カブについて
カブはお漬物や汁物の具として人気のカブ。アルミホイルで包みオーブンで焼いても甘みが増して非常に美味しいです。
地域によって「かぶら」や「かぶな」などと呼ばれ、全国で広く栽培されています。品種もとても多く、赤カブ・小カブ・京野菜の聖護院カブなどが有名です。
カブの旬は12月~3月の寒い冬の時期でこの時期のカブは特に甘みが増しています。
カブの歴史はとても古く、弥生時代から栽培されていたといわれており、「すずな」の名で七草粥の一種としても知られています。
春の七草に関してはこちらの記事もご参照ください
そんなカブは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫はカブを食べても大丈夫!
犬や猫はカブを食べても大丈夫です。
ただしいくつか注意点はありますので今回は注意点や与え方を解説していきます。
葉や茎は食べても大丈夫?
カブといえば大抵長めの茎や葉がついて売っており、人間にとっては全て可食部なので余すことなく料理に使いたいですよね。
犬猫もカブの茎や葉を食べても大丈夫です。実はカブは総合的に見ると根よりも葉の方が栄養価が高いのです。
生で食べても大丈夫?
犬猫に生のカブを与えても大丈夫ですが、犬猫は野菜の消化があまり得意ではないので生で与える際は細かく刻むかすりおろすなどして胃に優しい状態で与えましょう。
茹でる・蒸すなどの加熱調理をすることによって柔らかくなり犬猫も食べやすくなります。
加熱調理したカブを与える場合は必ずやけどしないように冷めてから与えましょう。
カブってどこを食べてるの?
カブといえば主に白い部分を食べるわけですがその白い部分は植物のどの部分かご存じですか?
実は根でも茎でもありません。植物の根と茎をつなぐ「胚軸」という部分です。下の画像をご覧ください。
カブの根は白く膨らんだ胚軸からひょろっとでている部分です。茎は葉と胚軸をつないでいる部分です。
しかし「胚軸」はあまり一般的な名称ではないので単に「根」としている場合も多いようです。(本記事でも胚軸は根と表記します)
カブに似た野菜として大根がありますが大根は以下のようになっています。
大根はメインの太い部分の茎側のうっすら緑色の部分が胚軸です。
大根をよく見ると根の部分から細いひげ根が生えていますが胚軸の部分からは生えません。
春の七草に関してはこちらの記事もご参照ください
カブに含まれる代表的な栄養素
カブに含まれる栄養素を葉と根に分けて紹介します。
葉 生 可食部100gあたり / 根 皮つき 生 可食部100gあたり
栄養素 | 葉の含有量 | 根の含有量 |
---|---|---|
エネルギー | 20kcal | 18kcal |
たんぱく質 | 2.0g | 0.6g |
炭水化物 | 1.4g | 3.0g |
脂質 | 0.1g | 0.1g |
カリウム | 330mg | 280mg |
カルシウム | 250mg | 24mg |
ビタミンC | 82mg | 19mg |
ビタミンE | 3.1mg | 0 |
ビタミンK | 340μg | 0 |
葉酸 | 110μg | 48μg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
カリウム
カリウムは多くの生物にとって重要なミネラルの一種です。体液の浸透圧の調整(多すぎる塩分を体外に排出)や細胞機能の維持が主な役割です。
総合栄養食のペットフードを与えていればカリウムが不足することはありません。
また、多く摂取しすぎたカリウムは通常尿とともに体外に排出されますが腎機能が低下している犬猫はカリウムの排出が上手くできません。
その結果、血中のカリウム濃度が上がる「高カリウム血症」という病気になる可能性があります。
高カリウム血症は筋力低下・不整脈などを引き起こし、最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。腎臓が悪い犬猫を飼っている場合は注意しましょう。
カルシウム
体内のカルシウムは基本的に骨や歯に存在しており、丈夫な骨や歯を形成しています。
ほかにもカルシウムには筋肉の収縮運動や細胞間の情報伝達など重要な役割があります。このような重要な役割に必要なカルシウムが不足すると体は骨や歯からカルシウムを取り出して補おうとします。
その結果、骨や歯がもろくなってしまい、骨粗しょう症などにつながります。
とても重要な栄養素ですが過剰に摂取すると膀胱などの結石につながってしまうためサプリメントなどの過剰摂取には注意が必要です。
ビタミン
ビタミンE
ビタミンEには抗酸化作用があり、細胞の酸化を進める「活性酸素」や「過酸化物」に対抗するビタミンです。
細胞が活性酸素などによって攻撃されると細胞膜の脂質が酸化し、細胞の栄養や老廃物の出し入れがスムーズに行われなくなります。
このように細胞が傷つけられることによって「老化」が進んでいくのです。
ビタミンC
上記で紹介した抗酸化作用のあるビタミンEですが、活性酸素や過酸化物と闘ったあとは「ビタミンEラジカル」という犬猫にとって悪い成分に変わってしまいます。
そのビタミンEラジカルを正常なビタミンEに戻してくれるのがビタミンCです。
ビタミンEとCをバランス良く取ることによってより効果が期待できます。
ビタミンK
ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種で主に肝臓に貯蔵されます。
体内で「血液凝固因子」というものを作るのがビタミンKの主な役割で、血液凝固因子は出血などがあったときに血を固めてくれるたんぱく質の一種です。
他にもこの血液凝固因子が正常なときにだけ血を固めるように管理したりするのがビタミンKの働きになります。
葉酸
葉酸もビタミンの一種でビタミンB9に分類されます。葉酸の主な役割は血液をつくるサポートです。
犬猫は腎臓で血液をつくり出す造血ホルモンを分泌していますが腎臓が弱ってしまうと造血ホルモンの分泌が出来なくなり貧血を起こしやすくなります。
葉酸は造血のサポートをしてくれるので腎機能が低下している犬猫の食事に取り入れたい成分です。
犬や猫にカブをあげる際の注意点
犬猫にカブを与える際の注意点を紹介します。
甲状腺に問題のある犬猫には食べさせないで
カブのようなアブラナ科の植物には甲状腺ホルモンの分泌を阻害する成分が含まれているので甲状腺の負担になります。
甲状腺に問題を抱えている犬猫には食べさせない方がいいでしょう。
アレルギーに気をつけて
どんな食べ物でもアレルギーの可能性は少なからずあるので注意しましょう。
犬猫のアレルギー症状は下痢・嘔吐・皮膚の赤みやかゆみ・目の充血などがありますが人間のアナフィラキシーショックのような大きな反応は滅多にありません。
実はアレルギー反応を示しているのに気づかずに与え続けるなんてことがないように初めてカブを食べた後半日~1日ほどはよく観察しましょう。
また、初めての食材を与える場合は少量に抑えるようにしましょう。
少しでも異常が見られたらそれ以上与えるのをやめ、症状が酷くなる場合は獣医に相談しましょう。
犬や猫にあげるカブのレシピ
水分を摂取してもらうために食いつきを誘う鶏挽肉を使用しています。量はわずかですので脂質も気になりません。
【まとめ】犬猫はカブを食べても大丈夫
犬猫はカブを食べても大丈夫ですが以下の点には注意しましょう。
- 生で食べても大丈夫ですが加熱した方が胃に優しくなる
- 甲状腺の機能が低下している犬猫は食べない方がいい
- アレルギーに注意
今回はカブについて紹介しました。
紹介した注意点を守って手作りレシピに加えてみてください。