犬猫にバターは食べさせないで!誤食してしまった場合は?健康への影響について解説

お菓子作りや料理で活躍するバター

バターとは生乳などから作られたクリームを攪拌(かくはん)し、生じた脂肪粒を集め練り上げたものです。

クッキーやケーキなどお菓子作りや、お肉や魚料理、パスタなどにもコクと風味を与えるために使われています。

バターの脂肪酸は加熱したときに溶けて揮発することでよい香りとなり漂います。中にはこの香りを「幸せの匂い」と呼称する人も居るようです。

バター自体やバターを使った製品は犬猫も興味を持つことが多く、バターを食べさせてもいいのかな?と気になる方も多いかと思います。

犬猫はバターを少量なら食べても大丈夫

犬猫はバターを少量なら食べても大丈夫です。

バター自体に特に危険な成分は含まれておらず、口にしたから今すぐ重く危険な症状があるようなものではありません。

しかし、様々な懸念点から基本的に犬猫にバターを食べさせるべきではありません。

今回はバターを犬猫に食べさせるべきではない理由、考えられる症状、意外な活用方法などを解説していきます。

犬猫はバターが好き?

犬猫はバターを好むようです。

  • バターの匂いや味が犬猫の好みに合っている
  • バターに含まれる油を摂取しようとしている

などが犬猫がバターを好む理由として考えられています。

犬猫がバターを少し舐めてしまった

バターを少し舐めてしまった程度なら、直ちに大きな問題が起こることは考えにくいです。

ただし、様々な要因により下痢や嘔吐を引き起こす可能性がありますので誤食はしないように気をつけましょう。

バターは便秘に効く?

犬猫に食べさせても大丈夫な無塩バター。こちらを食べさせることで便秘が改善できるという話もあるようですが、実際の所は定かではありません。

便秘解消には他の食べ物を摂取させるほうが良いでしょう。

こちらの記事で詳しく解説しています。

犬猫の便秘について。病気のサイン?主な原因や予防に役立つ食材

バターを使用した食品

バタークッキーやバターロール、バタートースト、ピーナッツバターなどは犬猫が食べても大きなリスクはありません。

ただし、脂質・塩分・糖分などの高さを考えると食べさせない方がいい食べ物です。誤食には注意を。

バターの他にチョコレートやぶどうなど犬猫にとって危険な食品が入っている製品は絶対にNG。

これらが入っている場合ものを食べてしまった場合は速やかに動物病院へ連絡を取りましょう。

マーガリンは大丈夫?

バターと同様に様々な懸念点からマーガリンも犬猫には食べさせない方がいい食材です。

バターとマーガリンは似ていますが原料や製造方法などが違います。

大きくまとめると以下のような差があります。

  • バター

乳脂肪が主な原料。生乳から分離した乳脂肪を固めたもの。

  • マーガリン

植物性油脂が主な原料。食用油脂に様々な様々な成分を加え冷やして固めたもの。

バターがダメだからといってマーガリンで代用することはできませんので、どちらも与えないようにしましょう。

バターに含まれる代表的な栄養素

バター100gあたりの栄養成分表

有塩バター無塩バター
エネルギー700kcal720kcal
脂質74.5g77.0g
コレステロール210g220g
食塩相当量1.9mg0g

参考資料:八訂 食品成分表 2022

考えられる健康への影響

肥満に繋がる

栄養成分表からわかる通り、バターはカロリー、脂質、コレステロール共にとても高い食材です。

食べ過ぎは肥満の原因となります。

ほんの少し食べたから今すぐ太るという訳ではありませんが、日常的に摂取させると肥満の原因となるので注意。

犬猫の肥満がもたらす影響についてはこちらの記事をご覧ください。

犬猫の肥満について。肥満の目安や影響、予防法について解説

乳糖不耐症やアレルギーによる下痢・嘔吐などの可能性

牛乳を使ったバターには乳糖(ラクトース)が含まれています。

犬猫はこれを分解する消化酵素の分泌が非常に少なく、下痢や嘔吐を引き起こす乳糖不耐症を患ってしまうことがあります。

それ以外にも、バターが特別危険という訳ではありませんが乳製品アレルギーの可能性が考えられます。

アレルギーを発症すると、下痢や嘔吐に加え体の痒み・発疹などが起こります。

誤食をしてしまった場合はまずは様子をよく確認しましょう。こういった症状は食後すぐ現れる場合もありますし、数時間から1日後など時間をおいて現れる場合もあります。

様子をよく観察し、異常が見られた場合は動物病院へ連絡を。

塩分過多による腎臓への負担

バターを日常的に与えたり、過剰に摂取させると塩分過多となる可能性があります。

犬も猫も生きる上で多少の塩分は必要ですが、過剰な塩分は血圧を上昇させ腎臓への負担となります。

無塩バターであればこの点はクリアされると考えられますが、肥満や下痢・嘔吐の可能性は依然としてあるので積極的に食べさせるべきではありません。

バターの活用方法がある?

健康のためにもバターを犬猫に日常的に食べさせるべきではありませんが

  • 犬猫がバターを好むこと
  • ごく少量なら食べさせても問題ないこと

これらを利用した意外な活用方法があるようです。

あくまでもバターを食べることによるリスクを理解した上で、獣医師に相談する必要がありますが参考までにご紹介いたします。

投薬補助

犬猫は嫌な臭い、見慣れない、普段と違うなど、様々な理由により薬を飲むことを嫌がることがあり、好物に薬をくるんで食べさせるという方法があります。

犬猫はバターの匂いを好む傾向があるので使用される事があるようです。

ただし必ずバターを使わなければいけないわけではないので、投薬補助にはよりリスクのない食材を使うことをおすすめします。

食欲促進

病気や加齢など様々な要因で犬猫の食欲が落ちてしまうことがありますが、どうしても何か口にして欲しいときに極少量を混ぜてあげることで食欲促進を狙う活用方法もあります。

基本的には食べなくてよい食材です。自己判断はぜずにかかりつけの獣医師に相談し指示を仰ぐと良いでしょう。

【まとめ】

犬猫にバターを積極的に食べさせない方がいい!

多少なら誤って食べてしまっても大丈夫ですが、

  • 肥満に繋がる
  • 下痢や嘔吐の可能性
  • 塩分過多による腎臓への負担

などを考えると積極的に食べさせるべき食材ではありません。

投薬補助や食欲増進などで活用されるケースもありますが、基本的にはリスクの低い食材を使うことをおすすめします。

自己判断で行わず獣医師に相談しましょう。

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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