小さな丸い見た目が特徴のキンカン。
みかんやレモンと同じ柑橘類ですが、その中では珍しく皮ごと食べる果物です。
そんなキンカンは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫はキンカンを食べてはいけない！
犬や猫にキンカンを与えてはいけません。
キンカンをはじめとする柑橘類の果物の皮には犬猫にとって危険な成分が含まれています。
キンカンに含まれるリモネンの危険性
リモネンとは？
キンカンをはじめとする柑橘類の果物の皮には「リモネン」という成分が含まれています。
リモネンは柑橘類の甘酸っぱい香りの元となっている成分です。
リモネンの効果
リモネンは人間にとって体に良い成分とされており、以下のような効果があります。
- リラックス効果
- 免疫力アップ
- 血行促進
- 抜け毛予防
- 食欲増進
- 覚醒効果
猫はリモネン中毒に注意
様々なメリットがあるリモネンですが、人間はリモネンを肝臓で代謝できるのに対して猫はその酵素を持っておらずリモネンを分解することができません。
そのため猫がリモネンを摂取するとリモネン中毒になり、四肢の震えや皮膚炎などの症状が現れる可能性があります。
リモネン中毒は最悪の場合昏睡状態から死に至る可能性もある恐ろしい病気です。
犬は大丈夫？
一般的にはリモネンは犬にとっては無害と言われていますが、具体的な量は判明していないものの多量に摂取すると危険とも言われています。
また、柑橘類の果物の皮には「ソラレン」というメラニン色素を生成する美容の大敵と呼ばれている成分が含まれています。
ソラレンの含有量は柑橘類の種類によって様々ですがグレープフルーツに特に多いと言われており、キンカンにもごく微量ですが含まれています。
このソラレンは犬猫が摂取することによって下痢や嘔吐などの中毒症状を引き起こす可能性があるので注意しましょう。
グレープフルーツに関しては以下の記事も参考にしてみてください。
柑橘類の皮以外に気をつけること
柑橘類の果物の皮を食べてしまうこと以外にもリモネンに対して気をつけることがあります。
リモネンにはゴムやプラスチックに対して溶解する作用や殺虫作用があるため洗剤や芳香剤に使用されることがあります。
他にもアロマオイルにも使用されることがあるので猫を飼っている方は家庭での使用は避けた方が無難でしょう。
また、みかんなどを剥いた手でそのまま猫に触れてしまうと猫が毛づくろいで自分の体を舐めた際にリモネンを摂取してしまう可能性があるので注意しましょう。
植物由来成分であるリモネンは人間にとって優しい成分であると同時に猫にとっては危険な成分といえます。
皮を食べなければ大丈夫？
一般的に柑橘類の果物は皮・種・皮と実の間にある白い筋を綺麗に取り除けば犬猫には無害だと言われていますが、キンカンは皮ごと食べるのが一般的で、皮のみを食べて中の実は破棄してしまう方もいるほどです。
またキンカンの実は非常に酸っぱくて犬猫が好まない可能性が高く、種も多いため、キンカンは犬猫に食べさせるのに向いていない果物だと言えます。
犬猫がキンカンを食べないために
犬猫がキンカンを食べてしまわないためには保存方法に注意しましょう。
常温で保存する場合は犬猫の手が届かないところで保存するようにして冷蔵庫で保存する場合は犬猫が勝手に冷蔵庫を開けてしまわないようにしましょう。
また、飼い主様がキンカンを食べる際は犬猫に横取りされないように注意してください。
猫は柑橘類の匂いを好まないため食べてしまう可能性は低いとは思いますが犬の場合は食べてしまうかもしれません。
もしも食べてしまったら？
注意していても目を離した隙に犬猫がキンカンを食べてしまうこともあるかもしれません。
そういった場合にまず気をつけたいのはのどに詰めていないかと言うことです。
キンカン1粒の大きさは人間にとっては食べやすいサイズですが犬猫に取っては大きく、のどに詰めてしまう可能性もあります。
キンカンを食べてしまった直後の犬猫が苦しそうにしていたらすぐに動物病院に連絡しましょう。
また、キンカンを食べてしまった際の中毒症状は少量食べてしまった程度ではすぐに問題が起こることは考えにくいです。
しかし個体によっては少量でも体調を崩してしまうこともあるようなので異常が見られた場合はすぐに獣医師へ相談するのが良いでしょう。
【まとめ】犬猫にはキンカンを与えてはいけない
犬猫にはキンカンを与えてはいけません。NGポイントをおさらいしましょう。
- 猫にとって危険なリモネンが含まれている
- リモネンの他にもソラレンなどの危険な成分が含まれている
- 洗剤やアロマオイルなどのリモネンが含まれている製品にも注意が必要
今回は犬猫にキンカンを与える危険性を解説しました。
キンカンは皮ごと食べる果物で柑橘類の果物の皮には犬猫にとって危険な成分が含まれています。
皮や種を取り除くと犬猫に与えられないこともないですがそこまでして与えるメリットもないと言えます。
