ごく少量であればちくわを食べても大丈夫
ちくわの原料はスケソウダラ、イトヨリダイ、ホッケ、エソなどさまざまな種類の白身魚を使っています。
白身魚は比較的脂質は少なく、高たんぱく質な食品ですが、練り物の弾力を出すために食塩が混ぜ込まれているため、塩分量は多くなっています。
そのため、犬猫に与える際には少量に留めることをしっかり念頭に置いておきましょう。
犬より小さい猫はさらに影響を受けやすいので、人用に作られたちくわを頻繁に与えるのはあまりおすすめできません。
また、添加物や着色料の使用など気になる点もあります。
ちくわの栄養
たんぱく質
たんぱく質は犬猫の体の中でもエネルギーとして使われるほか、血や筋肉となって全身の構成要素になる酵素として働くこともあります。
ちくわにはたんぱく質が豊富に含まれており、ちくわに使われることが多いスケソウダラの速筋たんぱく質で筋量が増えたという報告もあります。
参考:nissui
ビタミンB12
赤いビタミンとも呼ばれるビタミンB12。赤血球の中にあるヘモグロビンの合成を促す働きがあり、ちくわにも多く含まれています。
水に溶けやすい水溶性ビタミンで、悪性の貧血に有効なビタミンとして知られています。
葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビン生成を助けています。
脳からの指令を伝える神経を正常に保つ働きもあるのですが、野菜にはほぼ含まれています。魚介類や肉などに多く含まれます。
鉄分
ちくわには鉄分も多く含まれています。鉄は体内の酸素運搬に関わる栄養素で、機能鉄が不足してくると貧血症状が現れてきます。
貧血予防にも大切な栄養素となります。
多価不飽和脂肪酸
ちくはは元々脂質が少ないので、魚を原料にしていますが多価不飽和脂肪酸はそこまで多く含まれてはいません。
しかし、魚由来のオメガ3、オメガ6は含有されており、皮膚や被毛の健康維持に活躍します。血栓予防や不整脈の予防も期待できます。
与える際の注意点
魚の香りと旨味で興味をもち食べたがる犬猫も多いと思います。
そのまま与えることがでる手軽さで頻繁に与えてしまいそうですが、与えすぎには注意してください。
塩分の過剰摂取や嗜好性に注意
人間がそのまま食べてもおいしいように加工されたちくわには塩分がしっかりと含まれています。
犬猫にとっては多すぎる塩分になるので与える量には十分に注意が必要です。
特に猫は体格の差で多少の違いはありますが、個体として犬より小さく、人用の食べ物を与えるとすぐに塩分過剰摂取になってしまいます。
犬猫に与える前には塩抜きというひと手間でより安全にちくわが与えられます。
ちくわを小さくカットし、沸騰したお湯で1,2分ほど茹で、ざるにあげて水にさらすとある程度の塩分は抜けます。
完全に塩分がなくなるわけではないですが、そのまま与えるよりは塩分量を控えられるのでお勧めです。
添加物の使用
またごく少量ではありますが添加物ソルビン酸が入っている場合があります。
このソルビン酸は厚生労働省によると「発ガン性はなく、安全性に懸念を生じさせる特段の毒性影響は認められない」とされています。
実際にちくわに使われる量は少量なので時々少量与える程度であればあまり気にする必要はないと考えますが、飼い主の考えで与えないという選択もあります。
スーパーには無添加のちくわもみられますのでパッケージを確認して購入することも大切な選択です。
嗜好性の高さに注意
ちくわは魚の香りも良く、人用にしっかりと味付けがされています。
ちくわの旨味の強さや味付けが気に入りすぎて総合栄養食であるペットフードをあまり食べなくなってしまうというケースが考えられます。
ペットフードや犬猫用の食べ物は基本的に味が薄く作られているので、濃い味付けに慣れてしまうと人用の食べ物にしか興味が沸かなくなってしまうなんていうことも。
時々、塩抜きしたちくわをおやつやトッピングに使うなど、与える頻度は控えめにしておくといいでしょう。
アレルギー
ちくわの原料は魚なので、魚アレルギーの犬猫には与えないように注意してください。
魚をすりつぶして加工してあるので魚の原型はなく、原材料をしらなければ誤って与えてしまう可能性があります。
ちくわを与えた後に下痢や嘔吐、発疹などが生じた場合には速やかに動物病院へ相談しましょう。
始めて与える場合にはごく少量から始め、食後の様子を注意してみてあげましょう。
まとめ
魚由来の良質なたんぱく質を含むちくわは少量であれば犬猫に与えても大丈夫といえますが、塩分が多いので積極的に与える必要はないと考えます。
犬猫が大好きで欲しがる、与えたいと考える場合には、塩抜きのひと手間を加えることをお勧めします。
無理に人用のちくわを与える必要はなく、犬猫用に作られたものも市販されています。
また、ちくわに含まれる添加物は問題ないとされていますが、愛犬、愛猫にはできるだけ添加物を避けたいという飼い主も多いのではないでしょうか。
近年では健康志向の高まりから無添加食品は注目を集め、買う側が選択できるようになってきていますので、与える前にパッケージで成分の確認をするのも一つの選択でしょう。