犬や猫はきびなごを食べても大丈夫!低脂質、高たんぱくでカルシウムも豊富

きびなごとは

きびなごは鹿児島や長崎県で漁獲量が多く、鹿児島では郷土料理に欠かせない魚として知られています。

独特な帯状の縞模様があり、鹿児島県南部の方言で帯の事を”きび”、小魚の事を”なご”と呼ぶことから、その見た目の特徴に合わせて「きびなご」と呼ばれるようになったといわれています。

きびなごは鮮度が落ちるのが非常に速いので、漁獲地以外では生鮮品として広く流通することは少ない魚ですが、冷凍したものや乾物の煮干しとして広く販売されています。

犬や猫はきびなごを食べても大丈夫!

きびなごは犬猫に対して中毒を起こすような成分は含まれていないので、食べても大丈夫な魚です。

きびなごは小さい魚で骨ごと食べられるという特徴があり、猫も骨まで食べられるのでカルシムがしっかりと摂れる食材として好まれています。

きびなごに含まれる代表的な栄養素

きびなご 生 可食部100gあたり

栄養素含有量
エネルギー85kcal
たんぱく質18.8 g
脂質1.4g
炭水化物0.1mg
カルシウム100mg

きびなごは低脂質高たんぱく質

きびなごは比較的低脂質であり、たんぱく質もしっかりと含まれている魚です。

下記の表ではスーパーで通年手に入りやすい魚と脂質量およびたんぱく質量を比べてみました。

脂質量(可食部100g当たり)たんぱく質量(可食部100g当たり)
きびなご/生1.4g18.8g
まいわし/生
9.2g19.2g
まあじ/生4.5g19.7g
かつお/生春獲り(秋獲り)0.5g(6.2g)25.8g(25.0g)
みなみまぐろ赤身/生0.4g21.6g

まぐろの赤身やかつおは犬や猫のペットフードにもよく使われる魚であり、これぞ低脂質高たんぱくといった含有量です。

しかし、きびなごも負けず劣らずで、いわしはきびなごの7倍近い脂質であるにもかかわらずたんぱく質量はほとんど同じくらいになります。

まあじについても低脂質高たんぱくなイメージがありますが、きびなごは更に脂質が低いので、たんぱく質はしっかりと摂りつつ、脂質は控えられる魚といっていいでしょう。

カルシウム

きびなごはカルシウムが豊富な魚です。

カルシウムは体を支える骨格の強化に活躍する働きがあり、骨や歯の構成に必要不可欠な栄養素です

ほかにも筋肉が正常に収縮するのを保つ、神経を安定させる、血液を固めて止血する、ホルモンを分泌させる、細胞分裂を促す、胃液の分泌を調整する、鉄の代謝を補助するなど実に多様な働きをします。

EPA・DHA

きびなごは低脂質な食材ですが、魚に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸が摂取できます。

n-3系多価不飽和脂肪酸で有名なのはDHAやDPAで、これらは動物の脳神経の機能を高め、成長や発達に欠かせない栄養素です。

きびなごを与える際の注意点

生の状態のきびなごは与えないようにする

きびなごは鮮度が落ちやすいので、そもそも刺身といった生の状態で食べられる機会が漁獲地以外では少ない魚です。

鮮度が保たれた状態でも、生のきびなごにはチアミナーゼが含まれているので、摂取量によってはチアミナーゼがビタミンB1を分解し、運動失調や虚弱などの症状が出るビタミンB1欠乏症を引き起こすことがあります。

少量であれば重篤な症状を引き起こすことはないかもしれませんが、健康被害の可能性がある以上は当サイトとしては犬や猫に生の状態のきびなごを与えても大丈夫とは考えません。

調味料は不要!塩分の摂りすぎに注意

きびなごを与えたい場合、人間用に作った塩焼きや丸干し、煮つけ、油を多く使った揚げ物などは与えないようにしましょう。

調味料を使わず素焼きしたものや茹でたものを用意してあげれば、魚の旨味を感じて喜んで食べてくれるでしょう。

また、煮干しに加工されたきびなごを用意する場合にはパッケージに記載されている原材料を確認し、塩などの調味料を使用していないものや犬猫用に販売されている物を選ぶ事も大切です。

無塩やペット用の煮干しであっても海水の塩分が付いていることもあるので、サッとお湯にくぐらせて少しでも塩抜きをしてあげるとより不要な塩分を落とせます。

骨が喉に刺さる可能性

きびなごは成魚でも10㎝程度と小さい魚です。頭も骨も柔らかいので、唐揚げや丸干しなど頭も骨もそのまま食べる料理が多くあります。

きびなごは煮干しとしても販売されており、丸ごと食べられるように犬猫用のきびなごの煮干しも販売されています。

基本的には犬や猫も頭や骨ごと食べても大丈夫であると考えられますが、犬猫はあまり咀嚼をせずに飲み込んでしまうため、喉に骨が刺さってしまう可能性はゼロではありません。

頭や骨ごと食べた方がカルシウムが多く摂取できますが、頭や骨を取り除くと万が一を避けられます。

丸ごと与えたい場合は包丁で細かく叩くことやブレンダーなどで細かく砕いたものを与えるなどのひと手間を加えてあげてもいいでしょう。

まとめ

きびなごはカルシウムが豊富で低脂質高たんぱくな魚で、犬猫が食べても大丈夫な魚です。

頭や骨も丸ごと食べられる魚ではありますが、骨が喉に刺さるのが心配であれば、包丁を使わずに簡単に手開きで骨を取り除くことができます

鹿児島県漁業協同組合連合会のHPできびなごの手開きの方法が掲載されているので参考にしてみてください。

漁獲地以外で生鮮品のきびなごは滅多にお目にかかれませんが、調理しやすく柔らかい身の小魚は犬猫も食べやすいので手作りごはんに活用してみるのもいいですね。

参考:食品データベース(文部科学省)

参考:海産魚におけるチアミナーゼの分布

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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