犬猫はハゼを食べても大丈夫!釣りの定番の魚は生食もOK!ただし与えすぎには注意

秋に旬を迎え、お刺身や天ぷらで食べられる魚「ハゼ」。

スーパーなどではあまり見かけませんが、釣りの対象魚として人気のため釣りが趣味の方にはメジャーな魚かもしれません。

海の浅瀬や、真水と海水が混ざる「汽水域(きすいいき)」と呼ばれる場所を好み、生息しています。

しかし、最近では水質変化やエサ不足の影響などでなかなか見られなくなり、高級魚となっています。

そんなハゼは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。

犬や猫はハゼを食べても大丈夫!

ハゼには犬猫にとって有毒な成分などは含まれていないため、犬や猫はハゼを食べても大丈夫です。

ただし、犬猫にハゼを与える場合は注意すべき点があるのでご紹介したいと思います。

生で食べても大丈夫?

大きく育ったハゼは「ハゼの洗い」という、捌いたハゼの身を20~30秒ほど氷水で締めたものをお刺身として食べられることがあります。

「洗い」にすることによって、身が引き締まり、臭み取りやうろこを洗い流す効果もあるようです。

犬猫も生のハゼを食べても基本的には大丈夫ですが注意点があります。

そのまま与えない

ネット上では、釣ったハゼを丸々1匹野良猫に与えているような動画もありますが、こういった与え方はおすすめできません。

釣った魚はどんな菌を持っているかわからないですし、寄生虫のリスクも少なからずあります。

また、基本的に犬猫は自分が飲み込めるサイズに噛みちぎってから飲み込むかと思いますが、急いで食べて丸呑みしてしまう可能性もあります。

そうなると呼吸困難・消化不良・腸閉塞の危険性があり、骨やひれなどが口内や消化器官に刺さってしまう恐れもあります。

もし生のまま与える場合は骨や内臓を綺麗に取り除き、一口サイズに捌いてから与えてあげましょう。

たくさん与えない

生の魚を犬猫に与えすぎると、魚が持っている不飽和脂肪酸が原因で「黄色脂肪症(イエローファット)」になる可能性があります。

DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸には動脈硬化やがんの予防につながる一方で、過剰摂取により脂肪を酸化・変性させてしまいます。

黄色脂肪症になると犬猫の下腹部や胸部の脂肪が変性し、激しい痛みを伴う「しこり」となります。

犬猫は黄色脂肪症を発症すると痛みの伴う部分に触れられるのを嫌がったり、歩行に違和感が生じたりします。

基本的には釣り人などから魚を与えられる機会の多い海の近くに住む野良猫に多い病気ですが、家猫の場合でも偏食などによっても発症することがあるようです。

ハゼに含まれる代表的な栄養素

はぜ 生 可食部100gあたり

栄養素含有量
エネルギー78kcal
たんぱく質16.1g
脂質0.1g
炭水化物3.2g
ビタミンB10.04mg
ビタミンB20.04mg
ビタミンB60.07mg
ビタミンB122.7μg
カリウム350mg
カルシウム42mg
リン190mg
マグネシウム27mg
0.2mg

参考資料:八訂 食品成分表 2022

ハゼにはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。

ビタミン類

ビタミンB1

ビタミンB1は糖質からエネルギーを作り出すのに必要不可欠な栄養素です。

そのため、糖質を活動の栄養源としている脳や筋肉の機能維持には欠かせません。

ビタミンB2

三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)の代謝を支える役割を担っているとても重要な栄養素です。

健康的な皮膚や被毛の維持にも必要で、美容にも効果的と言われています。

ビタミンB6

たんぱく質をエネルギーに変換する上で重要な役割を担っています。

完全肉食動物の猫や、肉食寄りの雑食動物である犬にとってたんぱく質は体を作る材料であると共に、とても重要なエネルギー源です。

そのためビタミンB6はとても重要な栄養素と言えます。

また、元々皮膚炎を予防する研究の際に発見されたビタミンなので皮膚や被毛の健康維持にも役立ちます。

ビタミンB12

ビタミンB12は赤血球中に存在するヘモグロビンを生成し、悪性貧血を予防します。

他にも神経系を正常に保つ・DNAやたんぱく質の合成の補助などの役割があります。

ミネラル類

カリウム

様々な食材に含まれるミネラルで、体内のほとんどの細胞に含まれています。

カリウムは摂取しすぎたナトリウム(塩分)を体外へ排出する働きがあり、高血圧を防ぎます

不足することはあまりありませんが、嘔吐や下痢の常習が原因の栄養失調や偏食によりカリウムが不足すると「低カリウム血症」の可能性もあるので注意シャム書う。

カルシウム・リン・マグネシウム

これら3つのミネラルの多くは骨の中に存在して、強い骨を維持します。

カルシウムやマグネシウムだけを摂取しすぎてしまうと尿路結石に原因となってしまうためバランス良く摂取することが大切です。

血液中のヘモグロビンやミオグロビンを構成する重要な栄養素です。

鉄が不足すると体に酸素が行き渡りにくくなり、貧血を起こします。

犬や猫へのハゼの与え方

犬猫へハゼを与える場合はお刺身を少しだけ分けてあげるか、火を通して以下の鱈のレシピを参考にフレーク状にするのがよいでしょう。

基本の鱈フレーク

魚のフレークは普段与えているペットフードのトッピングとしても活用することが出来ます。

ハゼを使用する場合は捌く必要があるかもしれません。

【まとめ】犬猫はハゼを食べても大丈夫

犬猫はハゼを食べても大丈夫です。今回のポイントをおさらいしましょう。

  • 生で食べても大丈夫だがそのまま与えると丸呑みや骨が刺さるリスクがあるので捌いたものを与える
  • 生のまま与えすぎると黄色脂肪症になってしまう可能性があるのであまり与えすぎない
  • ビタミンやミネラルが豊富で犬猫にとっても嬉しい栄養素が含まれている

今回は犬や猫にハゼを与える注意点を解説しました。

食べても大丈夫な食材でも食べ過ぎにはリスクがある場合があるので注意しましょう。

関連記事

  • 犬猫はヒラメを食べても大丈夫!低脂質で高たんぱくな白身魚の代表格!でも刺身はNG
  • 犬猫にはししゃもを与えない方がいい!塩分量が多く心臓病や腎臓病悪化の恐れあり
  • 犬猫はサワラを食べても大丈夫!新鮮なものを加熱調理して与えるのがおすすめ
  • 犬猫ははんぺんを食べても大丈夫?食べられない食材は入ってる?塩分など注意点を解説

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

記事一覧

ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

関連記事