ツバキ(椿)は犬猫にとって安全な植物?サポニンの含有や種子の誤飲による窒息に注意

ツバキはツバキ科の常緑高木で、ふっくらとバラのような艶やかな花に光沢のある葉が美しく、大変人気のある花木です。

古くは江戸時代に徳川家に好まれ、神社や寺院、武家屋敷等の庭園で多く植えられたといわれています。

ツバキは日本人に馴染み深く、長く愛され続けられている花のひとつでしょう。

ツバキの基本情報

学名:Camellia japonica
和名:ツバキ(椿)
その他の名前:ヤブツバキ、ヤマツバキ
科名 / 属名:ツバキ科 / ツバキ属(カメリア属)
開花期:11月~12月、2月~4月
花言葉:「控えめな優しさ」「控えめなすばらしさ」「誇り」

参考:ツバキの基本情報(みんなの趣味の園芸)

ツバキは犬猫にとって安全?

犬猫に対して中毒を起こす毒性成分が含まれるといわれるボタン(牡丹)にも似ていて心配されるかもしれませんが、ツバキはボタンとは別の属性の植物で犬猫に対して比較的安全だといわれています。

ただし無制限に口にしても大丈夫というわけではありません

ツバキの注意点について解説します。

参考:ASPCA

ツバキに含まれるサポニンの存在

前述の通り、ツバキは犬猫にとって比較的安心な植物であると考えられているので、花や葉を少量かじった程度で重篤な健康被害を起こすことは考えにくいでしょう。

しかし植物を多く摂取した場合、特に猫は下痢や嘔吐などの不調を起こすことがあり、それはツバキも例外ではありません。

またツバキは犬猫に対して有害ではないという情報が多くある一方で、サポニンの含有がある事が研究報告がされています。

サポニンは人間にとって肥満予防や血流改善などの健康効果が知られ有効成分であるという認識がありますが、犬猫にとっては危険な成分だといわれています。

犬猫が過剰に摂取すると、下痢や嘔吐を引き起こすほか、最悪の場合には心臓麻痺を引き起こしてしまう可能性があるともいわれています。

これらのことから、犬猫が花や葉を過剰に食べてしまう事や、特にサポニンの含有が多い種子の誤食には十分に注意した方がいいでしょう。

参考:ツバキ油粕サポニンの特性を活用した用途の探索

参考:ツバキ葉のサポニン分析法開発およびエラジタンニン代謝に関する研究

種子の誤飲による窒息や腸閉塞の危険

ツバキの種はコロンとした2㎝前後の大きさで、犬であれば簡単に飲み込めるサイズでしょう。

猫の場合も口に入れやすいサイズで、噛めばもちろん、種のサイズによっては丸飲みしてしまう可能性もあります。

上記で解説したサポニンの含有による健康被害の懸念もありますが、誤飲による窒息や腸閉塞の危険もあります

2㎝前後のサイズ感や、コロコロとした形状は好奇心旺盛な犬猫の興味をそそり、おもちゃにした勢いで飲み込んでしまう事が十分に考えられます。

自宅の庭や鉢植えで育てている場合には実や種を放置しない事、実が生ったら取り除いておくのも誤食の予防策となるでしょう。

まとめ

ツバキは犬猫に対して強い中毒症状を引き起こすような毒性成分は含まれていないので、花や葉を少量かじった程度で慌てる必要はないでしょう。

しかし花や葉、特に種子にはサポニンが多く含まれているといわれているので、無制限に食べても大丈夫とは言い難い植物です。

硬い種子の誤飲による窒息や腸閉塞の危険を考えると、鉢植えを室内に置くことや、犬猫の行動範囲に植えたツバキの実や種を放置しないように注意しましょう。

ツバキは街路樹や公園などでも多く見かけます。

犬の散歩コースに種が落ちていることもあるかもしれませんので、誤食してしまわないように注意することも大事でしょう。

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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