犬猫にカフェイン飲料は与えないで!
コーヒーや紅茶に含まれる「カフェイン」。
カフェイン飲料はその美味しさに加え、眠気覚ましや集中力アップ、リラックスの効果もあるので普段から常飲している方や、仕事や勉強を頑張りたいという時に手に取る方も多いですよね。
適量を摂取すれば人体にはよい影響もあるカフェインですが、人よりも体の小さい犬猫に与えると効果が働き過ぎてしまい危険です。与えてはいけません。
ミルク入りの甘いコーヒーであったり、飼い主がカフェイン飲料を飲んでいる時などは犬猫も興味を持ち、ニオイを嗅いだり飲みたそうなそぶりをするのでつい与えたくなってしまうお気持ちはわかりますが絶対に禁物です。
ごく少量であれば重篤なケースには至らないと考えられますが、そのリスクを考えればそれさえも避けたほうがよいと言えます。
犬猫がカフェインを摂取することの危険性や、誤飲した場合の対処方、カフェインを含む飲料や食べ物を、こちらの記事で解説していきます。
カフェインを摂取した際に起こる症状
人間ですら過剰に摂取すると睡眠障害や倦怠感、急性中毒などを引き起こすカフェイン。
人間よりも小さな犬猫たちの場合、その影響は想像以上に大きなものとなります。
- 嘔吐・下痢
- 過度な興奮や動悸
- 不整脈
- 震え
- 痙攣
といった症状を引き起こす恐れがあります。また、過剰に摂取すると死亡の危険もあります。
一緒に生活している中での少量の誤飲(カフェイン飲料の入っていたカップを舐めてしまう、コーヒーの粉を少し舐めてしまうなど)によってこれら症状が現れる可能性は低いと考えられますが、カフェインの耐性には個体差も大きく、絶対に安心とは言い切れません。
たとえ少しの量でも誤飲してしまわないように普段の生活から飼い主さんが気をつけることが大事です。
どの程度飲んだら中毒症状?注意すべき摂取量
カフェイン飲料の種類 | カフェイン含有量(100gあたり) |
---|---|
玉露茶(茶10gを熱湯60㎖で2.5分浸出) | 160mg |
コーヒー(粉末10gを熱湯150㎖で浸出) | 60mg |
紅茶(茶5gを熱湯360㎖で1.5~4分抽出) | 30mg |
せん茶(茶10gを6熱430㎖で1分浸出) | 20mg |
ほうじちゃ(茶15gを熱湯650㎖で30秒浸出) | 20mg |
ウーロン茶(茶15gを熱湯650㎖で30秒浸出) | 20mg |
玄米茶(茶15gを熱湯650㎖で30秒浸出) | 10mg |
ピュアココア | 200mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
犬猫がカフェインを摂取した際の致死量は体重1kgあたり150mg程度。
中毒症状は体重1kgあたり約20mgで現れると考えられています。
これは体重3~5kg程度の犬猫であればコーヒーならカップ一杯程度となるので、なかなかそこまで飲むこともないとは思いますが、カフェイン摂取による影響は個体差が非常に大きく、少しの量でも重症化する可能性は十分に考えられます。
小さな犬猫、年老いた犬猫、健康に問題のある犬猫は特に気をつける必要があります。
もしかして…!?こんな症状が出ていたらカフェイン飲料を飲んだ可能性!
カフェイン飲料を飲まないように気をつけていても、うっかりしていたり、犬猫の思わぬ行動で知らない間にカフェインを摂取してしまう可能性が考えられます。
以下のような症状が出ている場合カフェイン中毒を引き起こしている可能性があるので、動物病院に連絡をいれましょう。
- 興奮した様子でいつも以上に鳴いて動き回る、もしくはいつもより大人しく元気がない
- 何度もおしっこに行く
- よだれが多くなる
- 呼吸が速くなる
- 下痢や嘔吐
カフェイン飲料を飲んでしまった時の対処法
犬猫が誤ってカフェイン飲料を飲んでしまった場合は、すみやかに動物病院に連れていきましょう!
少量であったり、今現在中毒症状が出ていなかったとしてもあとから何らかの症状が出てくる可能性は十分に考えられます。
病院に行く際は、
- カフェイン飲料やカフェインが含まれる食品を誤飲・誤食した時間が何時頃か(いつ頃か、どれくらい経ったのか)
- どんな種類のカフェイン飲料や食品を誤飲・誤食したのか(製品自体の種類や、ドリップか、インスタントか、ミルクが入ったものかなど)
- どの程度の量を誤飲・誤食したのか(ほんの少しなのか、たくさん飲んでしまったのかなど)
などといったことをメモしておき、電話や受診の際にすぐに伝えられるようにしておきましょう。
カフェイン中毒発症までの時間は?
概ね1~2時間程度で初期症状が出始めると考えられます。
もちろんカフェインの摂取量や犬猫の体の大きさ、健康状態、年齢、その他様々な個体差などで時間や症状も変わってきます。
あくまで目安の時間であると捉え、油断せずに様子を見るようにしましょう。
カフェイン飲料を舐めてしまった!コーヒー豆を食べてしまった!大丈夫?
こぼしたカフェイン飲料を拭き取る前に犬猫が舐めてしまった!ということもあるかもしれません。
中毒症状は犬猫の体重1kgあたり20mgほどで発症すると考えられておりますので、数滴分舐めてしまった程度ではこの量には至らず危険度は低めです。
しかし、カフェイン中毒による症状の発症具合は個体差が非常に大きく絶対に安心とは言い切れません。様子をしっかりと観察し、いつもと比べ少しでもおかしい場合や不安な場合は獣医師に連絡を入れましょう。
また、小さなコーヒー豆にも一粒あたり1~2mgのカフェインが含まれており危険です。
豆一粒が小さいことやフードと見た目が似ていることから誤食の可能性は十分に考えられます。取り扱いには気をつけましょう。
コーラやエナジードリンク、カフェインレス飲料、カフェオレも危険!
お茶やコーヒー以外のコーラや栄養ドリンク(エナジードリンク)にもカフェインが含有されており危険です!
コーラは100gあたり10mg、一般的な栄養ドリンクは100gあたり30mgのカフェインが含まれております。
これらの飲料はカフェイン以外にも砂糖など犬猫にとってよくないものが含まれているのでより注意を払いましょう。
カフェインレスコーヒーやデカフェにもカフェインが含まれています。
これらはカフェインが少なくなるよう除去や処理が行われていますが、全く含まれていない訳ではありません。
カフェオレやカフェラテもミルクによりカフェインの割合は低下していますが、カフェインが含まれていることに変わりないので同様に危険です。
コーヒーの加工品(ゼリーやお菓子など)にも当然カフェインが含まれておりますので与えることは厳禁です。
まとめ
日々の生活にやすらぎを与えてくれるカフェイン飲料。
人間が適量を摂取する分には集中効果などもあり素晴らしい飲み物ですが、犬猫には少量でも大変危険です。
様々な中毒症状を引き起こす可能性があります。場合によってはより重篤な状態になることも考えられます。
犬猫の居る家庭でこれら飲料や食品を取り扱う際は、誤飲・誤食に気をつけ、自身が口にするときのみならず、保管場所やゴミを捨てる時にまで細心の注意を払いましょう。