ツツジは犬猫にとって危険な植物!全草に痙攣毒が含まれる。他のツツジ科の植物にも注意。

日本で古くから栽培されるツツジは、日本人に最も親しまれている植物のひとつです。

ツツジには空気を清浄する効果が期待されており、また車の排気ガスやアスファルトの高温に耐えられる丈夫さがあるので街路樹に多く使われています。

ご家庭で生け垣として育てられている事も多く、日常的に目にする機会が多いので犬猫にとっても身近な植物であるといえます。

特に犬は散歩で外を歩く機会が多いのでツツジはより身近に感じるでしょう。

しかし、このツツジには毒性があるので、犬猫が口にしないように注意しなければいけない植物です。

参考:街路樹にツツジが多い理由は

ツツジの毒性成分

ツツジには様々な品種があり、全ての品種に強い毒性があるわけではありません。

品種によっては毒性が弱い、ほぼ含まれないといわれるものもありますが、レンゲツツジに関しては幹や根、葉、花、花蜜にまでグラヤノトキシンと呼ばれる痙攣毒が多く含まれているので特に注意が必要です。

毒性成分を含むツツジを口にした場合の中毒症状は以下の通りです。

ツツジによる中毒症状例
  • 口腔内の灼熱感
  • 流涎
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 筋力低下
  • 視力障碍
  • 徐脈
  • 不整脈
  • 血圧低下
  • 呼吸困難

犬猫に対する致死量はわかっていませんが、消化器症状は数時間以内に発生することが多く、摂取量が多い場合には数日で死亡してしまうという報告があります。

そのため、絶対に犬猫が口にしないように注意が必要です。

上記で毒性が弱い、ほぼ含まれない品種があると解説しましたが、人間より小さく、解毒機能も弱いと考えられる犬猫が口にした場合、たとえ毒性が弱くても中毒症状を起こす可能性は十分あるあります。

どの品種であっても口に入れる事が無いように注意すべきでしょう。

ツツジは花蜜が甘く、幼少期に吸ってみたことがある方もいるかもしれません。

しかしレンゲツツジのような毒性の強い品種の花蜜は人間にも中毒症状を引き起こすほど影響があるので、基本的には人間もツツジを口にしないように注意が必要です。

参考:レンゲツツジ(ツツジ科)

犬猫がツツジを口にしてしまったら

室内飼いを徹底されている猫は出会う機会が少ないかもしれませんが、散歩に出る犬はより注意が必要です。

上記でも解説しましたが、犬猫に対するツツジの致死量は明確にわかっていません。

症状の出方も個体差によるところが多く、ツツジの毒は死に至るケースもあるので、たとえ少量であっても誤食に気づいた場合は速やかに動物病院へ連絡し、獣医師の指示に従いましょう

食べた直後に症状が出なくても、数時間後には重篤な中毒症状を引き起こす可能性が非常に高いので、自己判断で経過観察をするのは大変危険です

ツツジ科の植物は毒をもつものが多い

ツツジの危険性に解説してきましたが、ツツジだけではなく、ツツジ科の植物は他にも毒性成分を含むのが多くあるので確認しておきましょう。

  • サツキ
  • シャクナゲ
  • アザレア(オランダツツジ、セイヨウツツジ)
  • アセビ(アシビ)
  • カルミア
  • ハナヒリノキ(クサメノキ、クジャミノキ、チシコロシ)

上記で挙げたツツジ科の植物は毒性をしまします

毒性成分は上記で解説したツツジに対するものと同様です。

葉や花、種類によっては花蜜にも毒性成分が含まれるので、全草誤食がないように気をつけましょう。

昨今では、『ドウダンツツジ』の枝葉を室内で飾るのが人気です。

毒性を持つ危険な植物として一覧には載っていませんが、ドウダンツツジもその名に含まれる通りツツジ科の植物です。

ドウダンツツジの毒性については明確ではありませんが、当サイトとしてはツツジ科である以上犬猫に全く危険が無いとは言い切れませんので、犬猫の誤食が無いように配置に十分な検討が必要でしょう。

まとめ

ツツジは日本中、街路樹や生け垣として目にしない事はないほど身近な植物です。

しかしこのツツジには、グラヤノトキシンと呼ばれる痙攣毒が多く含まれている品種があり、葉や花の他にも根や花蜜に至るまで含まれ全草が危険です。

ツツジの品種によっては毒性がほとんど含まれていないものもありますが、犬猫は人間よりも小さく毒性成分の影響を受けやすいことや、品種の見分けが難しいことから、どの品種であっても誤食させないように気をつけましょう。

ツツジと同じ毒性を持つツツジ科の植物は他にも多くありますので、愛犬愛猫に危険が及ばないように確認しておくことも大切です。

参考:ASPCA

参考:イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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