イタドリについて
イタドリとは、タデ科ソバカズラ属の複数年にわたって生存する多年生植物で、4月から5月に旬を迎える古くから親しまれている山菜のひとつです。
可食部分は、新芽や若い茎、葉のやわらかくなっている部分で、茹でたり塩漬けにしたり様々な調理方法がありますが、生でも食べることができ、かつては子供達がイタドリの外皮をむいて独特の酸味を楽しんだそうです。
この記事では、犬や猫がイタドリを食べても大丈夫か、どのような特徴があるのかなど解説していきたいと思います。
犬猫にイタドリは基本的には与えない
食べる量や状態によって犬猫に与えることもできますが、健康的なリスクがあるため基本的にはイタドリを与えないほうが良いでしょう。
どのようなを症状を引き起こす可能性があるのか、注意点を解説していきます。
シュウ酸が結石の原因となる
生のイタドリの成分の中には「シュウ酸」が多く含まれています。
この「シュウ酸」は、イタドリの酸味を強く感じさせてくれる成分となっていますが、結石を作りやすい成分でもあります。
人間の場合でもイタドリを生で大量に食べてしまうと「シュウ酸カルシウム結石」が起こる可能性が高いですが、犬や猫も同様にイタドリを食べると「シュウ酸カルシウム結石」になる可能性があります。
とくに生のイタドリは犬猫に与えないようにしましょう。
結石とは?
結石とは、犬や猫の腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかにミネラル成分が結晶化した石のようなものができてしまう病気で、砂粒ほどの小さいものから、数cmのもの、大きいものと、大きさは様々です。
尿道に結石がつまってしまうと排尿できなくなり、おしっこが出ない状況が続くと命の危険にかかわる尿毒症になってしまいます。
犬や猫の結石は、療法食を使用することで溶かすことができる可能性のある「ストルバイト結石」と、基本的に手術が必要になる「シュウ酸カルシウム結石」の2種類があります。
- ストルバイト結石 若い犬猫にかかることが多い結石です。尿がアルカリ性に傾くとできやすいものとなっています。
- シュウ酸カルシウム結石 中~高齢の猫にかかることが多い結石です。尿の中にマグネシウム、リン、カルシウム分のミネラルの成分が増えたり尿のPHバランスが崩れることで結石ができやすくなります。
シュウ酸カルシウム結石になった場合
イタドリを生で食べると出来やすい結石は「シュウ酸カルシウム結石」です。
「ストルバイト結石」と違って食事で溶かすことができない為、基本的に手術が必要となります。
犬猫がイタドリを食べて「シュウ酸カルシウム結石」となると、犬猫はおしっこをするときに苦しそうに鳴いたり、おしっこに血が混じる等の症状があらわれます。
犬猫は消化しにくい
イタドリなどの山菜は、犬猫にとって消化しにい食べ物です。
消化不良を起こすと、食欲低下・下痢や嘔吐を起こしたり危険が伴います。
犬猫にイタドリを与える方法
犬猫にイタドリを与えるメリットや必要性はありませんが、どうしても食べさせたいのであれば注意点を確認しておきましょう。
下処理をして与える
犬猫にとって危険症状のでる「シュウ酸」は調理をする際に下処理(加熱)をすることにより、活性を失わせることができます。
イタドリは加熱すれば与えることはできますが、シュウ酸をなくすには十分に加熱しなければならず「シュウ酸カルシウム結石」などのリスクを考えると与えることはおすすめしません。
刻んで与える
加熱処理をしたら消化不良のリスクを軽減するために細かく刻んであげましょう。
刻んだとしても少量に留めておくことが大切です。
イタドリの特徴的な栄養成分
トランスレスベラトロールとは
イタドリはトランスレスベラトロールというポリフェノールの1種である成分を含んでいます。
トランスレスベラトロールの効果には、私達人間が摂取すると血流改善や美肌効果などがあります。
イタドリのサプリメント
イタドリは人用のサプリメントとしても販売されています。
稀に犬猫用のサプリにも含まれていることもありますが、この場合シュウ酸の心配はないといっていいでしょう。
無理して与えずにまずはこういった製品を検討してみることをおすすめします。
【まとめ】犬猫にイタドリは基本的に与えない
- シュウ酸が含まれているので生食は絶対にNG。結石になる恐れがあります。
- 消化不良になるかもしれないので与える量には注意
- 与えるのであれば犬猫用のサプリメントがおすすめ
今回はイタドリについて紹介しました。
注意点をおさらいし危険性をよく理解した上でイタドリを与えるかどうか判断しましょう。