かいわれ大根とよく似た見た目のブロッコリースプラウト。
かいわれ大根より辛味が少なくサラダ菜に近いクセのない味をしているので、他の料理に組み合わせたりアレンジしたりしやすい食材です。
スーパーで売っていることも多く、栄養の豊富さからテレビなどでも注目されています。
ブロッコリースプラウトは犬猫が食べても大丈夫!
ブロッコリースプラウトは犬猫が食べられる野菜です。その栄養は犬猫にも健康をもたらすことが期待できます。
本記事では
- そもそもブロッコリースプラウトってなに?
- スルフォラファンのもたらすがん予防などの健康メリット
- 犬猫にブロッコリースプラウトを与える時の注意点
などの内容についてお話していきます。
そもそもブロッコリースプラウトってなに?
発芽野菜の新芽を発芽させたものの総称をスプラウトと呼び、ブロッコリースプラウトはブロッコリーを発芽させたものを指します。
同様にかいわれ大根は大根を、もやしは大豆を発芽させたものです。
スプラウトは本来大きく成長するための栄養を内に秘めており、「天然のサプリメント」とも呼ばれています。
ブロッコリースプラウトとブロッコリーの栄養素比較
ブロッコリースプラウト生とブロッコリー生100gあたりの栄養素比較
ブロッコリースプラウト | ブロッコリー | |
---|---|---|
エネルギー | 18kcal | 37kcal |
食物繊維 | 1.8g | 5.1g |
カルシウム | 57mg | 50mg |
マグネシウム | 32mg | 29mg |
マンガン | 0.37mg | 0.28mg |
βカロテン | 1400㎍ | 900㎍ |
ビタミンC | 64mg | 140mg |
葉酸 | 74㎍ | 220㎍ |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
ブロッコリースプラウトを犬猫に食べさせるメリット
スルフォラファンでがん予防
ブロッコリーには植物が外敵や紫外線から身を守るための健康に良い成分「ファイトケミカル」の一種、「スルフォラファン」が含まれています。
品種にもよりますがブロッコリースプラウトは「スルフォラファン」の含有量が通常のブロッコリーの20~50倍とも言われ、解毒作用や抗酸化作用からがん予防に効果的であるとされています。
スルフォラファンにはこれ以外にも
- エネルギー消費を増大させ、肥満を抑える
- 新陳代謝の促進
- 肝機能の改善
- 腸内環境を整える
- 老化防止・美肌効果
などの効果があると研究が進んでおり、ブロッコリスプラウトが「スーパーフード」と目される理由となっています。
その他の栄養素の健康効果
ブロッコリースプラウトはその他にも様々な栄養素を含んでいます。
主な栄養素とその健康効果を簡単にまとめます。
- ビタミンC:体内の抗がん性物質の合成を防ぎます。免疫機能を強化し、感染症を予防する効果もあります。
- βカロテン:猫は変換することができませんが、犬は体内でビタミンAに変換することができます。抗酸化作用によりがんや心臓病の予防に期待できます。
- カルシウム:骨や歯を形成し、体を支えるのに役立っています。そのほか精神安定の効果も。
- 葉酸:補酵素として体内の様々な反応に役立っているビタミンです。細胞の生成や貧血予防の働きをします。
- 食物繊維:スルフォラファンと合わせて腸内環境を整え、便秘改善などに役立ちます。
ブロッコリースプラウトを犬猫に食べさせる注意点
与えすぎない
スルフォラファンは様々な健康効果をもたらしてくれますが辛味成分の一種でもあるため、与えすぎは犬猫の胃や腸に刺激を与え下痢や嘔吐といった症状をもたらす可能性があります。
愛犬愛猫に食べさせる時は少量を数日おきに与えると良いでしょう。
なるべく生で食べさせる。辛味を嫌がるなら無理に与えない
スルフォラファンをはじめブロッコリースプラウトの栄養は生で食べると最も効率よく摂取できます。
生で食べる場合は多少の辛さがあるので、もし犬猫が辛みを嫌がるようであれば無理に食べさせないようにしましょう。
加熱すると辛みを抑えることができますが、スルフォラファンを生成するのに必要な「ミロシナーゼ」という酵素が壊れてしまうため吸収効率が落ちてしまいます。
甲状腺疾患のある犬猫には食べさせない
ブロッコリーのようなアブラナ科の野菜には「ゴイトロゲン」という成分が含まれており、甲状腺ホルモンを作るのに必要な「ヨウ素」の吸収を妨げてしまいます。
健康な犬猫であれば大きな心配をしなくても大丈夫ですが、甲状腺に疾患のある犬猫には注意が必要です。
アレルギーに気を付ける
ブロッコリースプラウトがアレルギー面で特に危険という訳ではないのですが、初めての食べ物を食べさせる時はアレルギーに注意しましょう。
まずはほんの少量から与え、愛犬愛猫の様子をよく観察しましょう。
以下のような症状が現れる場合はアレルギーの可能性があるので、ただちに食べさせるのをやめましょう。
- 下痢・嘔吐
- 目や皮膚の赤み・かゆみ
- 体毛は抜ける
ひどい場合は動物病院へ連絡し相談しましょう。
犬猫へのブロッコリースプラウトの与え方
生のものを数ミリ程度に細かくきざみ、愛犬愛猫の体格や状況に合わせたごく少量を与えるようにしましょう。
大まかに切ったものをそのまま与えてしまうと犬猫には食べづらく、消化不良を起こしてしまう可能性もあります。
また細かくきざむことで酵素の反応が進みスルフォラファンの吸収効率もよくなります。
【まとめ】
犬猫はブロッコリースプラウトを食べても大丈夫です!
最も注目すべきはファイトケミカルの一種「スルフォラファン」です。
品種の差はありますが通常のブロッコリーの20~50倍の含有量があると言われ、その解毒作用や抗酸化作用からがん予防に効果的であるとされています。
注意点はこちらの4点です。
- スルフォラファンが犬猫の胃や腸を刺激することがあるので与えすぎない。
- なるべく生で食べさせる。嫌がるなら無理に与えない。
- 甲状腺疾患のある犬猫には食べさせない。
- 食物アレルギーに気を付ける。
与える時は細かくきざみ、犬猫の体格や状況に合わせたごく少量を与えるようにしましょう。
「スーパーフード」とも言われ、がん予防に効果的なブロッコリースプラウト。
ぜひ愛犬愛猫の食事にトッピングなどで取り入れてみてください。