桜は犬猫にとって有毒な植物?花びらに有毒な成分は含まれてないが葉や実には要注意!

春の訪れを感じさせる桜。全国各地に名所があり、日本を代表する花の一つです。

春になったら犬猫と一緒にお花見を楽しみたい方もいるかと思います。

はたして桜は犬猫にとって安全な植物なのでしょうか。

花びらは大丈夫だが・・・

桜の花びらには犬猫にとって有毒な成分が含まれていないため、食べてしまっても重篤化することは考えにくいです。

しかし、葉や果肉には危険な成分が含まれているため注意しましょう。

今回は桜の葉や果肉に含まれている危険な成分や、犬猫と一緒にお花見をする際の注意点などについてご紹介します。

桜の基本情報

学名

Cerasus

科・属

バラ科・サクラ属

原産地

ヒマラヤ

開花時期

3月~4月

別名

夢見草(ユメミグサ)

花言葉

精神の美・優美な女性・純血

桜に含まれている危険な成分

桜の葉や果肉には「アミグダリン」や「クマリン」などの成分が含まれています。

アミグダリン

アミグダリンはさくらんぼ・桃・すもも・びわなどの種子や未熟な果肉にも含まれている成分です。

アミグダリン自体に毒性はありませんが、体内でβ-グルコシダーゼという酵素によって分解されるとシアン化水素という有毒な成分を発生させます。

シアン化水素は猛毒として知られている「青酸カリ」の成分で、非常に強力な毒性を持っています。

体内でシアン化水素が発生すると、細胞内のミトコンドリアという小器官の働きを阻害し、細胞の呼吸の邪魔をします。

そうなると身体が酸素不足になり、嘔吐・運動障害・痙攣などの症状が現れ、最悪の場合死に至る可能性もあります。

クマリン

クマリンは様々な植物に含まれている天然香料成分で、桜の香りの元となっている成分です。

桜餅には桜の葉の塩漬けが巻かれていますが、桜餅の独特な香りはあの葉に含まれるクマリンによって香るものです。

そんなクマリンは犬猫がたくさん摂取すると肝障害や腫瘍の形成が起こってしまう可能性があります。

しかし、桜からのクマリンによる影響はよっぽどたくさん食べないと起こらないと言われています。

少し食べてしまった程度では重篤化することは考えにくいと言えそうです。

お花見・お散歩時の注意点

犬猫と一緒にお花見をする際や、桜のシーズンの犬のお散歩時の注意点などについてご紹介します。

春のお散歩時の注意点

桜のシーズンには、お散歩コースやよく遊びに行く公園などに桜が咲いていることもあるかと思います。

散っている桜が気になって食べようとすることもあるかと思いますが、できるだけ食べさせないようにしましょう。

花びらは無毒で一つ一つが小さく柔らかいため、食べてしまっても問題ないと言えますが桜の葉や実が落ちている可能性もあります。

桜の実はさくらんぼのような形をしていますが果肉の部分がとても小さく、食べても美味しくないため鳥でも食べないと言われています。

そのため食べてしまってもすぐに吐き出す可能性もありますが、誤食してしまうと危険なので食べてしまわないようによく注意するようにしましょう。

お花見時の注意点

犬猫と一緒にお花見をする際は、しっかりリードでつないでおくようにしましょう。

慣れない場所に興奮した犬猫がどこかに行ってしまうかもしれませんし、他の方がいる場所では迷惑をかけてしまう可能性もあります。

おとなしく出来ない・人間用の食べ物や地面の桜を食べようとしてしまうなどといった場合は、残念ですがペットキャリーやペットカートの中から一緒に楽しみましょう。

その他の犬猫と桜の関係

イヌザクラ

桜の品種の中には「イヌザクラ」というものがあります。

漢字では「犬桜」と表記しますが、元々の語源は犬ではなく「否(いな)」からきています。

桜の仲間ですが普通の桜のように華やかに開花しないところから、昔の言葉で否定を表す「否(いな)桜」と呼ばれ、それが訛って「イヌザクラ」と呼ばれているそうです。

さくらねこ

「さくらねこ」とは公益財団法人の「どうぶつ基金」が行っている動物愛護事業の一つです。

野良猫による被害・苦情や殺処分件数を減らすために野良猫を一時的に捕獲し、不妊手術を行います。

不妊手術を行った猫はその証として耳を桜の花びらのような形にカットして野生に返します。

最近では街中でさくらねこを見かける機会も多くなりました。

皆様も見かけたら一代限りの命を全うしている猫を優しく見守ってあげてください。

【まとめ】桜の花びらは無害!

桜の花びらには犬猫にとって有毒な成分は含まれていませんがその他の部位には有毒な成分が含まれています。

今回ご紹介したポイントや注意点をおさらいしましょう。

  • 桜の花びら以外の部位には「アミグダリン」や「クマリン」などの有毒な成分が含まれている
  • 中でも特にアミグダリンは命に関わる可能性もある成分のため葉や実には十分注意する
  • 一緒にお花見をする場合は最低限のマナーを守って楽しむようにする

今回は犬猫を飼っている環境での桜についてご紹介しました。

桜の花びらは無害とはいえ食べる必要のないものなので極力食べないようにしましょう。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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