ブルーベリーは犬猫が食べても大丈夫
目によい果物として注目を集めるブルーベリーですが、昨今では新鮮なものが年中スーパーで並んだり、冷凍ブルーベリーもスーパーやコンビニで購入できるなど非常に身近になりました。
その小さな果実には犬猫にとっても健康的メリットのある栄養が豊富で、有害な成分は含まれていないので食べても大丈夫です。
栄養やその効果、与える際の注意点を解説します。
ぶどうとは違うツツジ科の果物
見た目がぶどうに似ているため、犬猫に食べさせてはいけない食材なのでは?と思う方も多くいると思います。
しかし、ブルーベリーはツツジ科の植物で、ぶどうはブドウ科の植物であり、植物として種類が異なります。
そのため犬猫はブルーベリーの果実を食べても大丈夫と言えます。
ブルーベリーの葉は危険!家庭菜園で育てている場合は要注意
ブルーベリーの果実は犬猫が中毒症状を引き起こす成分は含まれていませんが、ブルーベリーの葉や根皮には犬猫にとって非常に危険な中毒症状を引き起こす成分が含まれています。
ブルーベリーの葉や根皮に含まれる成分で引き起こす症状は以下の通りです。
- 口腔の灼熱感
- よだれ
- 嘔吐
- 下痢
- 徐脈
- 中枢神経の抑制
- 不整脈
- 血圧低下
市販されているブルーベリーで枝や葉付のものをみかけることはほとんどありませんが、最近では家庭で栽培される方も増えていますので、犬猫の届く範囲にブルーベリーの木を置かないように気をつけましょう。
参考:環境省ペットが出会う危険な植物
ブルーベリーを与えるメリット
アントシアニンで目の健康維持に効果的!
ブルーベリーには果実の濃い紫色に含まれる『アントシアニン』というポリフェノールの一種が含まれています。
優れた抗酸化作用があるこのアントシアニンは、目から光を取りこみ、網膜に結ばれた像を信号に変換して脳に送る働きに関わる『ロドプシン』という色素成分の再合成に関わる働きをします。
このロドプシンは分解と再合成を繰り返しており、アントシアニンを摂取して再合成のサポートをすることで視力低下や眼精疲労を防ぐ働きがあります。
ブルーベリーの効果に対して目の健康維持に役立つという事から、白内障の改善効果を期待される記事を見ることもありますが犬猫に対して効果があるという明確な報告は確認できていません。
ただ、人に対して北欧産野生種ブルーベリーが白内障を抑える働きが期待されているといわれていますので、犬猫の目の健康維持のひとつの作用として期待できるかもしれません。
参考:ブルーベリーと白内障
血行改善、アンチエイジングに効果的
ブルーベリーにはビタミンが豊富に含まれています。その中でもアンチエイジングに効果的なビタミンEが豊富含まれています。
このビタミンEには血行を改善する効果があるので、動脈硬化や血栓の予防に役立ちます。また強い抗酸化作用で老化予防に効果が期待できます。
整腸作用に期待
ブルーベリーに含まれる食物繊維には整腸作用が期待されています。また、この食物繊維の効果で便秘解消や大腸がんの予防にもなるといわれています。
皮ごと食べられるブルーベリーは余すことなく食物繊維が摂取できます。
人気の果物に含まれる食物繊維量
生 可食部100g当たり
食品名 | 食物繊維含有量 |
---|---|
ブルーベリー | 3.3g |
イチゴ | 1.4g |
みかん | 0.7g |
キウイ | 2.6g |
バナナ | 1.1g |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
このように他の果物に比べて食物繊維が多いことが分かります。
犬猫へ一度に100gのブルーベリーを与える事は考えにくいですが、小さな粒を数粒食べるだけで効率よく食物繊維を摂取できるといえます。
ブルーベリーの栄養
ポリフェノール
上記で解説したようにブルーベリーに含まれるポリフェノールの一種『クロロゲン酸』は強い抗酸化作用で、目の疲労回復や視力の低下の予防に役立つといわれています。
食物繊維
ブルーベリーは上記の表の通り他の果物と比較して食物繊維が多く含まれています。
食物繊維は腸の働きを助け、便秘の予防をはじめとする整腸効果やコレステロールを低下させる効果など多くの生理機能が明らかになっています。
ビタミンE
ブルーベリーにはビタミンが豊富に含まれており、その中でもビタミンEはアンチエイジングに効果的です。
上記解説の通り、他にも様々な働きをしてくれます。
ビタミンC
ブルーベリーに含まれるビタミンの中にビタミンCもあります。
ビタミンCは美肌のビタミンと呼ばれ、コラーゲンの生成を助ける働きがあるので、犬猫の皮膚の健康維持に役立ちます。
参考:食品成分データベース
ブルーベリーを与える際の注意点
ブルーベリーの加工品には気をつけましょう
ブルーベリーはジャムやお菓子などに使われることが多いですが、人用に美味しく食べられるように加工されたものは砂糖や油脂などを多量に使っています。
犬猫にとって人用の加工品は消化の負担も多く、さらにカロリーもすぐにオーバーしてしまったりと、健康被害をもたらす原因となってしまいます。
基本的に犬猫の食事に人の様な調味は不要で、ブルーベリーを食べさせる際には皮ごとそのまま与えるのがベストです。
小型犬や体の小さな猫には丸飲みで喉を詰まらせないように適切にカットしてあげるのもいいでしょう。
ブルーベリーの残留農薬が気になる方もいると思いますが、ブルーベリーは比較的農薬を使わなくても大丈夫な果物といわれています。
輸入品には長期輸送のための薬剤を使用されている場合もありますので注意しましょう。
犬猫に食べさせる前には流水でしっかり洗う事や、酢水(酢:水を1:3で薄めたもの)で洗う事をお勧めします。
より安全にと考えるのであれば、オーガニックのブルーベリーを選んで購入すると良いでしょう。
アレルギー
ブルーベリーはアレルギーを起こしやすいという食品ではありませんが、絶対に大丈夫とは言えません。
初めて食べさせる場合には必ず少量から始め、食後は注意観察を怠らないようにしましょう。
ブルーベリーはツツジ科の植物で、クランベリー、ビルベリーなども同じツツジ科です。
ブルーベリーでアレルギーを起こした場合には同じツツジ科の上記のような果物を与えないように注意が必要です。
食後に下痢や嘔吐、発疹などの症状がみられた場合には、早急にかかりつけの動物病院へ相談しましょう。
おすすめレシピ
ブルーベリーヨーグルトアイス
①ブルーベリーとプレーンヨーグルトをミキサーにかけます。
②チャック付き保存袋に入れ、冷凍庫で2~3時間置きます。
③冷凍庫から出し、袋の上から揉み混ぜ、また冷凍庫で2~3時間置きます。
④③を2、3回繰り返して完成。
ブルーベリーに含まれるビタミンEは脂溶性のビタミンなので、ヨーグルトとなどの乳製品と一緒に食べると吸収が高まります。
冷凍庫で保存できるので、好きなときに好きな分量取り出せるのも利便性が高く嬉しいレシピ。
散歩のあとや夏の暑い日のおやつに食べさせてあげると喜んでくれそうです。
人用にははちみつをかけてもいいですが、そのままでもさっぱりとおいしく頂けます。
まとめ
犬猫はブルーベリーを食べても大丈夫!
ブルーベリーは小さい粒にたくさんの健康的メリットを含んだフルーツです。
見た目の色や形状的に、犬猫に食べさせてはいけないぶどうと混同してしまいがちですが、ブルーベリーの果実には危険な成分は入っていません。
悪くなってしまった視力を治すことはできませんが、日ごろから目の健康維持として、シニア犬猫の視力低下の予防として活躍してくれそうです。