犬猫はとうもろこしを食べても大丈夫?缶のコーンは?葉っぱや芯は危険?

犬猫にとうもろこしを与えても大丈夫

夏に旬を迎えるとうもろこし。世界三大穀物のひとつで、甘く栄養価が高いことから動物の飼料にも幅広く使われています。

とうもろこしは犬猫の健康を害する成分は含まれていないので、犬猫が食べても問題ありません。ただし、コーン缶や加工品には犬猫にとって余計な調味料が使われていることが多いので注意が必要です。

豊富な食物繊維やビタミンなど犬猫にメリットの多い栄養素をバランスよく含むとうもろこしについて解説します。

とうもろこしを与えるメリット

食物繊維が豊富で腸内環境改善

とうもろこしには水溶性と不溶性の2つの食物繊維が含まれています。

水溶性食物繊維は糖質の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑える働きやコレステロールを排出する作用があります。

もう一方の不溶性食物繊維は、腸内の水分を吸い便のカサを増やすことで排便を促す作用や、体内の毒素、コレステロールを排出する効果が期待できます。

とうもろこしには水溶性より不溶性の食物繊維が豊富に含まれているので、便秘の解消に役立つと考えられます。

ルテインで目や肌を紫外線から守る

とうもろこしにはルテインという天然色素成分カルテノイドの一種が含まれています。これは黄色の色素で、マリーゴールドの鮮やかな花弁の黄色や食黄色野菜などに含まれる成分です。元々体内に蓄積されていて、特に眼底の網膜や水晶体、皮膚、乳房、大腸などに存在します。

このルテインは体内で新しく生成することはできず、加齢とともに減っていくため、食物から摂取したい栄養素といわれています。ルテインは抗酸化作用および免疫賦活作用や目や肌を守る働きが期待さています。ルテインが不足すると視力の低下や水晶体が濁ってしまう白内障などの目の病気を引き起こしたり、肌荒れを起こしやすくなります。

毎日の散歩や日向を好む犬猫には有益な成分といえるので、食事から摂取することで健康維持に繋がります。

とうもろこしの栄養

炭水化物

とうもろこしには炭水化物が豊富に含まれています。炭水化物は脳や体を動かすための大切なエネルギー源となります。炭水化物=糖質をイメージされることが多いですが、炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものをさします。

とうもろこしの糖質は白いご飯のおおよそ半分以下で、食物繊維は約2倍ともいわれています。野菜としてみると糖質が高めなとうもろこしですが、主食であるご飯と比較するととうもろこしの糖質は少なめといえます。

また食物繊維は便通を促すほか、コレステロールを吸着して体の外に排出させる働きがあるため、血中のコレステロール値を低下させることが期待されます。

食物繊維

とうもろこしには水に溶ける性質の水溶性食物繊維と、水に溶けない性質の不溶性食物繊維が含まれています。

水溶性食物繊維は糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の上昇を抑える働きがあります。不溶性食物繊維は水分を吸って膨らみ、便のカサを増やして排便を促す効果があります。とうもろこしは不溶性食物繊維の方が多く含まれるので、便通改善効果がより期待できます。

ルテイン

ルテインは天然色素成分カロテノイドの一種で、マリーゴールドの鮮やかな花弁の黄色や食黄色野菜などに含まれる黄色の色素です。

ルテインは人間や犬猫の眼の網膜の奥に存在する黄斑部や水晶体にも存在する物質です。このルテインを体内で新しく生成することはできず、加齢とともに減っていくため、食物から摂取したい栄養素です。抗酸化作用および免疫賦活作用や目や肌を守る働きが期待されます。

カリウム

カリウムは細胞内外の浸透圧を調節する働きがあります。利尿作用が期待でき、ナトリウムを排出する事で塩分の摂り過ぎを調節する重要な役割を果たします。血圧を下げる効果も期待できます。

アスパラギン酸

アスパラギン酸は、アミノ酸の一種です。アスパラギン酸は疲労回復に役立つため人間のスポーツドリンクや栄養ドリンクにも配合されています。

疲労物質を燃焼させてエネルギーに換え、さらに疲労回復に必要なカリウムやマグネシウムなどのミネラルを各組織へ運びます。利尿作用もあり、体に有害なアンモニアを排出させる働きもあります。

ビタミンB群

とうもろこしには、ビタミンB1、B6、ナイアシン、葉酸といったビタミンB群が豊富に含まれています。

特にビタミンB1とB2 が多く含まれており、B1とB2は疲労回復、被毛、爪、皮膚などの健康を保つ効果があります。 また、脳の働きを活発にする効果も認められており、代謝を促す作用もあるため肥満防止にもつながります。

参考:とうもろこしの栄養成分と効能

与える際の注意点

加熱してから与えましょう

とうもろこしの粒を纏う薄皮は生のままでは硬く、消化不良を起こし下痢や嘔吐を引き起こす要因となります。必ず茹でたり蒸したりして加熱したものを与えてください。

芯から粒を外したものを刻んでから与えてあげたり、子犬猫やシニア犬猫にはミキサーをかけたり裏ごしをするなどペースト状にするとより消化に優しく与えられます。

芯や葉っぱは与えないでください

生はのとうもろこしもですが、芯は加熱しても硬いので与えないようにしてください。かみ砕くこと自体も困難なほど硬いですが、もし飲み込んでしまった場合、のどに詰まってしまったり腸閉塞などを起こしてしまう危険性が考えられます。

また、葉っぱも有害な成分は含まれませんが非常に硬く消化不良を起こす危険性や、農薬がついている可能性があるため絶対に与えないでください。

誤飲事故を防ぐためにも葉や芯は取り外してから与え、処分管理もしっかり行いましょう。

味付けをしないでください

人が食べるときには塩茹でにしたり、醬油を塗って焼いて食べる事が多いですが、犬猫に与える場合には塩分過多になってしまうので調味しないように気をつけてください。

缶詰などの加工品には要注意

とうもろこしの加工品には犬猫に与えられるものと与えられないものがあります。

とうもろこしのみで加工された缶詰やポップコーン、コーンスターチなどであれば少量なら与えても問題ないと考えられますが、一般的に売られているコーンの缶詰は食塩や砂糖、添加物を使用したものが多くありますので成分表をきちんと確認してから与えてください。

人用に市販されているポップコーンなどのお菓子には油や調味料を使われているので与えないようにしましょう。

高エネルギー食材なので与えすぎは肥満の原因

とうもろこしの主成分は炭水化物なので食べ過ぎは肥満の原因になります。白米と比べれば糖質は低いのですが、野菜としては高カロリーな部類に入ります。肥満は体への負担のみならず、様々な病気の要因となる危険性が高いので与えすぎには注意しましょう。

主食として総合栄養食のペットフードをしっかり食べている場合にはおやつやトッピング程度が好ましいです。

おすすめレシピ

とうもろこしサラダ

お湯で茹でたとうもろこしを芯から外して包丁で刻みます。水菜、きゅうり、トマトを小さめに切りほぐした茹でささみと和えて完成。

とうもろこしの食物繊維や、炭水化物にビタミン豊富な水菜と水分補給にぴったりなきゅうり、トマトの夏野菜を合わせました。ささみの良質な動物性たんぱく質も合わさった栄養豊富なパワーサラダです。

【まとめ】

とうもろこしは豊富な食物繊維やエネルギー源となる炭水化物の他にもビタミンや鉄など犬猫の体にも必要な働きをする栄養素が多く含まれています。その一方で主食にもなる高エネルギー食材であり与えすぎは肥満の原因にもなるので与える量は犬猫の体質や体調、体格に合わせて与えることが大切です。

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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