ゴールデンシャワ―は犬猫にとって危険な植物。消化器系に影響を及ぼす毒性成分に注意

ゴールデンシャワ―とは

ゴールデンシャワ―はタイの国花として愛されている美しい花木です。

鮮やかな黄色の花が房状に多数咲き、見事な景観となるため、その美しい黄金色の花が空から降り注ぐように咲くことからその名がつけられたといわれています。

熱帯・亜熱帯各地に広く栽培されるゴールデンシャワーですが、日本では九州南部以南で越冬可能なので、地域によっては戸外に植栽し楽しまれています。

このゴールデンシャワ―は毒性成分を含むため、犬や猫にとっては危険な植物です。

ゴールデンシャワ―の基本情報

学名: Cassia fistula
和名:ナンバンサイカチ / ゴールデンシャワー
科名 / 属名:マメ科 / カッシア属
花言葉:「可憐」「印象的な瞳」

ゴールデンシャワーの主な毒性情報

ゴールデンシャワ―の有毒部位は全草であり、特に果実(サヤ)や種子には多く毒性成分が含まれています

主な毒性成分は消化器系に影響を及ぼす「アントラキノン」「センノシド」であると考えられています。

ゴールデンシャワ―による中毒症状例

  • 腹痛
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 食欲不振

ゴールデンシャワ―に含まれるアントラキノン類やセンノシド類には下剤効果があるので、誤食した場合には下痢や嘔吐と言った消化器への悪影響が目立つでしょう。

ゴールデンシャワーは古くから薬効があると期待される面を持ちますが、これはあくまで人間に対して専門家が知識を持って取り扱う場合に限ります。

犬や猫は人間よりも消化機能や解毒能力が低いため、上記で解説したような健康被害を起こしやすいでしょう。

犬や猫に対する致死量や、死亡例などの研究報告は見かけませんが、食用の植物ではない事、マメ科の植物は一般的に生で食べると健康被害を起こすことが多くありますので、犬や猫が誤食しないように十分に注意しましょう。

犬や猫がゴールデンシャワーを食べてしまったら

ゴールデンシャワ―に含まれる毒性成分は強いとは考えられていないので、ごく少量摂取してしまった程度で命の危険はあまり考えられないでしょう。

ただし、個体差や摂取量によっては深刻な症状を引き起こす可能性はありますので、犬や猫の誤食が確認できた場合には注意観察を怠らないようにしましょう。

特に果実(サヤ)や種子には毒性成分が多く含まれているので、食べてしまった植物の部位はどこなのかなどしっかりと確認し、併せて時間の経過や中毒症状の有無などを記録しておきましょう。

少しでも体調に異変があったり、不安があればできるだけ早く動物病院で受診することをお勧めします

その際に、上記のような記録があれば診察のヒントとなりますので、飼い主は冷静に記録、行動をとるようにしましょう。

まとめ

ゴールデンシャワ―は美しい花姿が人気の植物ですが、毒性成分を含む植物なので取り扱いには十分に注意が必要です。

犬や猫が居る環境下では、庭や散歩コースなどにゴールデンシャワーのような有毒植物がないか、日ごろから確認しておくといいでしょう。

また、犬や猫は好奇心旺盛でなんでもおもちゃにしてしまう場合があるので、行動を注視し、適切な食事以外のものを食べないように気をつけてあげましょう。

犬や猫の安全を守るために、行動範囲、生活環境下に危険なものがないか常に注意を払い、疑わしい、不安があるようであれば迅速に獣医師に相談するようにしましょう。

参考:人もペットも気をつけたい園芸有毒植物図鑑 土橋豊博士(農学)

参考:Cassia fistula (golden shower tree)

参考:Acute and sub-acute oral toxicity of ethanol extract of Cassia fistula fruit in male rats

スギさんマッサンのペットフードの学校

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株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。8年間の学びを生かしてペットレシピにも執筆しています。

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