が現れなくても、時間の経過とともに状態が悪化していくことがあります。

トケイソウは有毒植物なので、誤食が分かったら症状の有無に関わらずすぐに動物病院で受診することをおすすめします。

自宅でやってはいけないこと

誤食が分かった場合、飲み込んだものを吐かせたいと考えますが、自己判断で無理に吐かせる行為は危険です

誤嚥など状態の悪化を招く可能性があるので、必ず獣医師の指示を仰ぎましょう。

上記でも解説しましたが、中毒症状が遅れて現れる場合があるため、症状がないからといって様子見をすることは危険な場合があります。

トケイソウは摂取部位、摂取量によっては命の危険も考えられるので、症状が出ていない段階でも動物病院を受診するようにしましょう。

まとめ

トケイソウにはシアン配糖体やアルカロイドなどの有害成分が含まれる場合があり、犬や猫が摂取すると中毒症状を引き起こす可能性があります。

食べてしまった場合は速やかに動物病院を受診し、獣医師の指示に従いましょう。早期の対応が重篤化を防ぐ鍵となります。

トケイソウの仲間は観賞用も食用品種も人気のある植物なので、ご自宅で栽培されていることや、散歩コースで見かける事もあるでしょうが、万が一のことを考え、犬や猫を近づけないようにしましょう。

参考:トケイソウの基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)

参考:North Carolina Extension Gardener Plant Toolbox

参考:パッションフラワー(わかさの秘密)

参考:人もペットも気をつけたい 園芸有毒植物図鑑 著者: 土橋豊

スギさん

スギさんマッサンのペットフードの学校

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株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。8年間の学びを生かしてペットレシピにも執筆しています。

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