タマスダレは犬猫にとって危険な植物。全草に毒が含まれ人間でも中毒の報告あり

タマスダレとは

タマスダレは夏から秋にかけて開花する常緑樹の球根植物です。

タマスダレは耐寒性もあり、育てやすい事から人気のある観葉植物で、細長い葉と、上を向いた白い花びらが一斉に咲く姿が美しく、花壇や芝生の縁取りなどに好まれています。

このタマスダレは人間においても誤食による中毒事件報告がある植物であり、犬や猫にとっても危険な植物なので注意が必要です。

タマスダレの基本情報

学名:Zephyranthes
別名・流通名:ゼフィランサス、レインリリー
科名 / 属名:ヒガンバナ科 / タマスダレ属
花言葉:「純白な愛」「期待」

タマスダレに含まれる主な毒性成分

タマスダレには葉、花、茎、球根に至る全草にアルカロイドの「リコリン」という毒性成分が含まれています。

これはヒガンバナ科の植物に含まれる毒性成分であり、タマスダレの他にも同じヒガンバナ科のヒガンバナ、スイセン、スノーフレークなども誤食がないように十分に注意しましょう。

タマスダレの誤食によって起こる中毒症状例

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 腹痛
  • 流涎
  • 血圧低下
  • 中枢神経麻痺
  • 心不全

ヒガンバナ科の植物は球根が特に毒性が強いといわれています。ただし、全草に毒性成分が含まれているため、葉や花の誤食でも中毒症状が起こります。

犬猫にとって大変危険な毒性成分なので、少量の摂取であっても個体差によっては重篤な症状を引き起こす可能性は十分にあります。

一般的な症状は下痢や嘔吐などの消化器系の症状ですが、重篤な場合には痙攣や歩行困難などの神経症状、最悪の場合死に至る事もあります。

花瓶に生けた水でも中毒に!?

草丈が短い植物なので、切り花として楽しまれる方はあまりいないかもしれませんが、花を花瓶に生ける際に切り口から出る液にはシュウ酸カルシウムが多く含まれています。

また上記でも解説したように命の危険も考えられる毒性成分が花瓶の水に含まれている可能性が高くありますので、生けた水の誤飲がないようにしなければいけません。

小さなお子様やペットが居る環境下に鉢植えだけではなく切り花で飾る事も避けるようにしましょう。

犬猫がタマスダレを食べてしまった場合

犬や猫がタマスダレをかじったり食べてしまった場合、冷静に状況を確認しましょう。

タマスダレのどの部分をどの程度食べてしまったのか確認し、犬や猫に中毒症状が起きていないかを注意深く観察しましょう。

下痢や嘔吐、行動に異常がみられる場合にはできる限り速やかに動物病院に連絡し診察を受けましょう。

中毒症状が現れるのには個体差によって時間が違います。食べた直後に何も中毒症状が起きなくても時間の経過とともに重篤な症状を起こす可能性があります。

自己判断での経過観察は危険な場合があるので、中毒症状が出ていなくても引き続き注意観察は怠らず、少しでも不安があれば早めに動物病院で受診することをおすすめします。

特に球根は最も毒性が強いと考えられていますので、球根の誤食であれば症状の有無に関わらずすぐに動物病院へ相談しましょう。

まとめ

タマスダレはヒガンバナ科の植物で全草に毒が含まれているので犬や猫にとって危険な植物です。

犬や猫は好奇心旺盛なので、揺れる葉っぱや花に興味を持ちおもちゃにすることや、土があれば掘り返すなどして植物を口にしてしまう事があります。

毒性成分を含む植物は犬や猫が触れられる場所に置かないようにし、散歩中など屋外でも近づけないように注意してあげましょう。

参考:ゼフィランサスの基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)

参考:自然毒のリスクプロファイル:高等植物:タマスダレ

参考:ASPCA

スギさん

スギさんマッサンのペットフードの学校

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株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。8年間の学びを生かしてペットレシピにも執筆しています。

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