お酒のリキュールなどに使用されることでもお馴染みのカシス。
ブルーベリーやラズベリーなどのベリー系の果物の仲間と思われがちですが、カシスはユキノシタ科スグリ属に分類される植物です。
「レッドカラント」や「グロゼイユ」や「フサスグリ」などと呼ばれる以下の果物の仲間になります。
そんなカシスは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫はカシスを食べても大丈夫!
犬や猫はカシスを食べても大丈夫です。
今回は犬猫にカシスを与える際の注意点やポイントについてご紹介したいと思います。
生カシスはどこで手に入る?
カシスがスーパーに並んでいることやどこかに売っているのはなかなか見かけないと思います。
カシスは収穫後の劣化が早いうえに、生カシスは独特のえぐみがあるため生食に向いていません。
収穫量は国内では青森県が全国一位、世界ではロシアが一位です。
カシスはスーパーなどではなかなか見かけることはないですが通信販売で買うことができます。
しかし通信販売でも基本は冷凍のもので生のカシスは手に入りません。
カシスの加工品は犬猫に与えてはいけない!
通信販売で「カシス」と検索するとカシスリキュールやサプリメントなどのカシスを使用した加工品が多く出てきます。
そのような加工品は犬猫に与えてはいけません。
お酒を与える危険性
犬猫にカシスリキュールは絶対に与えてはいけません。
人間がアルコールを摂取した場合は胃や腸で吸収され肝臓でアルコール分解酵素によって分解されます。
しかし犬猫は人間とは違いアルコール分解酵素を持っていないため血中のアルコール濃度がなかなか下がりません。
そのため犬猫がアルコールを摂取してしまうと長い間体内にとどまり、脳や内臓など体の様々な器官に害を及ぼします。
砂糖の危険性
カシスリキュールだけでなく、アルコールが入っていないカシスシロップやカシスジャムなども犬猫には与えてはいけません。
これらには砂糖がとても多く含まれており、砂糖に含まれる「グルコース」が原因で犬猫の肥満につながる可能性があります。
太った犬猫はかわいらしいですが、肥満は関節炎や糖尿病に繋がる可能性があるのでしっかりと管理は行うべきです。
糖尿病になると血糖値を抑えるために働くインスリンの分泌量が減少し血糖値の高い状態が続いてしまいます。
高血糖が続くと元気がなくなり下痢や嘔吐などの症状が現れ、最終的には神経障害などを起こし死に至る可能性もあります。
糖尿病は一度かかってしまうと完治が難しい病気とされているため予防や対策が重要です。
ドライフルーツは大丈夫?
カシスをドライフルーツにしたドライカシスというものも販売されています。
ドライフルーツには砂糖や油が使用されているものもあるのでドライカシスは犬猫に与えない方がいいです。
砂糖や油が使用されていないものであれば犬猫が食べても大丈夫と言えます。
しかしドライフルーツは果物から水分を抜いたものなので同じ重量あたりの果糖や食物繊維量がフレッシュフルーツに比べて多いです。
その上ドライフルーツはおやつとしても与えやすいためついつい与えすぎになってしまいがちなので注意が必要です。
ドライフルーツに関しては以下の記事も参考にしてみてください。
カシスに含まれる代表的な栄養素
アセロラ 酸味種 生 可食部100gあたり
含有量 | |
---|---|
エネルギー | 62kcal |
たんぱく質 | 1.1g |
脂質 | 1.1g |
ビタミンA | 9μg |
ビタミンC | 181mg |
ビタミンE | 2.1mg |
参考:八訂 食品成分表 2022 / カシスの栄養素
アントシアニン
カシスにはブルーベリーなどにも含まれていることでお馴染みのポリフェノールの一種「アントシアニン」が豊富に含まれています。
アントシアニンは眼の網膜にある「ロドプシン」というたんぱく質の再合成を促す働きがあります。
そのため眼の機能の改善や眼精疲労回復・視力維持などに効果があると言われています。
カシスの抗酸化作用
前述したアントシアニンには抗酸化作用もあります。
それに加えカシスに含まれているビタミンA・ビタミンC・ビタミンEにも抗酸化作用があるためカシスには非常に高い抗酸化作用があると言えます。
抗酸化作用とは
多くの生き物は呼吸によって酸素を取り入れて生活していますが、酸素を体内で活用するときに「活性酸素」と呼ばれるものが一定数生じます。
活性酸素には細胞伝達物質や免疫機能としての役割があり、体に不必要なものではありません。
しかし活性酸素の量が増えすぎると過酸化脂質を産出して細胞を酸化させ老化・がん・糖尿病・動脈硬化などの原因となります。
その活性酸素に対抗する作用を「抗酸化作用」と言います。
抗酸化ビタミン
カシスに含まれるビタミンAには活性酸素の発生を抑え、取り除く働きがあります。
ビタミンEにも抗酸化作用があり、細胞の中に過酸化脂質が作られるのを抑える働きがあります。
活性酸素から体を守ったビタミンEはビタミンEラジカルという物質に変化し抗酸化作用を失ってしまいます。
ビタミンCにも過酸化脂質が作られるのを抑える働きがあり、さらにビタミンEラジカルを正常なビタミンEへ再生する能力もあります。
抗酸化作用のある三種類のビタミンはまとめて「ビタミンACE(エース)」と呼ばれています。
犬や猫へのカシスの与え方
カシスは冷凍の状態で売っているものがほとんどなので解凍したものをそのまま犬猫へおやつ代わりに与えるのもいいでしょう。
もしくはミキサーにかけて以下のようなデザートのソースとして使用するのもおすすめです。
パーティーの一品や水分摂取、投薬補助、フルーツを足してバリエーションなど意外と使い方の豊富なヨーグルト寒天。
与えすぎに注意
カシスには食物繊維が含まれているため犬猫に与えすぎると消化不良を起こす可能性があります。
無理に与えない
カシスは酸味が強いため好まない犬猫もいるでしょう。
無理強いはせずに食べなかった場合は諦めましょう。
【まとめ】犬猫はカシスを食べても大丈夫
犬猫はカシスを食べても大丈夫です。今回のポイントをおさらいしましょう。
- アントシアニンやビタミンACEの抗酸化作用で老化予防に効果的
- カシスリキュールをはじめとした加工品は犬猫に与えない
- 酸味が強いため犬猫が好まない可能性もある。食べない場合は無理に与えない
今回は犬や猫にカシスを与える注意点を解説しました。
犬や猫の健康を考える上で、正しい与え方を守り、バランスの良い食事を提供することが大切です。