ミフクラギと(オキナワジョウチクトウ)は
ミフクラギはオキナワキョウチクトウの名でも知られる、キョウチクトウ科の常緑の高木です。
その独特の葉は光沢があり、楕円形をしていて、硬い質感が特徴です。花を咲かせ、球形の果実ができます。
この木は耐塩性があり、海岸の砂地でもよく育つため、沖縄では海岸線の保護や防風林として一般的な植物です。
ミフクラギという名は、乳液が目に入ると目が腫れるため「目脹ら木」と呼ばれたことが由来となっています。
このような名からわかるように、ミフクラギには強い毒性成分が含まれているため、犬や猫にとって大変危険な植物であることが知られています。
ミフクラギの基本情報
学名:Cerbera manghas L.
別名:サーベル, ポンポン, オキナワキョウチクトウ
科名 :キョウチクトウ科
花言葉:「用心」「注意」「危険な愛」「危険」
ミフクラギの主な毒性成分
ミフクラギの有毒部位は全株で、特に種子は猛毒であるといわれています。
主な毒性成分は「ケルベリン」などのアルカロイドであり、ミフクラギの種子の摂取による死亡例も報告されています。
ミフクラギによる中毒症状例
- 嘔吐
- めまい
- 腹痛
- 眠気、不安等の神経症状
- 心拍異常
ミフクラギに含まれる毒性成分は非常に強く、人の死亡例もあるほどなので犬や猫にとっては少量の誤食でも命の危険があると考えた方がいいでしょう。
また、ミフクラギの未熟果や葉の傷などに触れた手にはミフクラギの乳液が付着する可能性があります。
その手で目をこすると腫れてしまったり、酷い場合には失明も考えられるとの情報もあるので、誤食だけではなく接触にも十分に注意が必要です。
毒流し漁や殺鼠剤に使われたミフクラギ
かつては、水中の魚を気絶や死亡させて漁獲する毒流し漁に、ミフクラギの種子の毒を用いていたといわれています。
現在は、調査研究のために農林水産省大臣の許可を得た場合を除いて、水産資源保護法第6条によって禁止されています。
また、ネズミの駆除に使用される殺鼠剤にもしようされていたようで、その毒性の強さが伺えます。
落ちた実や葉の誤食がないように近づけないようにしましょう
ミフクラギの実は赤く熟し、一見マンゴーと間違えるような見た目をしています。
この実は熟して落ち、木の下に転がっていることもありますので、犬や猫でも簡単に摂取できてしまう状況になってしまいます。
また、実や葉を乾燥させたドライフラワーやアレンジメントの花材として販売されているので、室内で飾られたものを誤食してしまう状況も考えられます。
植物を使用した室内飾りにミフクラギのような毒性の強いものが使用されることがありますので、万が一を考えて、犬や猫、また小さいお子様の手が届くところには飾らないようにしましょう。
まとめ
ミフクラギは、沖縄などの海岸や防風林でみられるキョウチクトウ科の常緑高木で、強い毒性を持つ植物です。
沖縄以外でも、葉や実を乾燥されたものが花材として販売され、室内装飾に使用されることがありますので、その危険な毒性については知識として留めておくといいでしょう。
ヒトでの中毒事例や死亡例もある植物なので、誤食や接触には十分に注意が必要です。
犬や猫が誤って摂取しないように、犬や猫が居る環境下では飾らないようにするのが一番の対策となるでしょう。
参考:身近にある有毒植物 ミフクラギ(オキナワキョウチクトウ)
参考:日本救急医学会雑誌
参考:人もペットも気をつけたい 園芸有毒植物図鑑 著者: 土橋豊