カーネーションは犬猫にとって危険な植物!食べると下痢や嘔吐などの可能性あり

日本では母の日に贈る花として有名なカーネーション。

母の日と言えば赤いカーネーションが定番ですが、ピンク・白・黄など色とりどりの花を咲かせます。

ギザギザの切れ込みが入ったような独特な形の花びらが人気のカーネーションですが、犬猫がいる環境でも安心して育てることができるのでしょうか。

カーネーションは犬猫にとって危険な植物!

実はカーネーションには毒性があり、犬猫が誤って食べてしまうと悪い影響を与える可能性があります。

今回はカーネーションに含まれる毒の成分・症状・食べてしまったときの対処法などについて解説していきたいと思います。

スイセンの基本情報

学名

Dianthus caryophyllus

科・属

ナデシコ科・ナデシコ属

原産地

南ヨーロッパ・西アジア地中海沿岸地域

開花時期

4月~6月

別名

オランダナデシコ・ジャコウナデシコ・オランダセキチク

花言葉(色によって違う)


母への愛・純粋な愛・真実の愛

ピンク
感謝・気品・温かい心・美しい仕草


私の愛情は生きている・尊敬


友情・美

カーネーションに含まれる毒性成分

カーネーションにはサポニン」と呼ばれる成分が含まれています。

人間に対しては良い成分

サポニンは人間に対しては良い成分と言われており、摂取することによって以下のような効果があります。

抗酸化作用
血液中の脂肪やコレステロールが酸化されるのを防ぐことによって、悪玉コレステロールの発生を抑制する効果があります。
動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞などの病気の予防になります。

免疫力向上
サポニンは「ナチュラルキラー細胞」という免疫機能を持った細胞の働きを活性化させます。
ナチュラルキラー細胞は、常に体内を循環して細菌やウイルスを発見次第攻撃します。
風邪やインフルエンザ予防になり、最近ではがん予防にも効果があると注目されています。

肥満予防
ブドウ糖と脂肪酸が結合するのを防ぎ、余分な脂肪が体内に蓄積されるのを防ぐ効果があります。
また、血糖値を下げ、脂肪燃焼効果のあるインスリンの働きを活性化させるといった効果もあります。

血流改善
毛細血管を拡張し、全身の血流を良くする効果があります。
血栓の発生を抑えてサラサラな血液を保ちます。

肝機能向上
肝臓に蓄積されてしまう「過酸化脂質」の発生を抑えて肝機能を向上させます。
肝臓に過酸化脂質が蓄積されると、「脂肪肝」になり肝機能が低下してしまいます。

咳や痰の抑制
のどの炎症を抑える効果や、気管の分泌液の分泌を促すことによって痰を切れやすくする効果があります。

犬猫が摂取すると

人間にとっては様々な良い効果のあるサポニンですが犬猫が摂取してしまうと中毒症状を引き起こす可能性があります。

嘔吐・下痢・食欲不振などの症状が現れるようです。

重篤化することはあまりないようですが、嘔吐や下痢が続き脱水症状を起こしてしまったり、食欲不振から栄養失調になってしまう可能性もあるので注意が必要です。

触れるだけでも危険?

犬猫はカーネーションに触れるだけでも皮膚がかぶれてしまったり炎症を起こしてしまうことがあるようです。

症状は軽度なことが多いようですがアトピーなどの皮膚病を患っている犬猫は特に注意するべきと言えます。

猫は特に注意!

サポニンはカーネーションだけでなく、カーネーションと同じナデシコ科の植物に多く含まれています。

ナデシコ・セキチク・カスミソウなどが有名なナデシコ科の植物ですが、猫はなぜかナデシコ科の植物を食べようとするようです。

特にカスミソウは細くて花も小さいため食べやすいのか、よく食べてしまうことが多いようです。

犬猫がカーネーションを食べてしまわないために

カーネーションをおうちで育てる場合はベランダや玄関先などの屋外で育てることが多いため、室内飼いの場合は普通に生活していればそれほど危険ではないと言えます。

もし、何かお祝い事などで花束を貰ってその中にカーネーションがあれば犬猫が近づかないように注意して管理しましょう。

カーネーションの他にも犬猫が食べてはいけない花は多く存在しているので以下の記事も参考にしてみてください。

花の記事一覧

  • ナデシコは犬や猫にとって危険な植物。種子や葉に含まれる毒性成分サポニンに注意
  • プルメリアは犬猫にとって危険な植物。有毒部位あり。消化器系のトラブルや皮膚炎に注意
  • 犬猫はマリーゴールドを食べても大丈夫?ルテイン豊富でペットフードにも使用される植物
  • ケイトウは犬猫にとって安全な植物!緑色の「アオゲイトウ(アオビユ)」には要注意

もしも食べてしまったら

万が一犬猫がカーネーションを食べていたらすぐに止めましょう。

そして口の中に残っているか確認して、もし見える範囲にあれば取り出してあげましょう。

もし飲み込んでしまったら、少量の場合は一旦様子を見て中毒症状が起こるようであれば獣医師へ相談しましょう。

たくさん食べたことがわかっている場合や少量でも心配な場合はすぐに動物病院へ連れて行くことをおすすめします。

【まとめ】カーネーションは犬猫にとって危険な植物

カーネーションは犬猫が誤って食べてしまうと危険な植物です。成分や危険性についておさらいしましょう。

  • カーネーションには犬猫にとって毒性のある成分「サポニン」が含まれている
  • サポニンは人間に対しては抗酸化作用や免疫力向上などの良い効果があるが犬猫に対しては有毒
  • 犬猫がサポニンを摂取すると下痢や嘔吐などの症状が現れ、皮膚に触れただけでも皮膚炎の可能性がある

今回は犬猫とカーネーションについてご紹介しました。

サポニンのように人間にとっては嬉しい効果があっても犬猫には有毒となってしまう成分もあるので注意しましょう。

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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