犬猫に桃を与えても大丈夫?
古くから日本人に馴染みのある桃。甘くジューシーな果肉には豊富な食物繊維が含まれており、整腸作用や美肌効果などが期待できるフルーツです。「少し分けてあげてもいいのかな?」と考えたことのある飼い主さんも多いのではないでしょうか。
結論から言うと、桃は条件を守り、少量であれば食べても大きな問題になる可能性は低い果物です。ただし、与え方を誤ると危険につながる点もあり、注意が必要です。この記事では、桃を愛犬・愛猫に与える前に知っておきたい安全性と注意点について整理していきます。
桃は果肉だけを少量であれば犬猫が食べても大丈夫
桃の果肉部分については、現時点で犬や猫にとって強い毒性があると確認されている成分は報告されていません。そのため、
- 種や茎、皮をしっかり取り除く
- 与える場合は果肉だけをごく少量
といった条件を守れば、健康な犬や猫が口にしても、すぐに体調を崩す可能性は低いと考えられます。ただし、これは「安心してたくさん食べられる」という意味ではありません。あくまで「少量なら問題になりにくい」という位置づけです。
桃の種には毒性物質『アミグダリン』が含まれているので絶対に与えないでください
桃の種にはアミグダリンという成分が含まれます。
桃以外にもバラ科の果実(うめ、あんず、びわ等)の種子にも含まれており、アミグダリンは酵素によって分解されると毒性のある青酸化合物になります。種を噛み砕いてしまうと、体内で分解され、中毒症状を引き起こすおそれがあります。主な症状として下痢や嘔吐、痙攣、呼吸困難が挙げられます。
また、桃の種は硬く大きいため、誤飲すると喉や消化管に詰まる危険性もあります。種の大きさや犬猫の体格によっては、窒息や消化管閉塞につながるケースも考えられます。そのため、桃を与える場合は、必ず種を完全に取り除き、誤飲のリスクがない状態にしてから与えることが大切です。
万が一、種を飲み込んでしまったり、呼吸が苦しそう、嘔吐やぐったりする様子が見られたりした場合は、すぐに動物病院へ連絡し、獣医師の指示を仰いでください。
桃を与える場合の注意点
桃はアレルギーの特定原材料21品目のひとつ
桃はアレルギー症状を引き起こす特定原材料に準じる21品目のひとつとして挙げられています。
人と同様にアレルギーを持つ犬猫もいます。桃やバラ科の食品(うめ、あんず、びわ等)でアレルギー症状を起こしてしまう犬猫もいますので、与える際には注意が必要です。
桃だけに限らず、初めて与える食材はごく少量から始め、食後の体調には十分に注意観察をしてください。嘔吐や下痢、発疹等のアレルギー症状がみられた場合は速やかにかかりつけの動物病院へ相談しましょう。
皮は消化に悪い
桃の皮には、犬や猫にとって強い毒性があるわけではありませんが、消化しにくい部分です。そのまま与えてしまうと、胃腸に負担がかかり、下痢や嘔吐の原因になることがあります。
特に、胃腸が弱い犬や猫、子犬・子猫、高齢の犬猫では、消化不良を起こしやすくなる可能性があります。そのため、桃を与えたいと考える場合には、皮をむいて果肉だけを与える方が安心です。ひと手間かかりますが、消化への負担や体調不良を防ぐためにも、下処理をしてから与えるようにしましょう。
桃の加工品は与えないようにしましょう
桃は一年中購入できる桃の缶詰(桃缶)も親しみ深いと思います。
しかし、缶詰に加工された桃は多くの砂糖を使用したシロップが使われているので犬猫には与えないようにしましょう。
またゼリーやジュース等の桃の加工品は多数販売されていますが、これらも多量の砂糖が使用されていることが多く、犬猫に与えてしまうと肥満やそれを起因とした病気などの健康被害を及ぼすことになります。
人用に加工された食品は基本的に犬猫には与えないようにしてください。
与えすぎは肥満の原因
桃の主な成分は果糖であるフルクトースです。エネルギー源となる大事な栄養素ですが、その糖分は過剰摂取すると肥満の原因になってしまいます。
また、水分も多く食べ過ぎは下痢を引き起こす要因となります。人にとって健康に良いとされるものでも、犬猫が過剰に摂取すると逆に健康被害を及ぼす原因になってしまいますので、愛犬・愛猫の体格や体調に合わせておやつ程度の適量を与えるようにしましょう。
【まとめ】桃を与えたい場合は条件を守って少量にとどめておく
桃は、人にとっては親しみのある果物ですが、犬や猫にとって必須の食材というわけではありません。一方で、種を取り除いた果肉に限り、少量であれば口にしても大きな問題につながる可能性は低いと考えられます。
ただし、桃には果糖が多く含まれており、与えすぎは肥満やお腹の不調の原因になることがあります。また、種には中毒や誤飲のリスクがあるため、必ず取り除くことが前提です。
犬猫の健康を考えるうえでは、日常の食事は総合栄養食を基本とし、桃は「たまのおやつ」として、無理のない範囲で取り入れるのが安心な付き合い方と言えるでしょう。
参考:Amygdalin content in four stone fruit species at different developmental stages



