犬猫はうずらの卵を食べても大丈夫
お蕎麦や、八宝菜などでたまに食べると美味しい「うずらの卵」。
鶏卵より黄身が濃厚で、サイズも小ぶりなのに栄養価にも優れているので、ダイエット中のおやつとして一部で注目を集めているようです。
そんな「うずらの卵」は犬猫にも食べさせることができます。
本記事では
- うずらの卵の殻を犬猫が食べてしまったけど大丈夫?
- うずらの卵と鶏卵の比較
- 犬猫にうずらの卵を食べさせるメリット・注意点
などの内容についてお話していきます。
うずらの肉は食べられる?
入手できる機会は少ないと思いますが、うずらの肉も犬猫に食べさせることができます。
鶏肉よりたんぱく質に優れ、鉄分も豊富です。
一部のメーカーからはうずらの肉を使ったペットフードも販売されています。
殻ごと食べたけど大丈夫?
殻自体は栄養があり犬猫も消化出来ますが、以下のようなことが考えられ大丈夫とは言い切れません。
- ゆでたうずらの卵を丸飲みした場合:胃や腸で卵が詰まり、腸閉塞になってしまう可能性
- 生のうずらの卵を丸飲みした場合:割れるので詰まる可能性は低くなるが、菌やビオチンによる健康被害の可能性
丸飲みでなかったとしても、砕いた殻が体内で刺さったり、殻に大腸菌などが付着している可能性があったりと懸念点が多くあります。
殻や生卵の誤食が起きた場合は動物病院へ連絡を取り、指示を仰ぎましょう。
生で食べる危険性や殻を与えることについては、このあと詳しくお話します。
犬猫にうずらの卵を食べさせるメリット
うずらの卵と鶏卵の主な栄養成分の比較
うずらの卵(100gあたり) | 鶏卵(100gあたり) | うずらの卵1個(約13g) | 鶏卵Mサイズ1個(約50g) | |
---|---|---|---|---|
エネルギー | 157kcal | 142kcal | 20kcal | 71kcal |
たんぱく質 | 11.4g | 11.3g | 1.5mg | 5.6mg |
鉄分 | 3.1mg | 1.5mg | 0.4mg | 0.75mg |
レチノール | 350μg | 210μg | 45μg | 105μg |
ビタミンD | 2.5μg | 3.8μg | 0.3mg | 1.9mg |
ビタミンB2 | 0.72μg | 0.37μg | 0.09μg | 0.18μg |
ビタミンB12 | 4.7μg | 1.1μg | 0.6μg | 0.5μg |
セレン | 46μg | 24μg | 6μg | 12μg |
ヨウ素 | 140μg | 33μg | 18μg | 17μg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
鶏卵との違い
鶏卵より栄養価が優れている点が多い
成分表からお分かりの通り、ビタミンD以外の栄養素は鶏卵よりうずらの卵が優れています。
特にビタミンB12とヨウ素の量は多く、小さなうずらの卵1個でも鶏卵1個の含有量を上回っています。
主な栄養素の働き
うずらの卵は栄養素が非常に豊富です。
主な栄養素の健康効果を以下に簡単にまとめました。
- ビタミンB12:赤血球の働きを助け貧血予防に。細胞の増殖やたんぱく質の合成にも使われます。
- ビタミンB2:皮膚を保護し、傷の治りを早める助けをする。成長促進効果も。
- ビタミンA(レチノール):目のビタミンとも呼ばれ、目の健康維持には欠かせません。感染症を予防する効果も。
- ビタミンD:カルシウムの吸収を促進し、骨を形成します。特に犬は合成量が少ないので食べ物から補給する必要があります。
- セレン:活性酸素を分解し、体を酸化から守る効果があります。また、ガンの予防効果も。
- ヨウ素:皮膚を健やかに保ちます。コレステロールの蓄積を防ぐダイエット効果も。
犬猫にうずらの卵を食べさせる時の注意点
生で与えてはいけない
既に少し触れていますが、うずらの卵は生で与えてはいけません。これは鶏卵も同様です。
生の白身にはたんぱく質の一種「アビジン」が含まれており、ビタミンB群に属する「ビオチン」の吸収を阻害、皮膚炎や脱毛症を引き起こす恐れがあります。
アビジンは80度で加熱すれば破壊されるので、犬猫に卵類を食べさせるときは必ず加熱処理をしましょう。
黄身にはアビジンが含まれていませんが、白身と密着状態にあり完全に分離させることが難しい、生食による菌の危険があるといったリスクを考えると同様に加熱を行うべきです。
食べさせ過ぎに注意
うずらの卵は小さくて食べやすいサイズなのでおやつについ沢山あげたくなりますが、与えすぎは肥満に繋がります。
食事量・運動量・犬猫の個体差などを考慮し、適切な数だけ食べさせるようにしましょう。
アレルギー
うずらの卵は比較的アレルギーの出にくい食べ物と言われていますが、はじめて食べさせるものは食物アレルギーに注意。
まずはほんの少しから与え、様子をよく観察しましょう。
- 皮膚や目の赤身・かゆみ
- 下痢・嘔吐
- 体毛が抜ける
などの症状が現れる場合は食べさせるのをやめ、ひどい場合は動物病院へ連絡を。
腎臓病の犬猫が食べる時はよく確認を
うずらの卵にはたんぱく質が含まれています。
健康な犬猫の場合はもちろん身体に良い栄養素ですが、腎臓の弱っている犬猫の場合はたんぱく質の摂取制限が必要となります。
腎臓病の犬猫の食事は獣医師とよく相談の上、慎重に判断するように。
殻を与えるなら
既に少し触れていますがカルシウムを含んだ卵類の殻は、意外なことに犬猫が食べて消化することができます。
ただし割った時の殻をそのまま口にさせると、殻が体内で刺さったり、菌に大腸菌が付着したりとリスクが考えられます。
殻を食べさせる場合は、よく水洗いしたものをパウダー状にしてから与えると心配が少なくなります。
無理に与える必要はないので、手間や不安があるのならそのまま捨ててましょう。
犬猫にうずらの卵を与える時の適量
おやつとしてうずらの卵を食べさせる場合、普段食べているフード量の10%程度が目安となります。
例えば、1日のフード量が130gの場合、与えられるおやつの量は13g。うずらの卵おおよそ1個分です。
調理の基本。うずらのゆで卵の作り方。
まずはゆで卵を作り、それをそのままおやつに与えたり、普段のフードにトッピングしたりして食べさせてあげましょう。
作り方
- うずらの卵を鍋に入れ、ひたひたになる程度に水を入れます
- 一度沸騰させてから弱火にし3分半ほどゆで、その後火を止めたまま2分ほど置きます
- 卵を鍋から取り出し1度冷まし、お尻のほうを叩きつけ皮を剥けば完成
犬猫に食べさせる場合は完熟にしましょう。
丸飲みすると詰まらせてしまうこともあるので、切り分けると食べやすくなります。
市販の水煮はあげても大丈夫?
市販されている「うずらの卵の水煮」も犬猫に食べさせることができます。ただし、塩が使われているものには注意が必要です。
塩分量は多くありませんが、一個あたりの塩分量をキチンと計算し、他のフードと合わせ1日の塩分摂取量目安を超えてしまわないように。
【まとめ】犬猫はうずらの卵を食べても大丈夫!
犬猫はうずらの卵を食べても大丈夫です。
小さいながらも、栄養豊富と言われる鶏卵より優れている面の多い食材です。特にビタミンB12とヨウ素の量は圧倒的。
- 生で食べさせてはいけない
- 食べさせ過ぎに気を付ける
- アレルギーを考慮しはじめは少量から
- 腎臓病などでたんぱく質制限をしている場合は摂取量の確認を
といった注意点があります。
殻や、卵まるごとの誤食はリスクがあるので避けるように。
ゆでるだけで食べさせることができる「うずらの卵」。
ぜひ手作りフードの材料やおやつとして、愛犬愛猫に食べさせてあげてください。