犬猫とカリフラワー
白くてブロッコリーに似た見た目をしているカリフラワーはコリコリした独特な食感がとても美味しい野菜です。
カリフラワーは犬猫の手作りご飯に使用することが出来るのでしょうか。
今回は犬猫はカリフラワーを食べても大丈夫なのか・与える際の注意点について解説していきたいと思います。
犬猫はカリフラワーを食べても大丈夫!
犬や猫はカリフラワーを食べても大丈夫です。
食べさせる際に注意点はいくつかありますが犬猫にとって嬉しい栄養も含まれています。
生で食べても大丈夫?
とある動画投稿サイトにカリフラワーを生のまま1房丸ごと犬に与えている動画がありました。
カリフラワーは生のまま食べても大丈夫な食材ですが、1房丸ごと与えるのはあまりよくないと言えます。
私が視聴した動画でカリフラワーを丸ごと食べていたのは大型犬でしたが、犬の大きさや個体によって食べていい量も違いますし小型犬や猫の場合は大きな食べ物をのどに詰まらせるリスクは高くなります。
こういった危険を防ぐため基本的には茹でてから与えるようにしましょう。茹でることによって柔らかくなり、消化もしやすくなります。
生で与える場合もも茹でて与える場合も、念のため細かく刻んで与えるのが無難でしょう。
ブロッコリーとの違い
カリフラワーはブロッコリーによく似ている野菜ですがやはり一番の違いは色です。
単に色が違うというだけではなくブロッコリーは「緑黄色野菜」、カリフラワーは「淡色野菜」という違いがあります。
よく色が濃い野菜は緑黄色野菜、色が薄い野菜は淡色野菜という認識がありますが実は緑黄色野菜には明確な定義があります。
緑黄色野菜の定義はどうなっているのですか。
日本食品標準成分表では「原則として可食部100g当たりカロテン含有量が600㎍以上のもの」、
あわせてトマト、ピーマンなど一部の野菜については「カロテン含有量が600㎍未満であるが摂取量及び頻度等を勘案の上、栄養指導上緑黄色野菜とする」とされています。
参考:農林水産省「緑黄色野菜の定義はどうなっているのですか。」
農林水産省の発表にもあるようにカロテンの含有量によって緑黄色野菜か淡色野菜かが決まっているようです。
カロテンは体内で酵素の働きによってビタミンAに変換される栄養素ですが猫はこの酵素を持たないため猫はカロテンからビタミンAを合成することはできません。
また、カリフラワーの中でもオレンジがかったものがありますがこのような品種にはカロテンが通常よりも多く含まれています。
他にも視力維持などに効果的なアントシアニンを含んでいる紫色のカリフラワーなどがあります。
犬猫にカリフラワーを与える際の注意点
犬や猫にカリフラワーを与える際に注意しておきたい点をご紹介します。
甲状腺機能が低下している犬猫は注意
カリフラワーはアブラナ科の植物ですが、アブラナ科の植物には
甲状腺ホルモンの分泌を阻害する「ゴイトロゲン(グルコシノレート)」という成分が含まれています。
甲状腺ホルモンが欠乏すると運動機能が低下したり無気力になってしまう原因となります。
健康な犬猫の場合は多量のカリフラワーを与え続けない限りそれほど心配はありませんが、すでに甲状腺の機能が低下している犬猫には与えない方がいいでしょう。
アリルプロピルジスルフィド
ネギや玉ねぎなどは犬猫に与えてはいけないものとして有名ですが、その理由は赤血球を破壊してしまう成分「アリルプロピルジスルフィド」が含まれているからです。
実はブロッコリーやカリフラワーにもこのアリルプロピルジスルフィドが含まれています。
含有量はネギや玉ねぎなどに比べると少ないので大量に与えない限り心配ないといえますが、手作りご飯に取り入れて定期的に与えたりするのはやめた方がよいでしょう。
アレルギー
どんな食べ物でもアレルギーの可能性は少なからずあるので注意しましょう。
犬猫のアレルギー反応は人間のアナフィラキシーショックのような大きな反応は滅多になく、皮膚の赤みやかゆみなどの場合が多いです。
症状に気づかず与え続けるのは大変危険なので初めて与える場合は少量に抑えて食べた後の様子をよく観察してあげましょう。
皮膚や口周りの赤み・腫れなどが見られた場合はそれ以上与えるのをやめ、症状が悪化する場合は獣医に相談しましょう。
カリフラワーに含まれる栄養素
カリフラワーに含まれる栄養素をブロッコリーと比較してご紹介します。
ブロッコリー 花序 生 / カリフラワー 花序 生 可食部100gあたり
ブロッコリー | カリフラワー | |
---|---|---|
エネルギー | 37kcal | 28kcal |
たんぱく質 | 3.8g | 2.1g |
炭水化物 | 2.3g | 3.2g |
脂質 | 0.3g | 0.1g |
食物繊維総量 | 5.1g | 2.9g |
ビタミンC | 140mg | 81mg |
ビタミンK | 210μg | 17μg |
葉酸 | 220μg | 94μg |
カリウム | 460mg | 410mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
上記の比較表を見てみると全体的に栄養はブロッコリーの方が高くカリフラワーは劣っているように見えます。
しかしむしろ含有量が少ないことによって犬猫にとってはメリットになる栄養素もあります。
食物繊維
食物繊維の含有量はブロッコリーが100gあたり5.1g、カリフラワーは100gあたり2.9gとブロッコリーに軍配が上がります。
しかし犬猫は食物繊維を摂取しすぎてしまうと消化不良を起こし下痢や嘔吐などの症状が現れることがあります。
かつて食物繊維は草食動物ではない犬猫には不要と考えられていましたが、近年では大腸の健康に効果的であることがわかりペットフードに含まれていることもあります。
愛犬愛猫がお腹を壊してしまわないように与える量には注意しましょう。
カリウム
カリウムは体内で塩分を調整することで体液の浸透圧を調整し、細胞機能を維持させることが主な役割です。
カリウムは水溶性なので必要ない分は尿とともに体外へ排出されます。
このため基本的に過剰摂取の心配はありませんが、腎機能が低下している犬猫は注意する必要があります。
腎機能が低下し、カリウムを上手く排出できなくなると血中のカリウムの濃度が上がり「高カリウム血症」という病気になる可能性があります。
高カリウム血症は筋力低下・不整脈などを引き起こし、最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。
犬猫(特に猫)は腎不全を患いやすいといわれているので注意しましょう。
犬や猫に与えるカリフラワーのレシピ
カリフラワーライスのチャーハン風
材料
(1食分ではないので量は調節してあげてください)
カリフラワーライス(冷凍) ・・・ 35g
たまご ・・・ 1/2個
小松菜 ・・・ 10g
すりごま ・・・ 少々
①たまごをよく混ぜ、凍ったままのカリフラワーライスと合わせておく
②小松菜は細かく刻んでおく
③チャーハンを作る容量で熱したフライパンに①→②の順で入れて炒める
④炒めたものにすりごまを散らして完成
冷凍のカリフラワーライスを使用したメニューです。
カリフラワーライスは最初から細かく、お手軽に使えるので犬猫の手作りご飯におすすめです。
【まとめ】犬猫はカリフラワーを食べても大丈夫
犬猫はカリフラワーを食べても大丈夫ですが以下の点には注意しましょう。
- 生で食べても大丈夫ですが茹でて柔らかくしてあげた方が食べやすくなる
- 甲状腺の機能が低下している犬猫は食べない方がいい
- 食べ過ぎやアレルギーには注意
今回はカリフラワーについて紹介しました。
カリフラワーは手作りご飯を作ってあげる上で取り入れやすい食材です。
ぜひカリフラワーを使った手作りレシピを考えてみてくださいね。