ヒナギク(デイジー)は犬猫にとって危険な植物!有毒な成分を持つキク科の植物

春になると白やピンクの花を咲かせるヒナギク。

一重咲きと八重咲きのものがあり、一重咲きのものは同じキク科の植物であるマーガレットに似た見た目をしています。

そんなヒナギクは犬猫がいる環境でも安心して育てることができるのでしょうか。

ヒナギクには犬猫にとって有毒な成分が含まれている!

ヒナギクには菊にも含まれている有毒な成分が含まれています。

そのため、犬猫がいる環境でヒナギクを育てるのはあまりおすすめできません

もし育てる場合は注意すべきポイントがあるのでご紹介していきたいと思います。

ヒナギクの基本情報

学名

Bellis perennis

科・属

キク科・ヒナギク属

原産地

ヨーロッパ・地中海沿岸

開花時期

2月~5月

別名

デイジー・長命菊・延命菊

花言葉

※色によって異なる

  • 赤 無意識
  • 青 幸福・恵まれている
  • 白 無邪気
  • 紫 元気・健やか
  • 黄色 ありのまま
  • ピンク 希望

ヒナギクに含まれる有毒な成分

ヒナギクには「セスキテルペンラクトン」や「ピレトリン」という有毒な成分が含まれています。

これらの成分は根から花びらまで、ヒナギクの全草に含まれています。

症状

犬猫がヒナギクを食べてしまうと、下痢や嘔吐などの消化器異常を引き起こす恐れがあります。

セスキテルペンラクトンやピレトリンは触れるだけで皮膚炎を引き起こす可能性もあります。

食べてしまわなくても匂いを嗅いだりスリスリするだけで症状が現れるかもしれません。

キク科の植物は全て危険?

菊やヒナギクのように、キク科の植物の中には有毒な成分をもっているものがありますが、キク科の植物全てが危険というわけではありません。

同じキク科の植物でもひまわり・ガーベラ・ジニアなどは毒性がなく、犬猫が食べてしまっても比較的安全です。

犬猫がヒナギクを食べてしまわないために

犬猫がヒナギクを食べてしまわないためには犬猫がいる環境では育てないようにすることが一番です。

ヒナギクは水挿しにしてお部屋の中にディスプレイすることもある花ですが、お部屋の中に置くと犬猫と接触する機会が増えてしまいます

さらに花瓶などに挿しておくと犬猫がひっくり返して割れてしまうかもしれません。

そうなると犬猫が怪我をしてしまう可能性もあるため注意しましょう。

育てる場合は

犬猫がいる環境でヒナギクを育てたい場合は以下のような事に注意してください。

育てる場所

ヒナギクの別名の「デイジー」は英語の「Day’s eye(太陽の目)」が元になっているほど、日光が好きな植物なので日当たりの良い屋外が適しています。

そのため基本的に室内飼いの犬猫はヒナギクに接触する機会は少ないかと思います。

お庭に地植えしている場合などは庭遊びの際に犬猫が近づかないように注意しましょう。

夏の越し方

ヒナギクは寒さには強い植物ですが、夏の暑さには弱いという特徴があります。

そのため本来は多年草ですが、夏になると暑さにやられてダメになってしまうため一年草扱いになることが多いようです。

しかし、上手に夏越しさせてあげることによって同じ株からなんども花を咲かせることは可能です。

その場合は気温が上がり、地上部が枯れたあとに鉢植えごと屋内の涼しい場所へ移します。

地植えのまま夏越しさせるのは難しいため、地植えのヒナギクを夏越しさせたい場合は植木鉢やプランターに移しましょう。

夏の酷暑の間は風通しの良い涼しい場所で保管し、秋になり気温が落ち着いてきたら再び屋外へ戻します。

上手く夏越し出来ていれば春に綺麗な花を咲かせてくれるはずです。

ただし、ヒナギクの夏越しは手間がかかってしまうため、多くの方は種子を収穫・購入しておき、秋に再度植える方が多いようです。

もし夏越しに挑戦する場合は室内での管理の際に犬猫が土を掘り返してしまわないように注意してください。

土の中にはヒナギクの根があるだけでなく、腐葉土や肥料など犬猫が誤食してしまうと危険な物がたくさん入っています。

もしも食べてしまったら

万が一、犬猫がヒナギクを食べてしまった場合は食べた量に応じて対処法を考えましょう。

食べてしまった量が少しだけの場合は一時的な嘔吐や皮膚の赤みなどで済む場合がほとんどです。

もし症状が治まらない場合や大量に食べてしまった場合はすぐに獣医師へ相談することをおすすめします。

食べてしまったものを無理矢理吐き出させようとするのは犬猫の身体の負担になるのでやめましょう。

動物病院では適切な催吐処置などを受けることが出来ます。

【まとめ】ヒナギクには犬猫にとって有毒な成分が含まれている

ヒナギクは犬猫が誤って食べてしまうと危険な植物です。

今回紹介した成分や危険性についておさらいしましょう。

  • ヒナギクに含まれる「セスキテルペンラクトン」や「ピレトリン」を摂取すると下痢や嘔吐を発症する可能性がある
  • これらの成分は触れるだけでも皮膚炎を引き起こす可能性がある
  • もしも食べてしまった場合は食べた量に応じて獣医師へ相談することを検討する

今回は犬猫に対するヒナギクの危険性についてご紹介しました。

ヒナギクには下痢・嘔吐・皮膚炎などを引き起こす可能性のある成分が含まれています。

犬猫が誤食しないように十分注意しましょう。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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