犬猫は豆腐を食べても大丈夫?ダイエットに最適!効果や注意点を解説

犬猫は豆腐を食べても大丈夫。ただし加工品には要注意。

豆腐は植物性たんぱく質や脂質など体の基礎的な栄養素のみでなく、体を調節等して健康を維持増進させる食品『機能性食品』としても注目されています。

大豆由来の様々な栄養と併せて、高たんぱく低カロリーな食材としてダイエットに役立つ面は犬猫にとっても同じ。体重管理が必要な犬猫にぜひ試してもらいたい食材です。

大きく分けて豆腐は木綿と絹ごしに分かれますが、木綿、絹ごし豆腐の両方とも与えて大丈夫です。柔らかな食感や消化の良さ、そのままでも与えられる利便性も嬉しいですね。

絹ごしと木綿の違い

絹ごし豆腐と木綿豆腐は含まれる水分量の違いにより食感や味わいが異なります。

絹ごし豆腐は豆乳とにがりを容器に入れて固めたものです。水分を多く含んでおり、なめらかな舌触りが特徴。

木綿豆腐は豆乳とにがりで固まった豆腐を布を敷いた容器に入れ、圧力を加えて水分を抜いたものです。しっかりとした食感とより濃厚な豆腐の味わいがあります。

加工品には要注意

豆腐を使った加工品には要注意です。厚揚げや油揚げなどは同じ豆腐でも加工時に油で揚げているのでその油分が犬猫にとっては健康被害を及ぼす要因となります。

また、豆腐の名前がつくものでも大豆以外で作った加工品も多く市販されています。豆腐を使った加工品として練り物の中には玉ねぎ等の犬猫にとって有害な食材が含まれる危険性もあります。必ず成分表を確認し調味料や油分、食材の確認して判断をすることも大切です。

豆腐を与えるメリット

低カロリー&整腸効果!ダイエットの味方

豆腐に含まれる豊富なたんぱく質は犬猫の体づくりをサポートするのにぴったりな食材です。

また豆腐の特徴として、柔らかくそのまま食べられるという点でお手軽にドッグフードに豆腐をトッピングできるのも嬉しいですね。豆腐は口当たりが良く消化性も良いため、シニア犬猫や食欲が低下した犬猫に対しての栄養補給としても効果的です。

また、豆腐には大豆オリゴ糖という天然のオリゴ糖が含まれています。この大豆オリゴ糖は大腸まで届いて、腸内に棲む善玉菌のエサとなり、腸内環境を正常に保つのに役立ちます。

高たんぱくで栄養価が高く低カロリー、腸内環境を整えてくれる豆腐はダイエットにも効果的。肥満予防に食事量を制限している場合でも豆腐でカサを増して満足感が得られればストレスを感じず食事制限を続けられることが期待できます。

アンチエイジング効果に期待!

豆腐にはイソフラボンやサポニンといった強い抗酸化作用が期待される成分が含まれています。

鉄が酸化して茶色く錆びたり、リンゴが酸化して茶色く変色するように人間の体も動物の体も酸化します。年齢と共に体の酸化がすすむと様々なトラブルの原因になると言われています。老化によっておこる色々な不調はこの体内の酸化が原因であるところもあります。

『抗酸化』とは、これらの元凶となる体の酸化を抑えるという作用です。人も犬も健康を保つにはエイジングケアに有効な抗酸化は欠かせません。

このような効果から、栄養バランスを考えて手作りで犬猫の食事を作るときにぜひ取り入れたい食材です。豆腐がもつアンチエイジング効果が期待できる栄養や、犬猫の健康を維持する栄養は成長期の犬猫からシニア犬猫まで幅広く様々な効果が期待できるところも豆腐の良いところです。

豆腐の栄養

たんぱく質

豆腐のたんぱく質は血液中のコレステロールを低下させ、さらにその成分の一つペプチドが血圧上昇を抑制するといわれています。

また、植物性たんぱく質は動物性たんぱく質と比較すると必須アミノ酸の含有量は少ないですが、動物性の食品と比較して脂質、エネルギー量が抑えられます。油脂を控えた上でたんぱく質を摂取できるのでダイエット時の強い味方です。

リノール酸

植物油に多く含まれている不飽和脂肪酸で、オメガ6系脂肪酸に属します。リノール酸は動物性脂肪と違い、不飽和脂肪酸としてもともとコレステロールをあまり含みません。

血管に付着するコレステロールを除去する善玉コレステロールを増やす作用があるといわれております。高血圧、コレステロールが原因となる動脈硬化を防ぎ脳出血、心筋梗塞、狭心症等の予防に効果が期待できます。

βコングリシニン

大豆β-コングリシニンが中性脂肪を低減させる性質を持つことが報告されています。血清中の中性脂肪の値が改善され、内臓脂肪を低減させる効果が期待できます。

大豆レシチン

大豆レシチンの特徴は必須脂肪酸が多く、コレステロールを含んでいません。大豆レシチンは血液中の滞在時間が長いので血管に作用する時間が長く動脈硬化や高血圧の改善効果が期待できます。

大豆レシチンはコレステロールの上昇を抑制する効果があるのでダイエットのサポートにも役立ちます。また、脳の情報伝達に関わる神経細胞の重要な材料となります。

コリン

レシチンとその構成成分の一つである『コリン』。コリンは、食物と一緒に摂られたレシチンが腸内で分解されコ リンとして独立、脳に運ばれアセチルコリンという情報伝達物質に変わり、記憶力や集中力を高め、物忘れなど脳の老化やボケ予防等に効果が期待できます。

大豆サポニン

大豆サポニンは渋みや苦み、えぐ味の原因物質です。嫌われる要素として考えられがちですが、その機能として脂肪の蓄積を防いで肥満防止、老化のもとになる活性酸素の抑制、便通改善などの働きが期待できます。

イソフラボン

イソフラボンは人にとって女性ホルモンに似た物質であることが有名ですが、この成分は細胞の新陳代謝を高めてくれる効果があるとして犬猫にとってもメリットがある栄養素です。

また、毛並みや皮膚の健康にも役立ち、アンチエイジング効果が期待できます。

大豆オリゴ糖

大豆に含まれるオリゴ糖は砂糖の70~75%程度の甘みと言われています。この大豆オリゴ糖は大腸まで届いて腸内細菌のエサとなり、腸内環境の改善に役立ちます。

また、オリゴ糖はブドウ糖や果糖と違って胃や腸で分解されにくく蓄積されないまま便と一緒に排出されるので太りにくい糖といわれています。

カルシウム

体を支える骨格の強化に活躍する働きがあります。骨や歯の構成に必要不可欠な栄養素です。吸収にやや難点のあるカルシウムですが、豆腐の良質なたんぱくによって吸収が促進されるといわれています。

参考:全豆連

豆腐を与える際の注意点

薬味や調味料は加えないでください

豆腐で思い浮かぶのは冷ややっこや湯豆腐、麻婆豆腐などですが、人用に調理した豆腐料理には犬猫にとって害な食材が組み合わせてあることが多いです。

薬味によく使われるネギは犬猫にとって中毒症状を起こす代表的な食材。その他にも中華料理でよく登場するニンニクやトウガラシも中毒症状や消化器官等にダメージを与える食材として報告されています。

調理過程で使われる調味料も犬猫にとっては塩分過多になり体調不良やそれを起因とする病気へつながる危険性がありますので、犬猫に与える際には中毒症状を起こす薬味や調味料を加えていないものを出してあげましょう。

また、前述のとおり豆腐の加工品にはすでに塩や砂糖そのほかの調味料や玉ねぎ等の犬猫にとって有害な食材を使用しているものもあります。市販されている人用の加工品は基本的に与えないようにしてください。

アレルギー

大豆はアレルギー特定原材料に準じるものとして登録されている食材のひとつです。人と同じく大豆アレルギーをもつ犬猫もいます。

初めて豆腐を与える際にはごく少量から食べさせましょう。食後から翌日程度までは体調の変化に注意し、変化がなく大丈夫そうであれば徐々に量を増やし、様子を見ながら与えるようにしてください。

下痢や嘔吐、眼の充血や発疹などアレルギー症状が現れた場合には動物病院へ相談しましょう。

持病をもつ犬猫に与える場合は要注意

豆腐の原料となる大豆にはカリウムが比較的多く含まれているので腎臓病を患っていたりシニア犬猫で腎機能が衰えている場合にはカリウムの排出がうまくできない可能性があるので注意が必要です。

併せて、心臓の治療など持病があり獣医師の指導を受けている場合には豆腐を与える前にかかりつけの動物病院で相談することをお勧めします。

また、豆腐にはマグネシウムとリンも多く含まれているので、それらを主成分とする『ストルバイト結石』を患っている犬猫に与えると、症状を悪化させてしまうケースも考えられます。

おすすめレシピ

鶏の水炊き

だし汁に鶏肉の旨味と香り野菜の栄養が溶け出したお汁までおいしい一品です。

鰹、野菜、肉のだしがでた水炊き。水炊きは昆布だしを使いたくなりますが、犬猫にはヨウ素が多くなりすぎるので鰹だしで作ります。

鶏の水炊き

ゴーヤチャンプルー

全ての栄養が豊富なゴーヤチャンプルー。鰹節の香りもよく、豚肉の脂のうまみと卵で全体に一体感が出ます。レモン3個分のビタミンCを持つゴーヤでビタミン補給にも。正に夏にぴったりの食事です。鉄分も多く、ビタミンCと同時摂取で貧血予防にも期待できます。

ゴーヤチャンプルー

豆腐のお好み焼き風

木綿豆腐、刻みキャベツ、玉子、青のり、鰹節を混ぜてフライパンで焼いて完成。小麦粉の代わりに豆腐を使い、玉子でまとめてお好み焼き風に。青のりと鰹節の香りと旨味で興味をそそります。豆腐とキャベツで低カロリーに仕上げた栄養補給が期待できるおやつに。

レアチーズ風豆腐ケーキ

水切りした木綿豆腐と水切りしたプレーンヨーグルトを混ぜてクリーム状にしたものを器に盛ります。お好みの果物(キウイ、りんご、バナナ等)を刻んでトッピングしたら完成。

ヨーグルトだけで犬猫が満足する量を与えようとすると少し気になるのが脂質。ヨーグルトに豆腐と合わせることでカロリーをあまり気にせずカサ増やしができます。フルーツと一緒に食べて満足感のあるおやつにぴったりなレシピです。

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スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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