犬猫はわかめを食べても大丈夫!乾燥わかめや塩蔵タイプもあげられる?注意点を解説

犬猫はわかめを食べても大丈夫

わかめは食物繊維が豊富で、低カロリーな上、満足感が得られるのでダイエット食材として注目されています。

この効果は犬猫にとっても同様で、犬猫が食べても大丈夫な食材です。

肥満防止に食事の制限をしている犬猫のごはんのカサ増しに利用すれば満足感と共に腸内環境改善にも役立ち、健康効果が得られることが期待できます。

ただし、その豊富な食物繊維で犬猫にとっては消化しにくい食材でもあります

過剰に与える事や大きいまま与えると、消化不良などを引き起こす原因になりかねません。

子犬猫、シニア犬猫にも与えられますが、消化の観点から必ず茹でてできるだけ細かく刻むかミキサーなどでペーストのようにしたものを少量食べさせる程度に控えてください。

乾燥わかめと塩蔵わかめはそのまま与えない

日常的に使用するのは生のものより乾燥したタイプや塩蔵タイプのわかめが多いと思います

常に生のわかめを用意するのが大変な場合もありますので、保存しやすくお手軽に使える乾燥、塩蔵の注意点を解説します。

乾燥わかめ

乾燥わかめは、水で戻して茹でた後に刻めば犬猫が食べても大丈夫です。

人でも稀に乾燥わかめを水で戻さず、そのままポリポリと食べていたら突然の腹痛に襲われ病院に搬送されたという報告があります。

乾燥わかめが体内の水分で膨らみ、わかめの膨張に消化が追いつかなくなり、腸に詰まって腸閉塞となるケースもあります。

最悪のケースでは開腹手術でわかめを取り除く場合もあります。

これは犬猫も同様に注意すべき点で、たとえ少量であっても何倍にも膨れ上がり消化器官を詰まらせてしまう可能性があるので乾燥わかめをそのまま食べさせるのは絶対にやめてください。

塩蔵わかめ

塩蔵わかめはその名の通り、わかめに多量の塩をまぶして長期保存を可能にしたわかめです。

塩蔵わかめをそのまま食べさせる事は考えにくいのですが、絶対に多量の塩がついたまま食べさせてはいけません。

また乾燥わかめほどではありませんが、塩で水分が抜けている状態なので、水で戻せば3倍前後に量が増えます。

このことから塩分過剰に併せて、体内での膨張で大変危険となります。

生や乾燥のわかめに比べて塩蔵わかめは塩分が多いので、犬猫が食べられるようにするには入念な塩抜きが必要になります。

方法としては、塩を洗い流したあとにボウルに入れ、浸る程度の水でこすり洗いを水を替えながら3回程度繰り返します。

洗い終わった後にわかめが浸る程度の水を注ぎ、5分程度置けば塩抜き完了です。

生のものを用意するのが難しければ乾燥わかめ、塩蔵わかめを適切に下処理したものを用意しましょう

わかめを与えるメリット

被毛や皮膚の健康維持に役立ちます

わかめに含まれる栄養素の中でも特徴的なヨウ素は全身の新陳代謝を促す効果があります。

体内の新陳代謝が活発になると皮膚や被毛の健康維持に繋がります。

また、ミネラルやビタミンも豊富なので、皮膚や筋肉を健康に保つ効果や、ヨウ素と同様に被毛の健康維持に効果が期待されます。

腸内環境改善!ダイエット効果にも期待

わかめには豊富な食物繊維に加えてマグネシウムも豊富です。

わかめに含まれる水溶性の食物繊維は腸内環境改善に役立つほかにも、血糖値の上昇を緩やかにし、コレステロールの排出をサポートをしてくれるのでダイエットに最適。

マグネシウムには水分を引き込む作用もあるため、便が柔らかくなり便秘解消に役立つでしょう。

低カロリーなところもわかめの魅力のひとつ。

肥満予防に食事の制限をしている犬猫のごはんのカサ増しにあまりカロリーを気にせず使えます

食事制限をすると食べたりないと催促をしたり、ストレスに繋がる事もありますので、与えすぎは禁物ですが上手に使って健康的な食事を目指しましょう。

わかめの栄養

湯通し塩蔵わかめ 塩抜き ゆで 100g当たり

使う機会の多い塩蔵わかめの栄養素です。

一度に100g与えることはないですが参考にしてみてください。

栄養素含有量
エネルギー7kcal
たんぱく質0.5g
脂質0.1g
炭水化物0.5g
カリウム2mg
カルシウム19mg
ヨウ素200μg
ビタミンK50mg

参考資料:八訂 食品成分表 2022

アルギン酸

わかめのヌルヌル感の正体であるアルギン酸。

わかめ以外にもコンブ、ヒジキ、モズクなどに含まれる多糖類の一種で、海藻のぬめり成分、天然の食物繊維として知られています。

アルギン酸は血圧の上昇を抑制する効果やコレステロール値を下げる効果があり、ダイエットや動脈硬化の予防に期待されています。

また、アルギン酸は食物繊維の一種のため、便秘を改善し腸内環境を整える効果があります。

ヨウ素

ヨウ素とは、人にも動物にも必要不可欠なミネラルのひとつで、ヨードとも呼ばれています。

わかめにはこのヨウ素が豊富に含まれています。

体内の甲状腺に多く存在し、甲状腺から分泌されるホルモンの主要な構成成分となり働きます。

ほかにも全身の新陳代謝を促し、体温の調整、脳や心臓、腎臓の働きの活性化を助けます。

ヨウ素は身体に必須の栄養素である反面、多く摂取しすぎると悪影響があることが判っています。

食べさせ過ぎは甲状腺の機能低下に繋がりますので甲状腺疾患がある場合は要注意です。

カルシウム

わかめはミネラルが豊富で、特にカルシウムが多く含まれています。

体を支える骨格の強化に活躍する働きがあり、骨や歯の構成に必要不可欠な栄養素です。

マグネシウム

骨の成長や強化、維持に重要な働きをするミネラルの一種で、わかめはこのマグネシウムも豊富に含まれています。

マグネシウムには水分を引き込む作用もあるため、便が柔らかくなり便秘解消の効果も期待できます。

ビタミンA

海の野菜ともいわれるわかめにはビタミンも豊富に含まれています。

その中でもビタミンAは目の健康に役立つと言われていて、白内障の予防や角膜の健康維持に期待できます。

目以外では皮膚や粘膜、被毛の健康状態を保つ働きもあります。

ビタミンK

わかめに豊富に含まれるビタミンの内のひとつであるビタミンKは血液と骨には不可欠な栄養です。

血液を固めて出血を止める働きをする脂溶性のビタミンです。

参考:まるまる摂れる!わかめの栄養成分

与える際の注意点

消化に悪いので必ず加熱したものを細かく切ってから与えましょう

生のわかめには硬い茎の部分もあるので大きいまま食べさせるのは消化に良くありません。

そもそも犬猫は消化能力が人より低いので、食物繊維豊富なわかめをカットせずに与えるのは犬猫の体に負担がかかります。

生でも乾燥でも、必ず柔らかく茹でて、細かく刻んでから総合栄養食のペットフードにトッピングをしたり、手作りご飯に使うようにしましょう。

味付けは不要!

わかめは味噌汁やサラダなどによく使われますが、犬猫が食べる際には調味は不要です。

人用に調味されたものは犬猫にとって塩分や糖分の過剰摂取の他にも、添加物やネギ類、香辛料など犬猫にとって有害となる食材との組み合わせも考えられます。

基本的に調味されていないものを使用するようにし、人用に加工されたものは食べさせないように注意しましょう。

甲状腺疾患、尿路結石で療養中の犬猫には控えてください

わかめにはヨウ素が豊富に含まれています。

甲状腺疾患とヨウ素の摂取量の関係性については明確になっていない部分もありますが、人では体内のヨウ素過剰により甲状腺ホルモンへ様々な影響が報告されています。

念のため甲状腺疾患を持つ犬猫へ食べさせるのは控えた方が良いでしょう。

わかめを与えたいと考える場合にはかかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。

また、わかめにはミネラルも豊富に含まれています。

健康的な犬猫が常識的な量のわかめを食べる程度では尿路結石症を引き起こす心配はないので、わかめを食べても大丈夫ですが、すでに尿路結石の療養中である犬猫には悪影響となる場合もあります。

こちらも与えたいと考える場合にはかかりつけの獣医師へ相談する事をおすすめします。

茎わかめやめかぶは与えて大丈夫?

茎わかめとはわかめの葉状体の中でくきのように見える部分で、コリコリとした食感が特徴。

また、めかぶは肉厚でひだが多い根元の部分で納豆のようにネバネバとする特徴があります。

これらは基本的に犬猫が食べても大丈夫ですが、市販のものは味付けがされているものがほとんどです。

人が美味しく食べられるほどの味付けは犬猫にとって健康被害を及ぼすほどと考えられるので、市販の味付けがされているものは食べさせないようにしましょう。

犬猫に茎わかめ、めかぶを食べさせたいと考える場合には、味付けがされていない生のものがスーパーに並ぶことがありますのでそちら選ぶようにしましょう。

食べさせる際の加熱調理と刻んで消化のサポートをしてあげることもお忘れなく。

まとめ

犬猫はわかめを食べても大丈夫!乾燥わかめと塩蔵わかめには注意が必要ですが、わかめ自体は犬猫の健康にとっても有益です。

食物繊維が豊富で、低カロリーな上、満足感が得られるのでわかめはダイエット食材として注目されています。

ただし、その豊富な食物繊維で犬猫にとっては消化しにくい食材でもありますので過剰に与える事はせずにあくまで少量を。

必ず茹でて、できるだけ細かく刻むかミキサーなどでペーストのようにしたものを少量食べさせる程度に留めましょう。

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スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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